思春期の頃、ニキビに悩まされていた筆者は、さまざまな美容法を試した。市販の化粧品から手作り化粧品まで、ネットや本で情報を探しては片っ端から試していた。
ある日、顔面にトマトを塗りたくってその上からラップをかけていたら、たまたまそれを目撃した父親が絶叫しながら腰を抜かしていた。変なマスクに凝りすぎた末に顔面の皮膚がズル剥けて、どえらいことになっていると勘違いされたようだった。
しかし、トマトは食品である。かつて「うんこ」が美容に使われていた時代もあることを考えれば、全くかわいらしいものである。今回はそんな、化粧品にまつわる驚きの雑学をご紹介しよう!
【生活雑学】ウグイスのふんが化粧品だった時代があった
【雑学解説】ウグイスのふんには美容効果がある
ウグイスといえば、「ホーホケキョ」。春を告げる鳥である。この鳥、実はその愛らしい姿と鳴き声を愛でるだけでなく、排泄物は化粧品として人々の役に立つものであったのだ。
ウグイスのふんには、たんぱく質分解酵素がふんだんに含まれているのだという。(「ふん」だけに! )
腸が極端に短いウグイスが食べたものを消化できるよう、胃や腸内に酵素が分泌されているのである。そのため、ふんにも酵素が含まれているのだそうだ。
実はこの酵素、強力な洗浄力をもっている。古い皮膚の角質を落としてくれるので、これで顔を洗ったりパックをすると肌がつるすべに、そしてワントーン白くなるというのだ。
いったいどんな経由でそれを発見したのか気になるところだが、室町時代中期から戦国時代初期あたりには、すでに肌を美しくする化粧品として用いられていたらしい。洗顔料にふんを混ぜて使用していたようだ。
さらにその圧倒的な洗浄力から、江戸時代には着物のしみ抜きとしても使われていた。
ウグイスのふんの化粧品は、今でも買える!?
このウグイスのふんが配合された化粧品は、現代の日本でも購入可能だ。
しかし今の日本では本物のウグイスではなく、「ウグイスに似た野鳥」のふんなのでご注意を。鳥獣保護法によって、ウグイスは保護対象となっているのである。
実は、筆者は思春期の頃に、「ウグイスに似た野鳥のふん化粧品」を購入・体験している。今はもう生産終了となってしまった、美容文化社の「うぐいすの粉」という商品だ。原材料はウグイスに似た野鳥のふんとタルクのみというシンプルさ。
薄い灰色がかったキメの細かいパウダーからは、晴れの日の動物園に散乱したふんのような香りがほのかに漂っていた。これを手持ちの洗顔料に少々混ぜて使った。
効果があったかどうかは覚えていないが、うんこを顔に塗るという背徳感にぞくぞくした覚えはある。
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【追加雑学】女性の執念を感じる世界の化粧品たち
さて、動物のふん以外にも、世界にはさまざまな珍素材を用いた化粧品は存在する。さくっとご紹介しよう。
まずは牛の精液。アルギニンという成分が髪の保湿に良いということで、ロンドンの美容室で高級トリートメントとして使われている。牛にこだわる理由があるのか?
次にカタツムリの粘液。このぬるっとした液体には、細胞増殖作用のあるアラントインや、肌の保湿に効果があるコラーゲンなどが含まれているのだという。
韓国でカタツムリ配合の化粧品がブームとなり、その後日本でも市販されるようになった。しかし、日本では化粧品だけでなく、生きたカタツムリを顔面に這わせるエステなんかも導入されているのだ!
カタツムリもびっくりだが、美容大国と呼ばれる韓国はヤバい。蛇の毒成分が配合されている化粧品なんて代物まである。これは、蛇の毒の筋肉弛緩(しかん)作用をアンチエイジングに応用させたものなんだそうだ。
そして極め付け。韓国には、なんとゴキブリパックなるものがあるそうだ! これは、ゴキブリをミキサーでパウダー状にし、ヨーグルトと混ぜてパックにするというものである。ゴキブリの外皮に豊富に含まれるコラーゲンと免疫力アップ効果があるキチンが、肌に良いらしい。韓国すげぇ。
雑学まとめ
今回の記事では、かつての日本から世界各国で使われている、驚きの化粧品についての雑学をご紹介した。
昔、日本ではウグイスのふんを化粧品として使う文化があった。ウグイスのふんには酵素が含まれており、肌の余計な角質を落としてくれるという効果があるのだ。
日本だけでなく、世界にもさまざまな珍妙な素材を用いた化粧品は存在する。もしかすると、普段は嫌われ者の存在が、思いもよらぬ美容効果をもたらすかもしれない。