かゆい!背中がかゆーい!!でも、手が届かない…!!
背中のかゆみはふいに訪れるもの。でも、場所によっては腕が届かず掻けないときも…。かゆみを我慢するのは、つらーい苦行だ。
そんなときの救世主が、孫の手だ。
長い棒の先端に「手」がついていて、それを使えば背中だってらくらくに掻くことができる。まさに一家に一台の必需品。
そんな孫の手、なんともほっこりとした名前だが、実は正しくは「孫」の手ではないのだということをご存知だろうか…。
【生活雑学】孫の手の由来は「麻姑」の手だった
【雑学解説】「孫の手」の由来になった「麻姑」とは?
「おじいちゃん、背中掻いてあげようか?」そんな心優しい孫の声が聞こえてくるようなアイテム、「孫の手」。
孫がいなくとも、自身が孫の年齢でも、孫の手を使う際には孫に労わられているおじいちゃんおばあちゃんの気持ちになるから不思議だ。
だが実は、孫の手の「孫」は後付け。本来このアイテムはそんな優しい世界観ではなかったのだ。
孫の手の由来は「麻姑」という中国神話に登場する仙女だ。見た目は若い美女だが、地球の海が陸へと変わる瞬間を3度目撃したというご長寿おばあちゃん。長寿の象徴でもあるようだ。
そんな麻姑は鳥のように爪が長かった。麻姑の長い爪を見て、ある男が「これで背中を掻いてもらえば気持ちいいだろうなあ」とふと思う。これが「麻姑の手」の由来だ。
ちなみに仙女の爪を見て「背中を掻いてもらいたい」という至極まっとうな欲望を抱いてしまった男は、その心を見抜かれ背中を鞭で打たれたという…。
麻姑の爪で背中を掻かれたいと思った男の話が現実となったのが「麻姑の手」だったのだ。「麻姑の手」そのものも、現代の「孫の手」の形状とは違い、爪が長くて大きかったのだとか。
そしてこれが日本に伝わり、現在の「孫の手」に変化していった。孫の手の由来はちょっぴり怖い、神聖なものだったのである。
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【追加雑学①】孫の手は世界中で使われている!?
孫の手って、あの竹製のフォルムのせいか名前のせいか「和の小物」感が強い。ところが、どうも孫の手は世界中で使われているみたいだ。
英語ではバックスクラッチャーと呼ばれ、形状も日本と同様に手の形をしたものが多い。現在では海外で作られた孫の手も、輸入雑貨として売られていたりする。
17世紀、18世紀のヨーロッパでは、象牙や貴金属を使ったおしゃれ孫の手が作られていたことも。なんと上流階級の女性たちは、そうした孫の手をアクセサリー感覚で持ち歩いていたのだとか!
「背中がかゆいのに届かない!」というのは、世界共通の悩みのようだ。
【追加雑学②】お悩み別・孫の手の選び方!
「孫の手」というと、竹製で先端が小さな手の形になっているものがスタンダードだ。実家のような安心感のあるこのタイプを使っている人は多いだろう。
ところが現在、孫の手も進化しており、さまざまなタイプが発売されている。ここではお悩みに合わせた孫の手の選び方を紹介しよう。
物足りない
掻く力が弱かったり、はたまた強靭すぎる皮膚の持ち主だったり、通常タイプの孫の手では物足りない人には、ステンレスタイプの孫の手がおすすめ。
竹製や木製のものよりも鋭く強い刺激を得ることができるのだ。
刺激に弱い・背中全体がかゆい
どこか一箇所がかゆいわけではなくて、漠然と背中がかゆい…! 敏感肌で孫の手の刺激が強すぎる…!
そんな人には、ピンポイントで攻める通常の孫の手よりブラシタイプがおすすめ。ブラシで叩くことで、背中全体に強すぎずほどよい心地よさの刺激を与えることができる。マッサージ効果も。
外でもかゆい
家の中のみならず、あらゆる場所でかゆくなる人には、携帯タイプ。孫の手といえば長いアイテムだが、コンパクトに縮めることができるものも。
伸縮自在の孫の手は、小さく縮めてカバンやロッカーの中に忍び込ませておける。いつかゆくなっても安心だ。
たかが孫の手。されど孫の手。孫の手といっても素材や機能、デザインなど、選べる要素はたくさんある。比較してぴったりな一本を見つけよう。
「孫の手」の雑学まとめ
今回は「孫の手」について紹介した。まさか「孫」じゃなくて「麻姑」だったなんて…。孫なんてほんわかしたものでなく、仙女とは壮大な由来だ。
麻姑の爪が長かったおかげで、孫の手というすばらしいアイテムが誕生したのかと思うと拝みたくなる気持ちだ。…鞭で打たれるかもしれないが。
孫の手も案外奥が深い。