お疲れ社会人の2大癒しアイテムといえば、「ビール」と「リポピタンD」だろう。疲れた体にリポDを流し込み、もうひと頑張り。そして終わったら家に帰って瓶ビールで一杯。
そんな働く大人の味方、瓶ビールやドリンク剤。どちらも茶色の瓶に入っているのを不思議に思ったことはないだろうか。
ラムネやサイダーはさわやかな青や透明の瓶に入っているのに、ビールやドリンク剤は濁った茶色い瓶…。飲む人の心のうちが現れているのだろうか…。さわやかな純真さを失い、日常に疲れきった大人には「茶色」がお似合いということか…。
いやいや、もちろんそんな悲しいことはない。これらの飲み物が茶色い容器に入っているのにはちゃんと理由があったのだ。
【生活雑学】ビール瓶やドリンク剤の瓶が"茶色"な理由とは?
【雑学解説】茶色の瓶には遮光効果がある!
茶色い瓶は「遮光瓶」と呼ばれ、その名の通り光を遮ることができる。
茶色の他にも青色や緑色の遮光瓶があるが、茶色がいちばん遮光性に優れるようだ。瓶ビールやドリンク剤の他にもアロマオイルや薬など、光によって変化を起こすものの容器に使われている。
ビールは、鮮度が命。なのだが、光によって劣化し風味が落ちてしまうのだ。そのため、遮光瓶を使って光をシャットアウトする必要がある。
ドリンク剤はビールとはまた違う理由で光を嫌う。栄養が逃げてしまうのだ。多くのドリンク剤にはビタミンBが入っている。ビタミンBには疲労回復効果があり、それによって疲れを癒すことができるのだ。
ところがこのビタミンB、光によって分解されてしまうのである。だから、透き通った透明な瓶なんかに入れてしまうと、せっかくの疲労回復効果がことごとくなくなってしまうのだ…。
ただ、茶色の遮光瓶も万能とはいえない。遮光効果は高いのだが、100パーセント光を遮ることができるわけではない。
瓶ビールもドリンク剤も、長期保存する際には直射日光の当たらない冷暗所で保管するようにしよう。
スポンサーリンク
【追加雑学①】瓶ビールと缶ビールの違いは?
瓶ビールと缶ビール…おなじ銘柄のビールでも違うように感じることはないだろうか。筆者は瓶ビールのほうがおいしく感じる。炭酸は缶のほうが強いような…。
ところが実際には、瓶ビールと缶ビール、特に違いはないようだ。なんなら居酒屋で頼む「生ビール」も同じ。瓶にも缶にも全部「生ビール」が入っているのだ。
ではなぜ、容器によって味が違うと思ってしまうのだろう。これには「飲み方」の影響が大きい。
瓶ビールはグラスに注いで飲むことが多いが、缶ビールは直接口をつけて飲むことが多い。
注がずに飲むと、炭酸が抜けないままなので口当たりが強く感じる。缶ビールのほうが炭酸を強く感じるのはこのためだ。泡も立たないため、クリーミーさやまろやかさも少ない。また、缶に直接口をつけることで金属味を感じ、味に影響することもあるのだとか。
つまり、飲み方を統一すれば同じ味に感じるはずなのだ。缶ビールが少し苦手…という人はグラスに注いで飲むようにするといいだろう。
【追加雑学②】「プルタブ」は「プルタブ」ではない!
ところで、缶ビールや缶ジュースの開け口の名前をご存知だろうか。「プシュッ」と押し開けるあのつまみだ。
「プルタブ」と答えた人は不正解。私たちが普段「プルタブ」と呼んでいるアレ、実は「プルタブ」ではないのだ。
正しくは「ステイオンタブ」。その名の通り、タブがステイする…つまり、開けた後もタブ(指を引っかける部分)が缶本体にくっついているタブのことをいう。
では「プルタブ」とは何かというと、開ける際にタブと本体が引き離されるタイプのタブのことを指すのだ。
本物の「プルタブ」は現在、日本ではほとんど流通していない。1980年代頃までプルタブ式の缶が主流だったのだが、切り離されたタブのポイ捨てが多く社会問題になってしまったのである。
そしていまでは「プルタブ」という名前だけが残っているのだ。いまさら「ステイオンタブ」だといわれても、もう「プルタブ」としか認識できない…。
おすすめ記事
-
よーく見て!缶のプルタブの穴は左右対称じゃないぞ!
続きを見る
「茶色の瓶」の雑学まとめ
今回は茶色の瓶の秘密について紹介した。あの茶色にはちゃんとした理由があったのだ。
しかし、遮光しないと風味が落ちてしまうビールはともかく、栄養が落ちるドリンク剤って…もはや甘いジュースだ! 遮光って大事。
街で茶色の瓶を見つけたときは「こいつも光がダメなのか…」と温かい目で見てあげよう。
おすすめ記事
-
ためになる雑学まとめ31選!トリビア&豆知識を一覧にしました
続きを見る