鉛筆で書いた文字を消す文房具といえば消しゴムだが、君は知っているだろうか? 鉛筆の文字を消すのは、なにも消しゴムだけではないということを。
子どものときに消しゴムを失くして、指でこすって消したというのはナシだぞ!
そう、かつてはあの白くてふわふわとした食パンが消しゴムの代わりだったのだ!
【生活雑学】消しゴムはもともと「消しパン」だった
【雑学解説】消しゴムが出来るまではパンで消していた
鉛筆の原型ができた1565年頃から、ゴムで字が消えることが分かった1770年頃まではパンで字を消していたのだ。
しかし、パンなら何でもいいわけではない。菓子パンやおかずパンでは字を消すどころか、紙を駄目にするだけだ。
消しゴムの役目を果たすパンは、何の加工もされていない食パンで、これを「消しパン」と呼んでいた。どちらも本来同じパンなのだが、食パンと消しパンは区別されている。
焼きたてふわふわの美味しいパンを「食パン」と呼び、日が経って食味が落ちてしまったパンをデッサンのときに消しゴム代わりに使用していたので、「消しパン」と呼ぶようになったのだ。
消しパンの使い方
食パンで字が消せるならと、さっそく試してみたくなったかもしれない。試すなら白くて柔らかい美味しい部分だけを丸めて使い、耳の部分はジャムでも塗って食べるといいだろう。
消しパンなんて昔の話で今は誰も使っていない、というのは間違いだ。今でも消しパンを利用している現場がある。
それは木炭デッサンの現場だ。現代の鉛筆の文字をパンで消すのは難しいのだが、木炭デッサンで使用する木炭紙には、むしろ消しパンの方が都合が良いため今でも使われているのだ。
【追加雑学】家で作れる消しゴム
消しゴムは買う物と思い込んでいる君にちょっとしたトリビアをお伝えしよう。意外なことに、消しゴムは家で非常に簡単に作れてしまうのだ。
チューインガム3枚(噛んだ後の物で良い)・食器用液体洗剤・チョークの粉と簡単に手に入る材料を混ぜ合わせるだけだ。詳しくは下の動画で紹介しているぞ!
火も使わずに作れるので、子どもでも安心して挑戦できるのが良いところだ。
雑学まとめ
今回は消しゴムについての雑学をご紹介した。さっそく食パンで試してみたくなったことだろう。ところが、いつも使ってきた消しゴムのように、鉛筆の文字を完全に消せるのではなく、ぼかすといった程度になる。
百聞は一見に如かず。ぜひ試してもらいたいが、消しパンに使ったパンは食べずに廃棄することをお忘れなく。