歩行者の安全を確保したり、山道で車が落ちないように守ってくれたりするガードレール。存在感ありまくりの真っ白な姿で、運転者にも歩行者にも安心感をもたらしてくれる頼もしいヤツだ。
え? 真っ白とは限らないって?
そのとおり。なんと山口県には黄色のガードレールがあるのだ! 黄色は警告色といわれるくらい目立つ色。もしかして、山口県にはよっぽど危険な道があるというのか…?
今回は山口県にある黄色のガードレールについての雑学をご紹介しよう!
【生活雑学】山口県のガードレールは一部が黄色
【雑学解説】黄色は県花の夏みかん色
山口県には黄色のガードレールがあるが、県内ならどこでも見られるというわけではない。
実は、山口県が管理している県道(と一部の国道)に限られているのだ。
1963年に山口県で国民体育大会が開催されたとき、「県の特徴を出すため」ということで、ガードレールを県花の夏みかん色に塗ることにした。しかし、道路には管轄があるので、むやみにいじるわけにはいかない。そこで、「山口県が管理している道路」限定となった。
ただし、県道から市道に変わった区間が、そのまま黄色のガードレールを使っているという例外もあるそうだ。
実際に見る黄色のガードレールはこんな感じだ!
実際に黄色のガードレールが映っている動画をご紹介しよう。
黄色のガードレールはさぞ目立つだろう…と思いきや、意外と風景に溶け込んでいる。
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【追加雑学①】萩市ではダークブラウンに塗り替えている
せっかく「山口県の県道のガードレールは黄色」というトリビアをご紹介しているというのに、なんと山口県萩市では黄色をダークブラウンに塗り替えているというのだ。
なぜだ! 黄色の方が目立っていいんじゃないか!?
いや、目立ってしまうことが問題なのだ。
萩市といえば毛利氏が治めていた城下町である。厚狭毛利家をはじめとする武家屋敷が、今もそのまま建ち並んでいる。そんな歴史情緒あふれる町並みに黄色のガードレールがあったら…それこそ悪目立ちというものだ。
そのため、平成19年に施行された「萩市景観条例」によって、ガードレールの色をダークブラウンに変えることになったのである。
【追加雑学②】国交省のガイドラインは白を推奨していない
ダークブラウンという地味な色のガードレール、景観に溶け込みすぎてかえって危険では? そもそもガードレールの色って決まっていないのだろうか?
そう思って調べてみたところ、驚きの事実を発見した。なんと、国交省のガイドラインが推奨するガードレールの色に、白は入っていないのだ!
『景観に配慮した道路附属物等ガイドライン』によると、ガードレールのように鉄板状で塗装面が大きいものは、基本的にグレーベージュが推奨されている。一方、パイプをつなぎ合わせた形状で塗装面が小さいものやすきまが多いものは、市街地・自然などの地域特性に合わせて、ダークグレー・ダークブラウン・グレーベージュを使い分けることが求められている。
また、歴史的な街並みが残されている市街地や歴史的な建物の周辺では、ガードレールの設置はNGとなっている。基本的にダークグレーか、ダークブラウンのガードパイプ形式にするように、とのことなので、萩市はきちんとガイドラインに沿っているのだ。
雑学まとめ
山口県にある黄色のガードレールにまつわる雑学をご紹介してきた。山口県の一地方に住んでいた経験からすると、黄色のガードレールは町の中よりも、山道や田畑に近い道路で見ることができる。
夏みかんの色というだけあって、木々の緑との相性は抜群。自然の風景と調和しながら目立つことも出来るなんて、恐るべし夏みかん色。
そんな黄色のガードレールには、ぜひこれからも山口県の県道を守り続けて欲しい。
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