日本食として、国内のみならず世界中から注目されている寿司。その寿司の中でも、知名度が高く、赤い鮮やかな色の人気ネタがマグロだ。
見るだけでヨダレが出てきそうな美味しいマグロは、寿司屋に行くと中トロや大トロなど、違う名称となっている。
トロ・中トロ・大トロはどう違うのか、気になる人も多いだろう。今回の雑学記事では、その違いを説明していこう!
【食べ物雑学】トロ・中トロ・大トロの違いは?
【雑学解説】トロ・中トロ・大トロの違いは脂の量?
まずは、トロについて解説しよう。
マグロにはさっぱりとした「赤身」と、脂が多くのり、口の中でとろけるような食感の「トロ」と呼ばれる部分がある。赤身は、マグロの真ん中部分に集中しており、脂がのっているトロの部分は、内臓の周りのお腹部分からよく取れるのだ。
トロの中でも、特に脂が多くのっている部分が「大トロ」、大トロよりも少なめだが赤身よりは脂がのった部分が「中トロ」と呼ばれる。
中トロは、マグロの背中の部分や腹ナカや腹シモと呼ばれるお腹の真ん中から尻尾にかけての部分からよく取れる。場所により脂ののり方に違いがあるため、筋が少なく絶妙なとろけ具合の部分に当たったときは、心の中でガッツポーズをしたくなるだろう。
次に大トロは、とろけるような脂が特に多くのっている、白っぽい色の部位のことを指す。マグロのお腹の部分、内臓に近い下腹部の腹カミや腹ナカと呼ばれる部位だ。美味しいが脂ののり具合がすごいため、赤身に比べるとカロリーが高い。大量に食べずにほどほどにしておくと良いだろう。
では、気になる中トロと大トロの違いについてだが、実はこれらは明確に分けられているわけではない。名称が分かれているものの、正確な脂の量を測って決めているわけではないのだ。
他の人からすれば大トロにあたる部分でも、誰かにとっては中トロと呼ばれるネタも出てくるだろう。もちろん、逆のパターンもある。この2つの部位には価格差があるため、大トロよりのギリギリ中トロという部分を狙ってみてはいかがだろうか。
【追加雑学①】大トロは5分の1程しかとれない
大トロはマグロの肉の中でも少量しか取れない部分だ。あんなに丸々した体から、なんと5分の1程しかとれないという。
なるほど、高価と呼ばれるのも納得の少なさだ。その貴重な部分を食べているという感覚が、より美味しさをアップさせているのかも知れない。
赤身よりも大トロの方が栄養価が高い
大トロのカロリーが高いことは予想出来るが、赤身より栄養価が高いということは予想出来ただろうか?
ドロドロとした血液の原因となる中性脂肪を減らし、血液をサラサラにする効果が期待できるEPAや、ボケ防止として注目されるDHAが多く含まれる。
栄養素として知名度の高いビタミン類も豊富だ。大トロは味だけではなく、栄養の面でも非常に優れているのである。
【追加雑学②】 江戸時代にはトロが捨てられていた!
今の時代から考えると、あんなに美味しいトロの部分を捨てるなんてありえないだろうが、江戸時代には冷蔵庫などはなく、生モノを保管しておく設備がなかった。仕方がないとはいえ、なんともったいないことか!
そのため、醤油漬けにしてマグロの肉を日持ちさせる努力をしていたが、脂が多いトロの部分は醤油などを弾いてしまうため、日持ちしないトロはいらない部分として捨てられていたのだ。冷蔵庫の登場は、トロの行く末を見事に変えてみせたのである。
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【追加雑学③】全身トロの「近大マグロ」とは…
最近は、ブリなどの魚や貝などが養殖されるようになり、マグロも養殖可能となっている。
「近畿大学水産研究所」でも、養殖のクロマグロの研究が行われている。
通称「近大マグロ」と呼ばれるこのマグロは「全身トロ」と呼ばれ、脂がたっぷりとのっており、赤身ですら中トロ並みの脂がのっている、まさに奇跡のマグロなのだ! ぜひ、余すことなく食してみたいものである。
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【追加雑学④】マグロ以外でもトロ?
トロと聞くとマグロを思い浮かべる人が多いが、マグロの肉だけをトロというわけではない。マグロの肉以外でトロと名称がつく肉は、カツオやサーモンなどがある。
また、焼肉屋に行けば、「豚トロ」と呼ばれる豚肉の脂が多い部分を目にすることがあるだろう。脂がのった部分の肉をトロと呼んでいるのだ。たしかに、トロとついただけでより美味しそうに感じてしまう。
トロの雑学まとめ
中トロ・大トロは脂ののり具合で分けられるが、それは明確に分けられるものではないことが今回の雑学で分かった。だがそれは、明確に分けられないほどトロという食材が奥深いということではないだろうか?
これから先、中トロや大トロを食べる機会があったとき、あなたにとって理想のトロというものを探してみてはいかがだろうか? もし理想のトロに出会えたとき、そのときこそ至上の美味というものを体感できるだろう。
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