「大人になっても楽しめる遊びと言えば?」
鬼ごっこ? 無理、急に走ると靭帯切れるから。
キャッチボール? 無理、ボール遊び禁止の公園が増えたから。
「もう、フリスビーしかないでしょ!!」
老若男女、誰でも楽しめるフリスビー。こんなに楽しいフリスビー、でもどうやって生まれたんだろう?
調べてみると由来の元はパン屋さん。なんでパン屋さん? 結びつかない人が多いだろうが、今回はこの雑学について詳しく解説していく。
【スポーツ雑学】フリスビーの由来は、パン屋さんでの遊び
【雑学解説】きっかけとなったパン屋さんの名前が「フリスビー・ベーカリー」
物語は1940年代後半、コネチカット州にあるパン屋さん「フリスビー・ベーカリー」から始まる。「フリスビー・ベーカリー」はパイで人気のお店で、近くのイェール大学の学生で賑わっていたそう。
ある日、1人のイェール大生がいつものようにパイを食べた後に、器である鉄製のパイ皿を裏返して投げて遊んでいたことがきっかけ。フリスビー・ベーカリーのパイ皿を投げて遊んでいたから「フリスビー」。そう「フリスビー」の誕生である!
それにしても鉄製のパイ皿を投げて遊ぶ…。めちゃくちゃ危険である。もし当時SNSがあり、この風景を動画でアップしていたら間違いなく炎上していただろう。1940年代でよかった。
そんな危険な遊びを見て、周りの大人は注意しないのだろうか? もちろん、しない。注意しないかわりに発明しちゃう。天才か。
危険な遊びを見て、発明をしてしまった天才が建築検査員だった「フレッド・モリソン」だ。
【追加雑学①】フリスビーの生みの親「フレッド・モリソン」
鉄製のパイ皿を投げて遊ぶ光景を見てから改良に改良を重ね、フレッド・モリソンは安全に遊べるプラスティック製のフリスビーを開発した。フリスビー第1号は1948年に誕生する。
フリスビー第1号の商品名は「フラインソウサー(Flyin Saucer)」直訳すると空飛ぶ円盤。このフラインソウサーが第7世代まで出る。
MVP(Minimum Viable Product)。実用最小限の製品を出して改良を重ねていく、スタートアップとして重要な考え方がこの時代にもあったのだ!
ちなみに、第1〜3世代はブチレートという硬めの素材、第4世代からポリエチレンが使われはじめた。
フリスビー第2号の商品が「プルートプラッター(Pluto Platter)」直訳すると冥王星円盤。冥王星まで飛んでいく円盤という意味だろうか? 飛びすぎだろ。
このプルートプラッターの販売権がWHAM-O社に移り、1959年、商品名「フリスビー(Frisbee)」として販売が開始された。パン屋さんは「Frisbie」のスペルだったので、「Frisbee」として商標登録がされたそう。
商標登録があるため、WHAM-O社だけが「フリスビー」として商品を扱うことができる。そのことから他商品を総称して「フライングディスク」の名前が生まれた。
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【追加雑学②】フリスビーの最長飛距離世界記録は「338m」
フリスビーもといフライングディスクの飛距離を競う種目がある、それが「ディスタンス」だ。ただただフリスビーをどれだけ遠くまで投げられるかを競い合うもの。非常にシンプルである。
なんとその世界記録が「338m」なのだ! 飛びすぎだろ…。東京タワーのほぼ端から端まで届く数字。全然想像できないが、すごいことはわかる。
どこを鍛えたらそんなに飛ぶのか教えてもらいたい。
フライングディスクの競技は12種目もある
ちなみにフライングディスクの種目はディスタンス含め12種目ある。動画も発見したので、ぜひ見てほしい。神業のオンパレードだ。それでは、簡単に説明する。
・アルティメット
7人制競技。フライングディスクで行うポートボールのようなもの。
・ガッツ
5人制競技。守り5人vs攻め1人のサッカーのPK的競技。
・ディスクゴルフ
名前の通りディスクで行うゴルフ。18ホール行う点まで同じ。
・フリースタイル
ディスクで行う演舞のようなもの。
・ダブルディスクコート
2人制競技。それぞれ1枚ずつ持っている2枚のディスクを投げ合い、相手チームに2枚同時に持たせたら得点。難しそうだ…。
・ディスカソン
1kmのコースをディスクを投げながら進んでいく種目。途中に標的もあり、スピードと体力だけではなくスローの正確性もはかる競技だ。
・ディスタンス
ディスクの飛距離を競う種目。
・アキュラシー
ゴールに向かってディスクを投げる、スローの正確性を競う種目。
・セルフコートフライト
投げたディスクを自分で取りに行き、その滞空時間を競う種目。ワンちゃんとする「取ってこ〜い!」 を1人でやる競技だ。
・ビーチアルティメット
アルティメットをビーチで行う種目。これはきつい…。
・ドッヂビー
柔らかいディスクで行うドッヂボール的種目。これだけ日本独自の種目である。
ディスク1つで、これだけの競技があるのには驚いた。どんな競技にもそれを専門的にやっている人がいる。どういう経緯でフライングディスクに出会ったのか、ぜひ聞いてみたいものだ。
雑学まとめ
今回はフリスビーはパン屋さんに由来するという雑学を紹介した。アメリカにある「フリスビー・ベーカリー」というお店の鉄製のパイ皿を投げる、少し狂気的な遊びが元のようだ。
遊び始めたイェール大生、イェール大学といえば超名門だ。もしかしたら勉強に疲れて「もうどうにでもな〜れ!」の気持ちで鉄製のパイ皿を投げていたのかもしれない。
私も今手元にあるiPhoneを、思いっきり投げてみようかな。「i Frisbee」が発売されたら私が起源なので、その時はぜひ記事にしてほしい。