永遠の輝きを放つ宝石として知られる「ダイヤモンド」。
宝石界の代表にして頂点に立つダイヤモンドは、その値段や美しさもド級で、世界中のお金持ちや女性を魅了して止まない。
また、その美しい輝きのほかに「世界一硬い鉱物」とも言われており、「ダイヤモンドを加工するためにはダイヤモンドを使う」というのは有名な実話である。
また、ダイヤモンドコーティングを施して耐久性を向上させた工具や料理器具なんかも有名だ。
そんなスーパー鉱物のダイヤモンドだが、実は地球上にはダイヤモンドよりも硬い物質があるのをご存知だろうか? 今回の雑学では、そんなダイヤモンドよりも硬い物質について取り上げていくぞ!
【自然雑学】地球で最も硬い物質は「ウルツァイト窒化ホウ素」
【雑学解説】ウルツァイト窒化ホウ素とは?
おそらく多くの人が聞き慣れないであろう「ウルツァイト窒化ホウ素」。
「ウルツァイト窒化ホウ素」は、高温かつ高圧の火山の噴火で生成される、地球上で最も硬い物質といわれている。
構造はダイヤモンドに似ているが、火山で生成されるだけあって非常に高温に強いという特性があり、工業用に様々な活用方法が期待されている。
高温下で使用する工作機械の先端であったり、宇宙船の表面の素材として使ったりといったものがその例だ。
ダイヤモンドよりも硬い天然の鉱物は地球上に存在するのだ。
ダイヤモンドより硬い鉱物はまだある
ダイヤモンドより硬い鉱物は「ウルツァイト窒化ホウ素」だけかと思いきや、実はもうひとつあるのだ。それが「ロンズデーライト」。
その名称は結晶学者「キャスリーン・ロンズデール」に由来している。
ダイヤモンドと同様に炭素の結晶で、この結晶が六方晶の結晶構造を持っているため「六方晶ダイヤモンド」とも呼ばれるようだ。
発見されたのは1967年。紀元前から取引されていたといわれているダイヤモンドと比較すると、ごくごく最近発見された物質である。
ロンズデーライトは、隕石が地球に落下した際のすさまじい熱量と圧力で、隕石中のグラファイト(鉛筆などに使われる黒鉛や石墨のこと)の構造が変化することによって稀に生成される。
このように生成過程が特殊すぎるため、市場には全く供給されていない。そもそも隕石の衝突で稀に生成されるのだから、人の手ではどうしようもない物質なのだ。
どのくらい硬いのかというと、絶対量が少なくまだはっきりとしたことはわかっていないが、ある研究によると、ロンズデーライトはダイヤモンドよりも58%硬い可能性があると言われている。
しかし、ダイヤモンドの魅力は硬さだけではなく、他の物質にはない輝きや美しさにあるので、今後も結婚指輪などの特別なものや、高価なアクセサリーに用いられる宝石の頂点として君臨し続けることだろう。
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【追加雑学】2019年に見つかった新鉱物「カルメルタザイト」
2019年に、イスラエル北部のカルメル山一帯で新鉱物が発見された。
内部構造が「チタニウム」「アルミニウム」「ジルコニウム」でできていることと、見つかった場所が「カルメル山」であることから「カルメルタザイト」と名付けられたこの鉱物は、今まで宇宙にしか存在しないはずといわれてきた物質である。
実際に、1969年2月にメキシコに落下した「アエンデ隕石」に含まれていた「アエンデ石」と名付けられた物質と非常によく似ているそう。
さらに、カルメルタザイトはダイヤモンドよりも密度が高いことが判明しており、これは歴史的発見になるといわれている。
発見した採掘会社「シェファー・ヤミン」社は、すでに「カルメル・サファイア」として商標登録をしているので、近いうちにこれをあしらったアクセサリーが市場に登場するかもしれない。
恐らくその希少性からダイヤモンドよりも高額であると考えられるが、その際は一度でいいからお目にかかりたいものである。
ウルツァイト窒化ホウ素の雑学まとめ
地球の歴史上、長い間ダイヤモンドが一番硬い物質だと信じられてきたが、近年になってダイヤモンドよりも硬い物質が発見されている。
その物質の名前は「ウルツァイト窒化ホウ素」「ロンズデーライト」とであり、中でも「ウルツァイト窒化ホウ素」は高温に強いという特性から、今後工業機器への活用が期待されている。
他にもダイヤモンドよりも密度が高い新鉱物「カルメルタザイト」が発見された。
ひょっとしたら、まだまだ地球上には、人知れず未知の鉱物が眠っているのかもしれないと思うと、なかなかロマンがあるトリビアではないだろうか。
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