ガタンゴトン、ガタンゴトン…。新幹線を含め電車の運転士は、子どもや一部の大人にとって常に憧れの職業だ。電車の運転士になるには、さぞかし過酷な訓練が繰り広げられているのでは…と、誰もが思うだろう。
しかし! 実は電車の運転士は子どもに大人気のおもちゃ、プラレールを使って訓練しているというのだ!
え? それって本当に訓練なのか? プラレールっておもちゃじゃないの? そんな疑問が次々と浮かんでくるではないか。
そこで今回は、電車の運転士の訓練についての雑学をご紹介するぞ!
【生活雑学】電車の運転士の訓練にはプラレールが使われる
【雑学解説】プラレールは運転士の訓練にピッタリだった!
プラレールといえば、子どもはもちろん大人も夢中になれる大人気のおもちゃ。はやぶさ・こまちといった有名新幹線や地方のローカル電車・自由に組み立てられる線路もあり、時間を忘れて熱中できるのが魅力だ。
このプラレールが、教材として電車の運転士の訓練に使われているのだ。訓練として導入したのはJR東海が始まり。目的は運転士の息抜き…ではなく、見習い運転士のためのれっきとしたカリキュラムで、2004年に初めて導入されたのだ。
ご存じのとおり、電車は通常何の問題もなければ、実にスムーズに時間通りに運行している。しかし、一部で信号トラブルが起こったとしたらどうだろう?
トラブルが発生したときは、まずは車両本体に問題がないかを確認し、それから安全な場所へ移動…と様々な手順を踏むため、実際に動き始めるまでに時間がかかる。信号トラブルで電車が止まったという経験をした人も多いだろうから、イメージしやすいのではないだろうか。
このトラブル、実際の電車で訓練するとしたらどうなるか? 訓練するには運行している電車を全て止めなければいけないため、当然利用客である私たちに影響が出る。まず無理である。そこで登場したのが、プラレールというわけだ。
【追加雑学①】訓練は役割を決めて行われている
プラレールでの訓練はトラブル発生時の線路状況を再現し、マニュアルを確認しながら行われていく。この訓練、きちんと運転士・車掌・指令所員・駅長と細かく配役が決められ、全員が息抜きではなく非常に真剣に取り組んでいるのだ。
大の大人が全員でプラレール。一見、微笑ましい光景だがこの訓練、事故現場全体を全員がしっかりと把握できるため、非常に効果が高い。非常時にはどのように動けば良いのかが一目で分かるからだ。
何よりも、プラレールの線路が組み立てられるスペースさえあれば訓練ができるという優れもの。実に理想的ではないか!
非常に効果が高いということで、現在では見習い運転士だけでなく、乗務員全員が定期的にこの訓練を行っており、東京メトロでもこのプラレール訓練が導入されている。きっと、今後ますます導入されていくに違いない。実に頼もしい!
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【追加雑学②】「東海道新幹線のおしごとを学ぼう」ツアーで実際に公開もされていた
実は、このプラレール訓練。2015年11月にJR東海で開催された「東海道新幹線のおしごとを学ぼう」ツアーで実際に公開されたことから、世間に知られるようになった。
名古屋駅周辺の新幹線・営業線・回送線・車両基地と、全ての配置が忠実に再現され、一目で全体が分かるようになっている。もちろん、子どもは大興奮だし、大人だって釘付けだ。
そりゃそうだろう。実際の運転士が線路を再現しているんだから、ずっと見ていても飽きない。電車好きにとってはまさに、至福の空間ともいえる。
【追加雑学③】運転士から特注された標識や信号機は商品化されている
プラレールで訓練をするには、線路だけでは物足りない。標識や信号機も欲しいところだ。そして実際に、特注して訓練に必要なパーツを作ってもらっている。
これだけでも驚きだが、特注を受けたタカラトミーもさすが商売上手。なんと、この特注された標識や信号機といったパーツを次々と商品化してくれたのだ!
タカラトミーが商品化してくれたおかげで、上記のようなより迫力あるプラレールで遊べるようになったというわけだ。ありがたい! 子どもにとって運転士とタカラトミーは、まさに神様のような存在だろう。
雑学まとめ
今回の雑学では知られざる電車の運転士の訓練についてご紹介してきたが、いかがだっただろうか。どんな過酷な訓練をしているかと思えば、まさかのプラレールを使っていたとは! 実に驚きだ!
この訓練、実によく考えられている。もしも自宅にプラレールがあり、子どもが遊んでいたらそれは未来の電車の運転士の誕生かもしれない! そう思うと、プラレールで遊ぶ子どもの姿も非常に頼もしく感じられる。