イチゴやリンゴなど、フルーツの王道的存在であるバラ科植物たち。でもまだまだみんなが知らないバラ科の植物はたくさんあるぞ!
今から紹介するバラ科植物をもし全部知っていたとしたら、君は相当なフルーツオタクであることだろう。
今回は、そんな「え? これもバラ科なの!?」と思うようなバラ科植物から、それぞれのトリビアについてまで書いていくぞ!
【食べ物雑学】意外と知られていない「バラ科」の植物たち
【雑学解説】あれもこれもバラ科
バラ自体もローズヒップで知られるように、果実が食用やハーブティーなどに利用されるものもあるのだが、同じくバラ科の植物たちにはさらに優秀なものが数多くある。
中にはナッツに利用されるものなどもあり、人間の利用は多岐にわたる。もしバラ科の植物たちがいなくなってしまったとしたら、我々の生活から豊かさは消え去るだろう!
というのは言い過ぎかも知れないが、かなり大切な植物たちであることは間違いない。
アーモンド
あまり知られていないかも知れないが、アーモンドもれっきとしたバラ科植物である。野生種には苦味のあるものもあり、そういったものはビターアーモンドと呼ばれ区別される。
世界中で利用されるアーモンドはスイートアーモンドであり、種子の仁を食用にすることが多い。ただ、イランなどの中東では未熟果を収穫して、果実を種ごとかじる習慣がある。
アーモンドチョコレートなどに利用されるアーモンドはノンパレル種というアーモンドだが、これは甘味が強いが香りが少ないのが特徴で日本で苗木が手に入るものはコレに似たダベイという品種だ。
最高級品種はマルコナ種というアーモンドだが、驚くほどに香りが強くまさにミルクの風味である。甘味はノンパレル種にやや劣るがこの香りに勝るものはない!
マルコナ種は正真正銘の最高のアーモンドだ。
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ビワ
ビワはバラ科の中でも少し特殊で、冬のあいだにサクラの様な花を咲かせるのだ。
考えてみれば、ビワはモモの食感とリンゴの風味をもっているような気もするが、甘味が強いがためにバラ科っぽさは見逃されがちである。
従来は大きい茂木ビワ、小さいが甘い田中ビワなどが主流だったが、最近ではクイーン長崎などの大実品種や、種無し品種までもが作られており注目度が高い果物だ。
ジューンベリー
六月頃に果実を付けるために「ジューンベリー」の名前が付けられた植物で、果実は赤いが形はブルーベリーによく似ている。一見バラ科には見えないが、春には小さい桜の様な花をたくさん付ける。
完熟品はかなり甘くて美味しいため人気があるが、木が大きくなりやすいため、植え付ける場所には注意が必要だ。
ただし、最近ではジューンベリーを小型化させた「リージェント」という植物の種や苗が通販で手に入るので、そういった品種をうまく利用すると良いだろう。リージェントは20センチほどの小さい苗でも果実が実るため、植木鉢での栽培も可能だ!
アロニア
ブルーベリー以上のアントシアニン含有量を誇ることで、一躍有名になったアロニアだが、これもなんとバラ科植物なのだ。
ジューンベリーによく似た花をたくさんつけ、果皮の分厚い黒い果実をたわわに実らせる。西洋ナナカマドとも呼ばれるが、ナナカマドとは「七回釜戸で茹でても苦味がなくならないほど苦い」とされる日本のバラ科植物のことで、アロニアと良く似ている。
ただアロニアは苦味というほどの苦味はなく、ちょっぴり渋みがある程度。味的には甘味に乏しく土っぽい香りがするため生食向きとはいえない。
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カリン
のど飴などで有名なカリンだが、これもバラ科特有の美しい花を咲かせる植物だ。果実は堅くて食べることはあまりないが、香りが凄まじく、果実酒などの香り付けに利用される。
実はカリンの果肉が食べられないわけではなく、スライスして蜂蜜に漬けて置くと食べることも可能だ。
【追加雑学①】アーモンドはモモの一種
先ほどアーモンドはバラ科の植物だという説明をしたが、なんとアーモンドはモモの一種なのだ!
葉や花を見るとモモそのものである。ただ果肉は薄く、完熟すると割れて種子が露出するなどの違いもある。
栽培面でも、いわゆるモモとは異なり過湿に弱いという欠点がある。なぜかというと、古くに枝分かれをして、中東などの乾燥地帯に流れたものがアーモンドになり、湿度の高いアジアに渡ったものがモモになったからだ。
ある程度品種改良による違いがあるが、まだまだ種レベルの分化はないので、モモの一種とされている。
【追加雑学②】バイオテクノロジーにも使われる
バラ科植物はバイオテクノロジーにも使われる植物で、いくつかの属間雑種が生まれている。授粉しても、種子が発芽しない組み合わせでも雑種を作ることが出来るのがバイオテクノロジーの良いところだ。
有名なものは、プラムとアメリカンチェリーのバイオ雑種であるバイオチェリーがあるが、日本の大学でもリンゴとナシの雑種などが作られており、いずれは広く出回ることだろう!
雑学まとめ
バラ科植物は世界中で広く栽培されているため、え? これもバラ科なの!? と思うようなものもたくさんある。品種改良や研究が進んでいるため、様々な品種が存在するのもその理由のひとつだろう。
最近では、バイオテクノロジーによって画期的なものも作られているのが面白い限りだ。今後もバラ科植物たちが、驚きと喜びを与えてくれることを願って注目していこうと思う。