イギリスを発祥とする「クリケット」は日本では馴染みのないスポーツだが、世界的に見るとその人気は非常に高い。
このクリケット、一見すると野球によく似たスポーツだが、また独特なルールがあり、ときには1試合に数日を要することもあるのだ! そこまで長時間になってしまうルールも気になるところだが、そんなに長時間プレーし続けて、選手は大丈夫なのか…?
以下の雑学記事より、そんなクリケットのルールの真相に迫っていこう!
【スポーツ雑学】イギリス発祥のスポーツ「クリケット」は1試合に数日かかる
【雑学解説】1試合に数日かかるクリケットの試合は「テスト」形式
クリケットは16世紀のイギリスで生まれた、1チーム11人の2チームで試合を行うスポーツだ。それぞれのチームが交代で攻撃と守備を行い、合計得点の多いチームが勝ちとなる。野球によく似たルールだ。
以下の動画では、クリケットの詳しいルールが説明されているぞ! たしかに野球と似てはいるが…日本人としては、ベースがないことにどこか違和感を覚えてしまう。
実はこのクリケット、形式によっては試合が終了するまで数日間を要することもあるという…。その試合が、テスト形式(テストマッチ)と呼ばれるものだ。
クリケットのルールでは多くの場合、ボウラーと呼ばれる投手に球数制限がある。たとえば50オーバー制というルールなら、300球の投球が終わった時点で、アウトを取られていなくても攻守交替となるのだ。
テスト形式による試合が終了まで数日間を要するのは、この球数制限がないからである。つまり野球と同じように、アウトを規定数取らない限り、攻守交替をすることがないのだ。
ちなみにクリケットは1イニング10アウト制。これを各チーム2イニングずつ繰り返すため、1日あたりの試合時間は6時間にも及び、あわせて4~5日間もかかることになるのである。
クリケットはそもそも、守備チームがアウトをとることが難しい競技だ。そのため、どうしても攻撃チームのプレイ時間が長くなり、アウトになってしまうと、観客からブーイングが浴びせられるほどだという。
クリケットにはランチタイムやアフタヌーンティーの時間が!
ところで、1日6時間ものプレーを4〜5日間も続けて、選手や試合を観ているお客さんは大丈夫なのだろうか…。
これに関して心配はいらない。クリケットには他のスポーツに見られない休憩の風習があるのだ。選手たちは午前のプレーが終わるとマットを広げて「ランチタイム」を取り、午後のプレーの合間には、アフタヌーンティーをたしなむ。
その時間を利用して、家族や友人たちとの会話を楽しむという。このように小休止が設けられていることが、試合が数日間に及んでも平気な理由である。結果を急がず、気長に楽しんでいる…という感じか…。
日本のスポーツ風土にはとても根付きそうにない文化である。さすが、階級社会のイギリスを発祥とするスポーツといったところだ。
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【追加雑学①】クリケットは世界でサッカーに次ぐ人気スポーツ!
クリケットは世界中で100を越える国でプレーされており、ファンの数は約10億人にものぼるという。日本での知名度を考えると意外な事実だが、その人気はサッカーに次ぐといわれるほどのスポーツなのだ!
前項で紹介したテスト形式は、国際クリケット評議会の認定を受けた、12カ国の代表チームにだけ適用されるルールだが、その代表チームの面々を見ても世界各国、広範囲に渡ってクリケット界が盛り上がっていることが見て取れる。
- イングランド
- アイルランド
- オーストラリア
- ニュージーランド
- インド
- 西インド諸島
- パキスタン
- スリランカ
- 南アフリカ共和国
- ジンバブエ
- バングラデシュ
- アフガニスタン
中でもインドのプロリーグチームでは、選手の平均年俸が3億円~4億円以上を記録するチームもあるなど、クリケットの経済効果の大きさを物語っている。この年俸は、ヨーロッパのサッカー選手やアメリカの4大スポーツのプロチームと比較しても、まったく引けをとらない額である。
世界的に見てこれだけメジャーなスポーツだと考えると、オリンピックの正式種目になる日は近いかもしれない。
雑学まとめ
クリケットについての雑学を紹介してきた。クリケットは試合形式によって、1試合が数日間にも及ぶ場合がある。しかしランチタイムやアフタヌーンティーの時間があるなど、そもそも長期戦を見越したうえで行われるスポーツなのだ。これにはイギリスの優雅な紳士文化がよく表れているといえよう。
日本人はしばしば「働きすぎだ」などといわれたりもする。クリケットのように、長期戦を見越してゆっくりとスポーツを楽しむような時間も、私たちには必要なのかもしれない。
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