小さなころに雲に乗って、ふわふわと気持ちのよい夢を見た経験はないだろうか? かくいうわたしも、入道雲の多い日なんかは妄想をふくらませて、雲の向こうに天空の城があるのでは! と心躍らせていた…。
そもそも「雲」はなにでできているのだろう? 今回は、雲ができるしくみを中心に、さまざまな「雲」にまつわる雑学をご紹介しよう。
【自然・宇宙雑学】雲は何で出来ている?
【雑学解説】雲は水蒸気のあつまり
雲ができる秘密は「水蒸気」にある。水が蒸発した際に空気中に発生する水蒸気は、冷やされることで再び水や氷になる性質がある。
身近な例でいうと、冷えたコップの周囲に水滴がつくことや、寒い朝に、窓に霜がついていたりすることがそうだ。そのような経験は誰にでもあるだろう。
これと同じ現象が空でも起きている。つまり、空気中の水蒸気が上空で冷やされることによって、ごくごく小さい水や氷の「つぶ」が発生する。この「雲粒(うんりゅう)」と呼ばれる水や氷のつぶが、大量に集まることによって白い雲に見えるのだ。
残念ながら、とても人やモノが乗れるようなものではなかったが、これが雲の正体なのだ。
雲はなぜ落ちてこないのか?
遠くから見るととても大きく存在感がある雲だが、その正体は、1つ1つが目に見えないほど小さい水や氷であった。
しかし、いくら小さいとはいえ、水や氷や空気より重いはず…なぜ雲は上空に留まって落ちてくることはないのだろう。
雲の重力は数トン~数十トンに及ぶものまで大小さまざまだが、1つぶ1つぶはとても小さく軽い。このため、「空気抵抗」によってそもそもの落下速度がとても遅く、さらに「上昇気流」といった、「落下に対抗する力」が相まっているので落下してこないのだ。
一方、雲の水や氷が成長して大きくなり、上昇気流が支えきれなくなったときに落下してくる場合もある。そう、これが「雨」なのだ。つまり、「雲は落ちてこない」のではなく、落ちてきたものは、すでに雨となっているのである。
雲はなぜ白いのか?
青い空、白い雲…などというように、雲=白のイメージだろう。しかし雲の正体である水や氷は透明だ、色はついていない。ではなぜ白く見えるのだろうか?
それは、太陽の光があたることによって、雲の水や氷に光が乱反射しているためなのだ。光というのは、全ての色をあわせると白く見えるという性質がある。
わかりやすい例をあげると「雪」。雪も白いというが、そのつぶを近くで見ると氷なので当然透明だ。しかし、光の乱反射によってすべての色があわさり、我々には白く見えるのである。
一方、雨を降らせるほどの雲の場合、雲の中の水滴は大きくなっているというのは先述の通りだ。水滴が大きいということは、その分光を通しにくく、雨雲の真下にいる人にとっては暗く(黒く)見えるというのが、雨雲が黒く見えるカラクリだ。
要するに、雲には色がついているわけではなく、光の反射や、光の通り具合によってわたしたちがそう見えているだけ、ということだったのである。
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【追加雑学】雲の形で地震が予知できる!?
話は変わって、雲にまつわるこんなうわさを耳にしたことはないだろうか。地震を予知するといわれる「地震雲」のうわさである。
特徴のある形状の雲によって、地震の大きさや、あとどれくらいで発生するのかわかるというのだ。詳しくは下の動画を見てほしい。
この地震雲、動画でも説明している通り、科学的根拠はほとんど明らかになっていない。このため、過信するのは禁物だが、実際に地震雲が観測されたあとに地震が起きている事例があるのもまた事実。
災害に都市伝説はつきもの。単なる偶然かもしれないし、今後科学的根拠が明らかになっていくのかもしれないが、現段階ではまさに、「信じるか信じないかはあなた次第」である…。
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雑学まとめ
今回は、雲ができているしくみを中心に、雲にまつわるさまざまな雑学や、いっぷう変わった雲のうわさ「地震雲」をご紹介した。
ざんねんながら、自然界の雲に乗れるのはフィクションの世界だけであったが、近年では「筋斗雲(きんとうん)」型の人が乗れるドローンが登場するなどしており、いつか技術的な進歩によってぷかぷかと空に浮かぶ夢を叶えてくれるかもしれない。