♪ホタルの光、窓の雪〜
日本人にはおなじみの「ホタルの光」。卒業式や年の瀬など、区切りのタイミングでよく耳にする曲だ。卒業式で歌ったことのある人も多いだろう。
ホタルの光や雪灯りを頼りに勉学に励む様子を歌ったこの曲。なんとなく懐かしいメロディとノスタルジックな歌詞に、日本の伝統的な唱歌だと思っている人も多いのではないだろうか。
少なくとも私はそう思っていた。しかし、なんとこの曲、生まれたのは日本ではないのだ。こんなにしっくりくるのに実は外国産なのである。
いったい、どこの国からやってきた曲なのだろうか…。今回はそんな「ホタルの光」に関する雑学を紹介していくぞ!
【世界雑学】「ホタルの光」はスコットランドの民謡だった
【雑学解説】「ホタルの光」の原曲「オールド・ラング・サイン」
原曲のタイトルは「オールド・ラング・サイン」。わからないので和訳してみると「遠い昔」という意味の曲だ。原曲は作曲者が不詳なほど古い民謡であるが、この曲に歌詞をつけたのがスコットランドの詩人、ロバート・バーンズだ。
「オールド・ラング・サイン」は5番まであり、旧友と再会し酒を酌み交わしながら昔を懐かしむといった内容になっている。スコットランドでは国歌のような扱いを受けているこの曲のメロディーが、ヨーロッパのみならず海を越えて世界中に浸透した。
日本では明治時代に伝わって、教育者であり歌人であった稲垣千穎(いながき ちかい)が歌詞をつけ、「ホタルの光」として小学校の唱歌の教科書に載ることとなる。そしてお馴染みのお別れ曲として長く歌い継がれることとなったのだ。
【追加雑学①】英語圏では「別れの歌」でなく「お祝いの歌」!?
ところで日本で歌われている「ホタルの光」は「別れの歌」として浸透しており、卒業式など別れのタイミングでしばしば歌われる。
だが実は故郷のスコットランドやイギリスなどでは「お祝いの歌」とされているのだ。特にスコットランドでは国民的な歌として結婚や誕生日など、人生の節目節目で歌われている。また、イギリスなど英語圏では、お祝いの歌として主に新年を迎えるときに歌われているようだ。
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【追加雑学②】閉店時に流れる音楽は「ホタルの光」でなく「別れのワルツ」
スーパーやデパートなど、お店の閉店時によく流れる「ホタルの光」のメロディ。しかし実は、閉店時に流れるあの曲は「ホタルの光」ではない可能性が高いのだ!
何かというと、「別れのワルツ」という曲だ。「ホタルの光」とそっくりだが、こちらも「オールド・ラング・サイン」のアレンジ曲。
こちらは日本でなくアメリカで編曲された、似ているけれど全く違う曲だ。4拍子の「ホタルの光」と違い、3拍子になっているので、比べて聞くと全く違うことがわかる。
「別れのワルツ」はアメリカの映画「哀愁」の挿入歌として作られた。主人公と恋人がこの曲に合わせてダンスを踊るのだが、その場面が閉店前のクラブということも、「閉店の曲」としてのイメージを作り出した1つの要因といえるだろう。
雑学まとめ
今回の雑学では卒業式の定番曲「ホタルの光」の意外な故郷について紹介した。
遠い国で生まれた曲が様々なアレンジをされ、様々な意味をもって世界中で親しまれているのは不思議な感覚だ。
街で「ホタルの光」を聞いたとき、本当に「ホタルの光」なのか疑ってみるのも面白いかもしれない。
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