ピンキリ・天ぷら・かぼちゃ…と聞いて共通点にピンとくる人はいるだろうか? どれも日本で普通に使われている言葉だが、じつはポルトガル語が語源なのだ。かぼちゃは有名だがまさかピンキリまで外国語由来だったとは…。
というわけで、今回の雑学では日本語になったポルトガル語を紹介する。ピンキリ・天ぷら・かぼちゃ以外にも、意外な単語がポルトガル語由来だったぞ!
【生活雑学】ピンキリ・天ぷら・かぼちゃの語源はポルトガル語
【雑学解説】日本語になったポルトガル語 ピンキリ・天ぷら・かぼちゃ
ポルトガル語由来のピンキリ・天ぷら・かぼちゃが日本語になった経緯を紹介しよう。
ピンキリの由来
ピンキリは「ピンからキリまで」の略で、「最上のものから最低のものまでいろいろあるさま」を意味する言葉だが、どこにポルトガル語要素があるのだろうか? じつは「ピン」がポルトガル語から来ているといわれている。
ポルトガルから入ってきた「大正かるた」には、札に点が描かれており、最初の1枚目の札(1点札)のことをピンと呼んだことから「最初で一番点数が低いもの=ピン」とされている。そのピンはポルトガル語で「点」を意味するpinta(ピンタ)に由来するそうだ。
一方「キリ」の方には諸説ある。「限り」を意味する「切り」から、「大正かるた」の最後の12枚目をキリと呼んだため「キリ=最後で一番点数が高いもの」と意味が転じた説が有力。
また、十字架を意味するポルトガル語cruz(クルツ)がなまったとする説もある。その理由は、十字架が漢字の「十」に似ていることから「10」を意味するようになり、1~10を1つの区切りとして「1(ピンタ)~10(クルツ)」からピンキリになったというのである。
天ぷらの由来
天ぷらの語源については諸説あるが、語源は「調理あるいは調味料」を意味するポルトガル語のtempero(テンペーロ)や「油を使用して固くする」という意味のtemperar(テンプラール)、「金曜日の祭り」を意味するtemporras(テンポーラ)だといわれている。
天ぷらは、室町時代にポルトガルから日本に入ってきた料理だが、料理の説明をする際にポルトガル人がテンペーロやテンプラールと言ったのが天ぷらになったのだろう。
かぼちゃの由来
かぼちゃはポルトガル人がカンボジアの産物だといって日本にもってきたので、ポルトガル語でカンボジアを意味するCamboja (カンボジャ)がなまってかぼちゃとなった説が有力だ。
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【追加雑学】じつは金平糖や合羽(カッパ)もポルトガル語由来
じつはポルトガル語由来の日本語はけっこうある。その中の一部を紹介しよう。
金平糖は、「砂糖菓子」を意味するポルトガル語のconfeito(コンフェイト)が由来とされており、そのまんまである。金平糖はカステラなどと一緒に、ポルトガルから戦国時代の日本に伝来したといわれ、キリスト教宣教師があの織田信長に献上したという話も残っている。
また、レインコートなどの意味の合羽(カッパ)だが、これもじつはポルトガル語由来だ。「レインコート」を意味するポルトガル語のcapa(カッパ)がもとであり、合羽は当て字なのだ。
16世紀に来日した、ポルトガル人のキリスト教宣教師が着ていた雨具がcapa。見た目が豪華であったため、豊臣秀吉などの武士階級が重宝したといわれている。
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雑学まとめ
今回の雑学ではポルトガル語由来の日本語について解説してきたが、いかがだっただろうか。
まさか金平糖や合羽までポルトガル語由来だったとは…合羽なんて漢字からして完全に日本語だと信じていたのにビックリである。ポルトガル語が、ほぼそのままの形で日本語になっている言葉も多いので、ポルトガル人に日本語で話しかけても案外通じるかもしれないぞ。
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