スーパーのお惣菜コーナーでよく見かける大学いも。甘くて子どもが喜ぶおやつになるのはもちろん、そのまんまいもなので、腹持ちもいい。かゆいところに手が届く和スイーツである。
そのネーミングにしても、いかにも日本のお菓子っぽいし、なんだか頭もよくなりそうでいいではないか! …しかし、いわれてみればなんで大学いもっていうんだ? 大学要素なくないか?
なんて思っていたが、その理由は単純明快! 大学とも意外な繋がりがあったぞ!
【食べ物雑学】「大学いも」の由来とは?
【雑学解説】東大赤門前でブームになった「大学いも」
大学いもの名前の由来は、そのまま、出回った当初、大学生の間で人気を博したことからだ。
最初に考えたとされているのは、1940年まで東大赤門前で営業していた「三河屋」というふかしいも屋さん。
ただのふかしいもではそろそろマンネリだ…新商品を開発しなければ! と考えたのか否かはわからないが、揚げたさつまいもに蜜を絡めて売り出したところ、これが東大生の間で大ヒット! 以降「大学いも」の名で親しまれるようになったのだとか。
東大生ではなく、早稲田大学の生徒が広めたという説もあるが…どちらにしても東京の大学生の間で一大ブームになっていたことは変わらない。
さらに一説を挙げると、東大生が学費捻出のために売り始めたというものまで…その商売人根性があれば将来も安泰である。大学いもという名前から、さまざまな説が想像されているのだろう。
【追加雑学】大学いものルーツは中華料理?
一説によると、大学いもは中華料理がルーツだという。
たしかに中華料理には、以下の動画で紹介されている抜絲芋頭(パースーウィトウ)のような、大学いもによく似たものがある。
熱してトロトロになった砂糖水に、揚げたさつまいもを絡めるという行程は、たしかに大学いもっぽい。ちなみに抜絲芋頭が砂糖と水だけで作られているのに対し、大学いもは醤油やみりんを入れることが多く、少ししっとりした仕上がりになっている。
一応別の料理と捉えられているが、ほとんどアレンジの範囲といえるのではないか。三河屋の店主が抜絲芋頭を参考に大学いもを考案したとして、なんら不思議ではない。あるいは偶然の一致か?
なんにせよ中国語の名前では、大学生も親しみにくい。大学いもは、ブームに乗っ取ったバッチリなネーミングだったのだ。
ちなみに抜絲芋頭は、関西圏では「中華ポテト」という名前で売られていたりするぞ!
大学いもの雑学まとめ
大学いもの名前の由来はそのまま、「大学生たちの間で人気のいも料理」というところから来ていた!
疲れて頭がボーっとするときには、甘いものがほしくなる。三河屋の考えた大学いもは、勉学に励む東大生たちのニーズに応えた、この上ないアイデア商品だったのではないか?