勉強や仕事の合間の甘いお菓子は、頭をリフレッシュさせてくれるが、食べ過ぎはよくないし、小腹が空いたときには物足りなかったりもする。その点、果物は甘くておいしいだけでなく、健康や腹持ちの面でもメリットがある。まさにいいとこどりの食べ物といえるだろう!
そんな果物のなかでも、世界で一番食べられているのは何か知っているだろうか。
それはまさに、健康も空腹も満たしてくれる、私たち日本人にも身近なあの果物だった!
【食べ物雑学】世界一生産されている果物は?
【雑学解説】世界一の生産量を誇るバナナ
公益財団法人中央果実協会の報告によると、2017年時点で世界で最も生産量が多い果物は「バナナ」である。
その総生産量は約1億1,392万トン。アフリカなどで主食として用いられる、いわゆる料理用バナナを合わせるとさらにプラス3,924万トンで、1億5,316万トンにも上る。ちなみに2位のリンゴは約8,314万トンと、その差は歴然である。
生産量が多い理由としては、主要生産国の国土が広く、生産のための環境が潤沢にあるからだ。
ランキングを見ると、1位はインドの3,047万7,000トン、2位が中国で1,117万トン。バナナといえばフィリピンのイメージがあるが、意外や意外、その生産量は604万トンの世界7位で、1位のインドには遠く及ばない。
どうして日本ではフィリピン産ばかりを見かけるのかというと、フィリピンが輸出することを目的にバナナを栽培しているのに対し、インドや中国ではほとんどが国内で消費されているからだ。
両国は国土も広いが人口も多い。輸出せずとも国内だけで十分な生産量・消費量になるのである。
熱帯地域(バナナ・ベルト)ではバナナの栽培がしやすい!
バナナの栽培が容易という点も、その生産量に拍車をかけている。
インドでは庭になったバナナを市場に売るような家庭もあるぐらい、バナナはその環境下で育てやすい果物なのだ。農業に従事している人だけでなく、一般家庭からも流通しているなら、そりゃあ生産量も多くなる。
ちなみにバナナは赤道から南緯30度・北緯30度までの熱帯地域において最も生産がしやすく、この地域を指して「バナナ・ベルト」と呼ばれていたりするぞ。
なるほど、その気候の地域に国土が広く、農業に適した国が多くあったから、バナナは世界一の座を手に入れられたのか!
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以下の動画のように、インドでは道端の屋台で揚げたてのバナナチップスが売られていたりする。
200グラム80円とはなんともお手頃価格である。日本のバナナチップスよりも豪快で、食べ応えがありそうだ! このようにバナナはさまざまな形で、現地の生活に溶け込んでいるのだろう。
【追加雑学】バナナの生産量が増えた理由とは?
1980年ごろまで、世界一多く生産されている果物はブドウだった。2017年の記録で見ると約7,428万トンと、1位のバナナを大きく下回っているが、実はこれにしてもトップだったころに比べて増えているぐらいの量だ。
要はブドウの生産量が落ちたのではなく、バナナの生産量が爆発的に増えたから、トップが入れ替わったのである。理由はこのころを境に船や鉄道などの輸出技術が発達し、熱帯地域でしか栽培ができないバナナを先進国へ運べるようになったことにある。
そこに目をつけたアメリカ企業が大量生産に踏み切り、中南米やフィリピンなどの熱帯地域に、輸出用の大規模な農園が次々に建てられたのだ。
主要生産国のインドや中国はこれ以前からバナナの生産を行っており、その割合は現在の市場の4割程度。単純計算で残りの6割がこの大量生産期に増えたとすると、それまでトップだったブドウも簡単に抜いてしまうはずである。
ちなみにブドウが生産量の割に、それほど多く出回っているイメージがないのは、生食用が少ないだけの話だ。ブドウは生産されたものの約7割がワインに利用されている。
バナナの雑学まとめ
世界で最も生産量の多い果物はズバリ、バナナだった。
その理由は生産のしやすい熱帯地域に、広大な国土をもつ国が多いという、天の恵みを感じさせられるもの。もしかすると地球環境を作った神様は、バナナが大好物なのかもしれない!
なんにせよ、おいしくて栄養満点、さらに腹持ちがいいバナナは、今後も世界中から愛されていくことだろう。