「俺の子どもなのに俺に似てないぞ…」疑問に感じた夫が、妻に内緒でDNA鑑定をおこなった結果、自分の子どもではないことが判明した、という話はよく聞く。DNA鑑定ではDNAを鑑定してくれるのは分かるが、その具体的な方法はどうやるのだろう?
刑事ドラマなどでは、髪の毛や爪からDNAを採取しているのを見かける。しかし、切った髪の毛ではDNA鑑定はできないとの話を聞いた。
これは一体どういうことなのか? 今回の記事では、そんなDNA鑑定についての雑学に迫っていく。
【人体雑学】切った髪の毛ではDNA鑑定はできない
【雑学解説】切った髪の毛にはDNAが残っていない
まずひとくちに髪の毛といっても、毛の部分(毛幹)と毛根の2つに分かれる。実は毛幹は死滅した細胞が鱗状に重なったもので、生きている細胞は存在しない。毛根の細胞は生きていて、毛根で毛を作っている。
毛幹には生成過程で分解されたDNAが少し残っているだけだ。この残ったDNAで検査をおこなうのはちと難しいようだ。
メラニンという色素(髪を黒くする物質)がDNA検査を妨げてしまうとのこと。日本人は綺麗な黒髪の人が多く、それだけメラニンが多いことを示している。つまり、日本人の毛幹によるDNA検査はかなり厳しい。
切った髪の毛にはDNAが残っていないのはもう説明したが、自然に抜け落ちた髪の毛でもDNA検査は難しい。自然に抜け落ちた場合、毛根の細胞がもう死んでしまっているためだ。
つまり髪の毛からDNA鑑定をおこなうためには、思いっきり引っこ抜いた髪の毛しか使えないのだ。引き抜いた毛の毛根なら細胞がまだぴんぴんしているので、DNAも豊富なのだ!
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【追加雑学①】DNA鑑定の相場
DNA鑑定の相場はズバリ、3万6,000円~4万5,000円だ!
どうだろうか、思っていたより高価ではないと感じたのではなかろうか。今は技術が進歩したおかげでひと昔前よりはだいぶ値段が下がったらしい。
DNA鑑定会社が作っている検査用キットを使えば、3万6,000円でDNAを鑑定できるのだそう。ただし、これは髪の毛を使うのではなく、綿棒で口腔内のDNAを採取する方法をとっている。綿棒で口の中を何度かこすり、その綿棒を提出するだけで終わる簡単なもの。口の中の粘膜細胞にDNAが存在しているのだ。
このキットを使わずに髪の毛を使いたいのなら、少し高くなってしまうが4万5,000円でできる。ただし先述のように、ちゃんと毛根がついていなければならない。
ちなみに、髪の毛以外にも「歯ブラシ」・「たばこ」・「ガム」などでも検査が出来るのだそうだ。これらも口の中の粘膜細胞を利用したものだ。
下記がDNA鑑定キットを使用している動画である。
口を開けているだけで10秒程度で終わる、本当に簡単なものだ。口の奥まで綿棒を突っこまないでも採取出来ているので、インフルエンザの陽性検査のような苦しい検査でもない。
【追加雑学②】髪が細いと薄毛に見えるのか
「髪が細いと薄毛になりやすい」という話をよく耳にするが本当だろうか? 先に答えをいうと「半分ホントで半分ウソ」になる。髪の太さは遺伝で決まるので、もともと髪が細かった人ならまあ問題ない。(髪が細いと地肌が見えやすいのはたしかだが…。)
ヤバいのはもともと太かったのに最近になって髪が細くなってきた人。これは髪が危険信号を発していて、頭皮に栄養が行きわたっていない状態だといえる。
か細い髪が何本も抜けるようになってくるといよいよやばい。脱毛が本格的に進行している。
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雑学まとめ
今回は、DNA鑑定と髪の毛にまつわる雑学をご紹介した。切った髪の毛だけでなく、抜け落ちた髪の毛でもDNA検査は厳しいとのことだ。髪の毛からDNA検査をおこなうためには、無理やり引っこ抜いた、毛根がくっついている髪の毛が必要なのだ。
ということは、髪の毛でのDNA検査を行う際は、「ふんっ!!」と髪の毛を引っこ抜いているシュールな光景が毎度繰り広げられているということか。この痛みに耐えて、自分の子どもではなかったと鑑定結果が示したら、泣きっ面にハチである。
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