ピザにパスタにサッカーと、食にもスポーツにも見どころが多いイタリアだが、やはりもっともそそられるのは、その歴史ある街並みだ。見るも美しい様相のとおり、イタリアには数多くの世界遺産がある。
といっても、イタリアって国としては大きくないし、ほかにもっと世界遺産の多い国もあるでしょ? と思うところだ。…いやいや、イタリアをあなどってはいけない。
実は世界196ヵ国中、イタリアの世界遺産の数は堂々のトップなのである!
【世界雑学】世界一世界遺産が多い国はイタリア
【雑学解説】イタリアは世界遺産の宝庫!
2019年時点でユネスコの世界遺産の合計数は1112件。そのなかでも「ローマ歴史地区」や「フィレンツェ歴史地区」などのあるイタリアは、実に55件の登録数で堂々のトップを誇る。これはすべての世界遺産のうち、5%がイタリアに集中している計算だ。
5%といわれるとピンとこないが、イタリアの国土は日本より小さいぐらいだし、アメリカなど、何倍も巨大な国が多くあることを踏まえるとけっこうすごいことがわかる。世界196ヵ国分を、イタリアが20個あれば埋め尽くしてしまうぐらいといえばわかりやすいか。
2019年にも新しく「コネリアーノとヴァルドッピアーデネのプロセッコ栽培丘陵群」が追加されており、まだまだその数は増え続けているぞ!
ちなみにプロセッコというのはイタリアのスパークリングワインの名称である。その栽培手法に関しても伝統に乗っ取り、以下の動画のような美しい田園風景が望めるわけだ。
イタリアに世界遺産が多い理由とは?
どうしてイタリアにこれほどの世界遺産が点在しているかには諸説あるが、有力なのはやはり、イタリアが古来より、ヨーロッパの文化的中心地だったことからだろう。
紀元前から高度な文明を誇った古代ローマ帝国はそもそもイタリアのローマから始まったものだし、14世紀以降のルネサンス文化もイタリアの都市・フィレンツェから広がっていった。
ダンテやダ・ヴィンチなどの著名な文化人も多くはイタリア出身である。
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ローマ帝国の政治体制や交通などのインフラは現在にまで影響を残しているし、疎い人でもルネサンス期の芸術家なら名前を聞けばわかる場合が多い。まさにヨーロッパ文化の発展には欠かせない存在で、世界遺産が多くあることも道理というわけだ。
以下は世界遺産が集まるローマ歴史地区の紹介動画である。趣ある建造物の数々が、古代帝国の歴史を物語っているぞ。
またフィレンツェ歴史地区では、ローマとはまた違った中世の香りを楽しむことができる。こちらも動画を紹介しておこう。
ローマ歴史地区もフィレンツェ歴史地区も石造りの建物が多いとわかる。これによって世界遺産そのものや、当時の文献がしっかりと残されていたことも、多くの世界遺産が認められている一因だ。
このほかにも水の都として知られるヴェネツィアや、イタリア最大の都市・ナポリなどにも数多くの世界遺産がある。どこへ訪れても観光には事欠かないだろう!
【追加雑学】イタリアには文化遺産が多い
ひとくちに世界遺産といっても、ユネスコのホームページでは、以下のように種類分けがされている。
- 文化遺産…人の手によって生み出された芸術作品、建造物や景観
- 自然遺産…自然の営みによって成立した自然物と地域
- 複合遺産…文化遺産と自然遺産の両方の特徴に当てはまるもの
日本にある世界遺産で例えると、文化遺産は法隆寺や国立西洋美術館を含むル・コルビュジエの建築作品など、いわゆる重要文化財というやつだ。自然遺産には屋久島や小笠原諸島などが登録されている。複合遺産は日本にはないが…。
3種類のうち、合計1121件の大部分を占めるのは文化遺産で、その数は869件。イタリアに関しても文化遺産50件・自然遺産5件・複合遺産0件という割合だ。やはり自然が生み出した世界遺産というのはそれほど貴重ということか。
そう、イタリアは世界遺産の数ではトップでも、自然遺産や複合遺産はその限りではない。
自然遺産のジャンルでトップを飾るのは中国の13件。複合遺産に関してはオーストラリアと中国が共に4件で一番多い。たしかにどちらも古くから自然と共存してきた大国というイメージだ!
以下は中国の自然遺産・南方カルストの映像である。いかにも西遊記に出てきそうな佇まい…これが自然の産物と考えると、たしかに奇跡の成せる技といえる。
イタリアの記事なのでここまで触れていなかったが、中国は2019年時点で世界遺産の総数でもトップのイタリアに並んでいるぞ! …それにしてもあれだけの国土面積をもつ中国と互角を競っているイタリアはすごいのだが。
ちなみに日本の世界遺産は合計23件で世界12位。イタリアや中国の比ではないが、まずまずの健闘ではないか。
世界遺産の雑学まとめ
イタリアは古来より高度な文明を誇っていたヨーロッパ文化の中心地。
そのため世界遺産の総数も55件と、堂々のトップを誇る。国の広さを考えると少し意外だが、"都心"という言葉があるように、文化の中心地には主要な建造物が密集するものなのだ。
つまり世界遺産の数は、ヨーロッパの歴史がイタリアから始まったという証拠である。観光地として見どころがある場所には、決まって深い歴史があるのだ。
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