寿司店では、握り寿司を2個ずつ提供されることが多い。回転寿司店でも1皿に2個の握り寿司が乗っている。日本人にとっては当たり前の光景、といっても過言ではないだろう。
では、なぜ握り寿司は2個ずつ提供されるのだろうか? それには握り寿司の歴史が関係していた。今回は、握り寿司に関する雑学を紹介していくぞ!
※この記事では、あえて寿司の単位を「貫」ではなく「個」で記載している(場合が多い)。
【食べ物雑学】握り寿司が2貫ずつ出される理由とは?
【雑学解説】大きかった江戸前寿司を食べやすいように
日本における寿司の歴史は古く、なんと奈良時代からすでに存在していた! この頃の寿司は、魚を塩とご飯で漬け込む「なれずし」スタイルだったと考えられている。
いわゆる「握り寿司」が誕生したのは江戸時代のこと。握り寿司はあっという間に江戸っ子たちの間で大人気となった。ただ、誕生当時の握り寿司は、現在とは決定的な違いがあったのだ!
その違いとは、ズバリ寿司の大きさである。当時の握り寿司はなんと「おにぎり」くらいのビックサイズであった…。
現在ではちょっと想像ができないが、屋台で販売されることもあったらしい。現在でいう「テイクアウトグルメ」のような存在だったのかもしれない。
こちらは、寿司職人が元祖・江戸前寿司を再現した動画だ。
たしかにデカい! これではすぐにお腹が一杯になってしまいそうだ…。見慣れているのもあるかもしれないが、現在のサイズのほうが美味しそうに見える。
「食べごたえがあってお得だー」と思った人もいるだろう。たしかに食べごたえはあるが、大きすぎるがゆえに1つ問題点があった。それは非常に食べにくいという問題だ。
おにぎりサイズの握り寿司を1口で食べ切ることは難しいし、ネタが乗っているから噛み切るのも一苦労だ。食べている姿もあまり美しくない。
このような問題を解決するために、握り寿司を2個に分けたという説が有力である。小さくなったことでスマートに食べられるようなったというわけだ。
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【追加雑学①】「2つ並んだものは美しい」から寿司も!
ここで1つ疑問が出てくる。「食べやすくしたい」という理由だけなら、握り寿司のサイズを小さくすれば良かったのでは…?
日本には昔から、左右対称に2つ並んだものを美しいと考える気風がある。たとえば、神社の狛犬など分かりやすい例だろう。
握り寿司を2個ずつ出したのも、このような日本特有の気風を意識したものだという説がある。そういわれてみると、左右対称に並んだ握り寿司は芸術的かもしれない。
【追加雑学②】寿司1貫って何個のこと?
ここまでは握り寿司をあえて1個、2個… と数えてきた。しかし、一般的には握り寿司を1貫、2貫… と数える機会が多い。では、寿司1貫とは何個のことなのだろうか?
これに関しては、1個でも2個でも「どちらでも良い」が正解となる。特に決まりがなく、人によって解釈が違うからだ。NHKの公式サイトにも「にぎりずし『1カン』?」という問いに対し「人によって解釈が異なります」という記載があった!
握り寿司が2個ずつ出される理由|雑学まとめ
今回は、握り寿司が2個ずつ出される理由についての雑学を解説してきた。
まさか誕生当時はおにぎりサイズだったとは…。食べにくいことは容易に想像できるし、2個ずつ提供されるようになったのは自然の流れなのかもしれない。
余談だが、回転寿司店では1皿に寿司が2個ずつ乗っているため、友人や恋人とシェアできるのも魅力的だ。「シェアする相手がいないんだが…」とお怒りのあなたも、今度寿司店に行ったときは今回の雑学を思い出してほしい。
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