筆者はコーヒーなら俄然ブラック派。濃い目のものもおいしいが、喫茶店などで少し長居したいときは量が多くてあっさりしたアメリカンコーヒーを注文する。
しかしアメリカンはニーズがある割に、お店としてもお湯で薄めているわけだから、コストも安く付く! 抜群の優れもの商品ではないか!
…何? アメリカンコーヒーがお湯で薄めたコーヒーだというのは、日本人の勘違いだって!?
【食べ物雑学】アメリカンコーヒーってどんな種類?
【雑学解説】 アメリカンコーヒーは浅煎りのコーヒー
コーヒーは豆の焙煎度、つまり加熱処理された時間に応じてその種類が分けられている。加熱時間の短い浅煎りのものから並べると、以下のような種類があるぞ。
- ライトロースト
- シナモンロースト
- ミディアムロースト
- ハイロースト
- シティロースト
- フルシティロースト
- フレンチロースト
- イタリアンロースト
このうち加熱時間の短いシナモンローストやミディアムローストの豆を使ったのが、アメリカンコーヒーである。
ちなみに通常のコーヒーに使われるのは4~6番目のハイロースト・シティロースト・フルシティロースト辺り。フレンチローストやイタリアンローストは、カフェオレやカプチーノなどの牛乳で割る用途で使用したり、エスプレッソになることが多い。
豆は焙煎すればするほど、香ばしくてコクのある味わいになっていく。一方、あまり焙煎していないアメリカンコーヒーにも、「豆本来の酸味を感じられる」「あっさりしている」といった魅力があるのだ。
単純に味わいが違うから薄く感じるだけで、決して薄めたコーヒーというわけではないのである。
スポンサーリンク
アメリカンコーヒーが誤解されている理由とは?
それにしても、日本人にはアメリカンコーヒーを「薄くて量の多いコーヒー」…つまりお湯で薄めて量を増やしていると勘違いしている人が多いし、いまだにそれをアメリカンといって提供している喫茶店もある。
その理由には以下のような説があるぞ。
- 深煎りが主流だった日本において、アメリカ人のリクエストに応えた喫茶店のマスターがお湯で薄めたコーヒーを出した
- 「色も味も薄いし、あれはコーヒーを薄めているのだ!」とアメリカでコーヒーを飲んだ日本人が勘違いした
アメリカンコーヒーが日本で出回ったのは戦後のこと。まだまだ異文化に慣れていない時代背景を考えると、なんとなく後者の説のほうがリアリティがあるような…。
またお察しの通り、「アメリカンコーヒー」というコテコテな名前も、アメリカ人がつけたわけではない。
「アメリカ人はこんなコーヒーを飲んでいたぞ!」といって、日本で流行しだしたのが始まりでアメリカンコーヒーと名付けられたのだ。アメリカのカフェで「アメリカンコーヒープリーズ!」などと言っても通じないので気をつけよう。
【追加雑学】お湯で薄めたコーヒーは「アメリカーノ」
コーヒー(正確にはエスプレッソ)をお湯で薄めたものには、実は「アメリカ―ノ」という正式名称があり、アメリカンコーヒーとはまったくの別モノだ。
ちなみにニュージーランドやオーストラリアでは「ロングブラック」と呼ばれている。
すなわち多くの日本人が「アメリカン」と呼んでいるものは、正確にはアメリカーノなのだ。うん、ややこしい! スタバやタリーズなどのコーヒーチェーンではちゃんとアメリカーノの名前で提供されているぞ!
アメリカンコーヒーの雑学まとめ
アメリカンコーヒーはお湯で薄めたコーヒーではなく、浅煎りの豆を使ったコーヒー。その味わいの違いを、薄めているのと勘違いしている人が多いのだった。
かくいう筆者もインスタントコーヒーを作るときに「今日はアメリカンっぽくするか」なんて言って、お湯の量を増やしていた。みんながしている勘違いとはいえ、振り返ってみると恥ずかしいものだ…。