特徴的なたてがみと凛々しい姿から、「百獣の王」と称されるライオン。権力や富の象徴にもされ、人気が高い動物である。そんなライオンにまつわる恐ろしい雑学があるのをご存じだろうか。
それは、新たな群れのボスとなったライオンは、その群れのライオンを皆殺しにするというものだ。本当なら何とも穏やかでない話であるが、あの獰猛なライオンならやりかねないとも感じる。真偽のほどを検証してみたので、最後までご覧頂きたい。
【動物雑学】新たな群れのボスとなったライオンはその群れのライオンを皆殺しにする
【雑学解説】群れの新ボスライオンは、前ボスのオスの子どもを全滅させる
正確には、前のオスの子どもを全滅させるらしい。ライオンの群れは、基本オス一匹で、その他のライオンはメスとその子ども達で構成されている。ちなみにこの群れは「プライド」と呼ばれる。
当然、母親のメスライオンも子どもを守るために抵抗するが、それまで君臨していたボスを倒したオスライオンのため、ものすごく強いのだ。かなうはずもない。あまりにも激しく抵抗した場合、母親も一緒に殺されてしまう。
どうしてこんな残酷なことをするのか。それは自らの子孫を残すため、最善かつ唯一の方法だからだ。子を失ったメスはまた発情し、新たな子どもを産めるようになる。また、新たに王となったライオンにとって、他のライオンの子どもを育てる意味などない。
それに、前のボスの子どもとは、言い換えれば自分と戦った相手の遺伝子が残っている子どもとなる。子どもには罪が無いが、子どもの中に残っている前のボスの遺伝子を残したくない、と考えたのかもしれない。
新たに群れの王となったライオンは全ての子どもを根絶やしにした後、自らの子孫を残せるよう、群れを守っていくのだ。
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追加雑学①ライオンのオスの人生は過酷
「プライド」で産まれたオスライオンは、2歳半~3歳になると、群れを追い出されてしまうのだ。群れを離れたライオンは、放浪ライオン(ノマド)となって、放浪生活をはじめる。新たな「プライド」でボスとなるために、他の強いオスの縄張りをさまよい歩くのである。
餌の調達も、自分で狩りをしてゲットしなければならない。過酷な環境の中で、餌がとれずに倒れていくものも多い。多くのオスは放浪をはじめて1年以内に餓死してしまうのだ。また弱れば、ハイエナやハゲワシの餌食になってしまう。
飢えをしのぎ、なんとか厳しい戦いに勝って新たな群れのボスとなったとき、上述した通り前のボスの子どもを皆殺しにするのだ。さらに、プライドの王となった後も、なわばりをパトロールしたり侵入者を追い払ったりと忙しいのだ。
群れのオスライオンといえば、ハーレムを構成し、何もせずにのうのうと生きているといったイメージを持っている人もいるだろう。だがその安寧は、過酷なさすらいの旅と多数の犠牲の上に成り立っているのである。
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【追加雑学②】肉食動物は草食動物より多く子が産まれる
肉食動物は草食動物より多く子が産まれるのだ。馬とか牛は1度の出産で1匹しか産まないが、猫や犬、ライオンなどは何匹も産む。
これは肉食動物同士では熾烈な競争があるからなのだ。その競争のうえで餓死したり殺されたりするので、あらかじめたくさん産んでおかなければ絶滅の危険があるのだ。どうだろうか。肉食動物の世界は想像していた以上に、厳しい世界なのだ。
雑学まとめ
今回の雑学で紹介したとおり、オスのライオンは新たな群れのボスとなると、前のボスの子どもを皆殺しにする。前のボスの子どもなどいても邪魔なだけだから、こうした残酷な行動に出るのだ。自分がこの群れのボスであると誇示するため、前のボスの遺伝子が残っているものは抹殺したくなるのだろう。
ライオンにはこのように非常に恐ろしい習性がある。群れでハーレムを作り、悠々と遊びほうけているイメージとはほど遠い、過酷な人生がそこにはあった。
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