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アニメではカット。原作"シティーハンター"の冴羽獠の最大の敵は?

雑学カンパニー編集部

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シティーハンターの原作では冴羽獠の養父が最大の敵として登場するという雑学

『シティーハンター』は、昭和末期から平成初期にかけて、『少年ジャンプ』の黄金期と呼ばれる時代に連載されていた人気漫画だ。シティーハンターと呼ばれるプロの始末屋・冴羽獠(さえばりょう)の活躍を描いた作品である。

序盤は単に女好きの殺し屋を描いたような内容だったが、途中から探偵が女性のボディーガードをするような作風に変わり、5000万部を超える大ヒット作品になった。正義の味方感が強くなったことが、ヒットに拍車をかけたといったところだろうか。

こうしてアニメ化もされたシティーハンターだが、実はアニメでは原作での最大の敵が登場しない。つまり物語の大きな見どころがカットされているのだ…。

獠には「親父」と呼んで慕っていた人物がいる。原作ではその人物が最大の敵として登場するのである。今回はそんなシティーハンターの最大の敵・冴羽獠の養父についての雑学を紹介していくぞ!

【サブカル雑学】シティーハンターの原作では冴羽獠の養父が最大の敵として登場する

ゆい
『シティーハンター』の冴羽獠さんの最大の敵がアニメ版には登場していないって本当ですの?
ひかり
そうなんだよ、ゆいちゃん!冴羽獠の養父は麻薬組織のボスとして原作の2巻から登場しているんだけど、アニメ版ではそれがないの!

【雑学解説】冴羽獠の養父海原神は国際的麻薬組織のボス

冴羽獠は日本人だが、日本で育ったわけではない。子供の頃に乗っていた旅客機が南米に墜落し、現地のゲリラに拾われたという設定である。

ひかり
ちなみにこの事故によって身元を証明するものを紛失してしまったから、本名も生年月日も不明なんだって!

そのとき、ゲリラのリーダー格だった人物2人に獠は育てられた。このうちの1人についてはテレビアニメでも、原作の中盤でも触れられているが、既に亡くなっているらしく名前も明らかにならない。

娘がブラッディ・マリーという名前で登場したため、マリーの父という扱いで触れられるぐらいのものだ。

そしてもう1人の育ての親が、獠が「親父」と呼んで慕っていた海原神(かいばらしん)である。

海原は、ユニオンテオーペという国際的な麻薬組織のボスで、本格的に登場するのは物語後半だ。ただしわずかではあるが、2巻の時点ですでに組織のボスとして、セリフ付きで描かれる。

この時点で獠との関係が決まっていたのかは定かではないが、かなり早い段階で物語の鍵を握る存在として登場しているのだ。

ゆい
そんな重要なキャラなのに、アニメ版には出ていなかったんですのね…

原作ではかなりの人気キャラだった!

ちなみに海原は見た目からそれなりの高齢者と考えられ、さらに左足には義足をつけている。それにもかかわらずに獠に引けを取らないほど素早い身のこなしを見せ、銃の腕も獠と同等以上である。その超人的な能力から、原作ではかなりの人気キャラだ。

本来の海原は獠を助けるために左足を失っても、獠に対して笑いかけるような優しい人物だった。しかし、戦場で人間の醜い部分を見続けるうちに狂気に囚われていったのだ。

ひかり
本来の海原は理想主義のいい人だったみたいなんだけど…戦争って怖いね…

原作で槇村香の兄を殺したのは海原の組織

獠の相棒といえばヒロインの槇村香(まきむらかおり)だが、初期の相棒は香の兄だった。彼は犯罪組織に殺されているが、犯人がアニメと原作で別の組織になっている。

原作では海原がボスを務めるユニオンテオーペアニメではジェネラルという殺し屋が犯人で、組織の名前も「赤いペガサス」に変更されている。

ユニオンテーペは「エンジェルダスト」という麻薬を扱っており、この麻薬を打たれた人間は自動車を素手で破壊し、銃弾を10発受けても倒れないほどの力を発揮することができる。原作では香の兄も、このエンジェルダストを打たれた男に殺されているのだ。

ひょっとすると麻薬で不死身の人間を作るという設定が、テレビで放送するにはまずかったのかもしれない。ちなみにアニメで登場したジェネラルは、原作でもユニオンテオーペの幹部として登場しており、獠に倒されている。

ゆい
いろいろな人たちが見るテレビアニメだと、変えないとマズイ設定っていうのもあるんですのね。

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海原神との戦いは後の作品に影響を与えた?

ユニオンテオーペは初期に登場したがその後描かれなくなったため、忘れてしまった読者も多かっただろう。しかし物語終盤になると、獠の親父を名乗る人物が突然香の前に現れ、香の兄を殺したユニオンテオーペのボスだと発覚するのだ。

そこから、海原と獠の戦いが描かれることになる。最終的に海原は獠の手で命を落とすが、息を引き取る直前に、和解したような描写がされているのもまた見どころだ。

獠と海原の対決は単純に戦うだけでなく、親子の愛憎を描いたものになっており、その後の作品の原型が感じられる。そう、シティーハンターの終了後、原作者の北条司の作品は『F.COMPO』など、家族の絆を描くものが多くなったのだ。

ひかり
『F.COMPO』っていうのは『ファミリーコンプレックス』の略語らしいよ。
ゆい
タイトルからして、まさに家族がテーマの作品なんですのね。

【追加雑学】海原がアニメに登場しないのは原作者の意向

海原神を倒した後、原作のシティーハンターはすぐに完結したわけではない。しかし、海原は原作で最大の敵として描かれており、彼が倒されることは物語の終わりを意味すると作者は考えているようだ。

アニメに海原を登場させないのは、「アニメはまだ終わらせたくない」という原作者の意向だという。

ちなみにパチンコのシティーハンターでは海原は登場しており、獠との決着が描かれている。以下にその対決シーンの動画を紹介しておこう。

なんでもパチンコの演出上、ラストがなければ困るということで、例外的にアニメが作られたという。

 

ひかり
原作に比べるとだいぶ省略されてるけど、海原が登場する貴重なアニメ映像なんだって!

雑学まとめ

今回は人気アニメ「シティーハンター」についての雑学を紹介した。

シティーハンターのテレビアニメ版は原作と違い、海原も登場しなければ、彼がボスを務める組織の名前まで変わっていた

ただ麻薬の設定がマズイというだけなら、海原を登場させることは可能なように思える。しかし原作者の意向となれば、登場しないことにも納得だ。

とはいえアニメ作品での海原の登場を望む声は多く、実現されないのは少し残念な話ではある…。

ゆい
冴羽獠さんの養父で宿敵なんてとっても興味深い設定なのに、アニメ版で出てこなかったのは残念ですわ…
ひかり
確かにそうだね…でも、アニメ版にもならではの良さがあるし、1つの作品で2つのストーリーが楽しめるって思えばお得感ないかなっ?!

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