人が死んだら葬式をする。葬式は人間特有の儀式だと考えていたが、実はそうでもないらしい。
火葬場で煙となった遺体を見送った後、ふと地面に目を向けると、アリが行列を作り行進していることもあるだろう。
そんなアリさんだが、なんと彼らも葬式をするらしいのだ。アリの葬式とは一体どういうものなのか気になる。今回はアリの葬式について調べてみた!
【動物雑学】アリは仲間の葬式をするってホント?
【雑学解説】墓場を作る葬儀アリがいる
アリは自分たちの巣を守ったり、相手の巣やえさを奪ったりするために戦うことがある。その戦闘が激しくなることも少なくなく、負傷したり死んでしまったりする仲間も出てしまう。
戦場で動かなくなっている仲間を見かけると、他のアリたちは近くに駆け寄り、必死に傷ついた仲間を巣まで運ぼうとするのだ。この行動の理由は明確には判明していないが、人間でいうところの葬式。つまり供養のためだといわれている。
巣や集団を維持するために必死になって戦ってくれた仲間を、巣の中まで運び弔ってあげるのだ。なんと美しい話だろうか…。
アリが傷ついた仲間を巣まで運んでいく様子を収めた動画がこちら!
いかがだろうか? 私は、アリたちの強い絆を感じた…!
ただ、いつまでも巣の中に仲間の死体を置いておくわけにはいかない。そのままにしておくと、死体に菌が繁殖し、巣内における伝染病の原因を作りかねない。
せっかく命を賭して仲間を守ったのに、自らの死体のせいで仲間が伝染病にかかったなんてことになったら、その勇敢なアリはあの世で泣いてしまうだろう。
ということで、葬儀が済んだらその死体は外に運び出される。
死体をコロニーの外に出し、安全な場所まで遠ざける「葬儀アリ」の役割をもった個体が存在するらしい。死体が置かれる場所は、しばしば同じ場所になることが多く、その場所を墓場と呼んでも差し支えないだろう。
葬儀や死体の処理まで自分たちで行うとは、アリの集団の社会性に驚いた。
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【追加雑学】アリがティッシュに群がる理由
家で鼻をかむためにティッシュを1枚つまみ上げると、そのティッシュにアリがたくさん付着していて、肝を冷やしたという経験をしたことがある。
調べてみたところ、この経験をしているのは私だけではないようだ。なぜ、アリはティッシュに群がるのだろうか?
部屋に置いてある箱ティッシュやトイレットペーパーに寄ってくるのは「ルリアリ」という種類のアリらしい。このルリアリ、もともと西日本を中心に生息していたのだが、地球温暖化の影響で北上し、現在では関東にも姿を現すようになったとのこと。
ルリアリは樹皮の裏や、枯れ木などの腐った部分に巣をつくる性質がある。どうやら、同じく木材パルプからできた食物繊維を主原料とするティッシュやトイレットペーパーを、巣を作る環境だと勘違いして巣を作りはじめてしまうらしい。
ルリアリからすれば「巣を作るのにいい場所を見つけた!ラッキー!」という軽い感覚で我らのティッシュに忍び込んでいるのだろう。
雑学まとめ
いかがだっただろうか? アリは巣の中まで仲間の死体を運び込んで葬儀をし、その後は病気を防ぐため、死体を外に運び出すのだ。
感情と理性のどちらも兼ね備えた行動だと感じる。もしや、あの小さな頭には高いIQが隠されているのではなかろうか?
アリとはいえども侮ることはできない。これからはアリをもっと丁重に扱うことにしようと思った。