食卓にエビ料理が登場したとき、ちょっと嬉しい気持ちになる人はどれくらいいるだろうか。いい大人になった今でも、エビ料理にときめいてしまう自分に驚きを禁じ得ない。
エビチリ・エビマヨ・エビフライといったエビ料理はもちろん、ただの野菜炒めでもエビが入るだけで贅沢な気持ちになる。エビにはそんな力があるのではないだろうか。
さて、そんな素晴らしき食材・エビだが、その体の構造には謎が多い。料理をするために殻をむくと、お腹の中に内臓がない。小さな生き物とはいっても、心臓はあるはずだ。
というわけで、今回はエビの心臓がどこにあるのかを調べてみたので、雑学としてご紹介しよう!
【動物雑学】エビの心臓と胃はどこにある?
【雑学解説】エビは心臓だけでなく、胃や肝臓も頭にある
エビの心臓は、なんと頭の中にあった。正直「マジか…」と思った。目の後ろに心臓。脳の隣に心臓。なんかうるさそうである。
そして、心臓だけでなく胃も頭のなかにあることがわかった。食べたものがしばらく頭にとどまるので、透明なエビだと頭の色が食べたエサの色と同じになるらしい。
エビの頭のみそがお好きな方もいるだろう。みそというからには脳みそだろうと思っていたが、あれは肝臓であるとのこと。驚きである。
ちなみにカニみそも肝臓。カニみそを知ったあの日からずっと騙されていた。
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【追加雑学①】エビの色が赤いのはアスタキサンチンの力
エビの殻に多く含まれるアスタキサンチンは、β-カロテンやリコピンと同じ仲間の色素である。抗酸化作用があり、その成分はしわ・しみ・美白などの対策として効果的といわれている。
エビが生きているとき、赤いアスタキサンチンはタンパク質とくっついている。そのため、生きているエビは茶色く見えている。しかし、加熱するとアスタキサンチンとタンパク質の結合がとけ、アスタキサンチン本来の赤い色がでてくるというわけだ。
実はアスタキサンチンという色素は、もともとエビの体に備わっているわけではない。「ヘマトコッカス」という藻を食べることによって、徐々に身体に蓄積されていくのだ。鮭やカニも同様である。
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アスタキサンチンは脂溶性の色素なので、炒めて食べると体内に吸収されやすい。ゆでて食べる場合でも、ごまやアボカドなど脂質を多く含む食品と食べるといいだろう。
【追加雑学②】エビが長寿の象徴である理由
エビはしばしば長寿の象徴としても取り上げられる。これは、エビを加熱したときの曲がった腰と、長いヒゲが老人を連想させるためといわれている。そのためエビを漢字で書くと「海老」となり、「老」の字がついているのだ。
また、エビは目が出ているため「めでたい」とかけて、お祝いの席によく用いられる。また、色が鮮やかな赤であることも「紅白」のイメージにふさわしいのだろう。
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雑学まとめ
エビについての雑学、いかがだっただろうか。よく見るとグロテスクな雰囲気のあるエビ。エビを初めて食べた人に敬意を表したい。頭に心臓があるなんて、想像の斜め上をいくにもほどがある。
我々がふだん食しているおいしいエビは、筋肉の部分である。どうりでぷりぷりと弾力があるはずだ。彼らはあの筋肉を使って、広い海を自由に動き回っているのだ。
次にエビを食すときには、頭にある心臓とその他もろもろをこの目でおがんでから、油で炒めてしっかりアスタキサンチンを摂取することにしよう。