フォーチュンクッキー。それは、中に運勢が書かれた紙が入っているクッキーである。AKB48のヒット曲「恋するフォーチュンクッキー」でその存在を知った人も多いだろう。
そんなフォーチュンクッキーは日本生まれだということを存知だろうか? 今回は、フォーチュンクッキーの雑学を紹介していくぞ!
【食べ物雑学】「フォーチュンクッキー」の発祥は日本
【雑学解説】「フォーチュンクッキー」は北陸地方のお菓子「辻占煎餅」に由来している
フォーチュンクッキーは、アメリカやカナダの中華レストランで提供されることが多い。それならアメリカか中国生まれなのかと思いきや、実はフォーチュンクッキーは日本生まれなのだ!
フォーチュンクッキーのルーツとなったのは、北陸地方のお菓子「辻占煎餅(つじうらせんべい)」だと考えられている。辻占煎餅は江戸時代くらいから存在していて、新年に神社で配られる祝い菓子であった。
辻占とは、辻(交差点)に立って、通行人の会話を聞きながら行う占いのことだ。江戸時代には子どもたちが辻占を行っていたのだが、どういう経緯で辻占煎餅が誕生したのかは分からなかった。
この辻占煎餅をフォーチュンクッキーとしてアメリカに持ち込んだのは、日本人庭師の萩原眞(はぎわらまこと)氏である。萩原氏は1910年頃、サンフランシスコにある日本庭園の運営を行っていた。そして、そこを訪れた客にフォーチュンクッキーを提供したのだ。
もちろんフォーチュンクッキーはすぐに評判となった。ところが、萩原氏はフォーチュンクッキーに関する特許を取っていなかったのだ!
しばらくして、中華レストランでフォーチュンクッキーが提供されていることに気がついたのだという。つまり、簡単にいうとパクられてしまったわけだ…。
こうしてフォーチュンクッキーは「中華レストランで食後に出されるクッキー」として定着化していった。すぐに特許を取っておけば、今とは少し違う形で普及していたのかもしれない。
ところで、元祖・辻占煎餅とフォーチュンクッキーはまったく同じ見た目や中身なのだろうか? 中に占いが入っているという点は変わっていないが、形や材料に関する詳しい情報はなかった。
ただ、現在「辻占煎餅」として売られているものを見ると、フォーチュンクッキーとそっくりである! このことから、元祖・辻占煎餅とフォーチュンクッキーの見た目はほとんど変わっていないことが予想される。
ちなみに、中にはピンクや黄緑色とカラフルなもの、星型をしているものもあった。サイズもだいぶ小さい。もしかしたら、当時から地域やお店によって多少の違いがあったのかもしれない。
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【追加雑学①】「フォーチュンクッキー」の食べ方
三日月のような形をしてるフォーチュンクッキー。こちらは、実際にフォーチュンクッキーを割っているところの動画だ。
クッキーの中には空洞があり、その中に運勢が書かれた紙が入っている。最初に思ったことは「これ、どうやって食べるのが正解なの?」であった。
調べたところ、フォーチュンクッキーの食べ方にルールはないらしい。クッキーを2つに割って中に入っている紙を取り出して読む。割ったクッキーは普通に食べれば良い。
ただし、中華レストランでは請求書と一緒にトレーの上に乗せて提供されることがある。あまり衛生的に良いとはいえない。このような場合は、中身の紙だけを見てお菓子は捨ててしまうこともあるようだ。
【追加雑学②】日本にはおもちゃが入った伝統菓子がある
フォーチュンクッキーが日本発祥であることは分かった。では、もしかしたら他にも似たようなお菓子があるのでは…? そう思って調べたらビンゴであった!
それは山形県・庄内名物の「からから煎餅」である。こちらのお菓子には占いではなく、なんと小さなおもちゃが入っている! どんなおもちゃが出てくるのかワクワクしそうだ。
お菓子を振るとカラカラと音がすることから、からから煎餅という名前がついたらしい。形は四角形だが、フォーチュンクッキーとよく似た発想である。
からから煎餅も江戸時代から存在する伝統菓子だ。占いやおもちゃをお菓子に入れてしまおうという遊び心がすごい。そして、それを実現してしまう日本人の繊細な技にも感心する。
雑学まとめ
今回は、フォーチュンクッキーの雑学を紹介してきた。AKB48の「恋するフォーチュンクッキー」がヒットするまで、その存在すら知らなかった人のほうが多かったように感じる。
せっかくこんなすばらしい伝統菓子があるのに、日本発祥だと知られていないのはもったいないと感じた。大手メーカーが発売したら話題になりそうなのに…。
日本でフォーチュンクッキーを手に入れたい場合は、中華街にある中華レストランや土産物店をチェックするのがおすすめだ! 一部店舗で取り扱っているから、興味のある人は探してみてほしい。