地名に使われている漢字には、実は“災害のヒント”がたくさん詰まっているかも?今回は「地名に潜む危険な漢字」を9つほどご紹介します!
◆ 地名に“危険のサイン”が隠れてるって本当?
日本には、長い歴史の中で、何度も自然災害に遭っている土地が存在します。そういった場所には先人が災害を示唆する地名をつけていることが多かったりする。つまり地名は“地形の教科書”だとも言えます。


◆ 災害リスクを暗示する漢字9選
1. 龍・竜 ─ 暴れ川・水神伝説のサイン
「九頭竜川」など、水との関わりが濃い土地で見られることが多い漢字。
想定リスク:豪雨・洪水・氾濫


2. 鮎 ─ “揺(あゆ)く”=軟弱地盤のヒント
語源が「揺れる」に通じる説が有名。地盤が柔らかい土地の可能性あり。
想定リスク:地震時の揺れ増幅・液状化


3. 蛇 ─ 土砂が“くねって流れる”イメージ
「蛇崩」「蛇抜」など、崩落や流出の伝承を映す地名に登場。
想定リスク:土砂崩れ・土石流


2014年の8月に広島で起こった土砂災害で最も大きな被害を出した「八木」は元々「八木蛇落地悪谷」と呼ばれていた。
4. 浜 ─ 海沿いの低地で要注意
気持ちいい海辺のイメージの裏に、水害の履歴が潜む場合も。
想定リスク:津波・高潮・浸水


5. 谷 ─ 水と土砂が集まりやすい地形
狭い谷は出口がふさがれやすく、一気に危険度が上がることも。
想定リスク:洪水・土石流


6. 崖/崩 ─ 直球で“崩れる場所”
崩落の歴史をそのまま名前に残しているケースも。
想定リスク:崖崩れ・落石・地すべり


7. 池 ─ かつては水場だった土地
宅地化されても、大雨で“昔の姿”に戻ろうとすることが。
想定リスク:浸水・内水氾濫


8. 窪 ─ 低地=水が溜まりやすい
地名どおり“くぼみ”は水と土砂の終着点。
想定リスク:冠水・内水氾濫・地盤沈下


9. 島/嶋 ─ “囲まれていた”名残り
水や地形に囲まれた履歴の示唆。交通が断たれると孤立しやすい。
想定リスク:浸水・孤立


◆ 気になったらこう調べよう
- 国土地理院の地形図/陰影起伏図で地形を確認
- 自治体のハザードマップ(洪水・土砂・高潮 など)を見る
- 「地名+災害」「地名+由来」で過去の履歴を検索


◆ まとめ:地名は“災害の履歴書”。知って備える!
漢字 | 想定リスク |
---|---|
龍・竜 | 豪雨・洪水・暴れ川 |
鮎 | 軟弱地盤・揺れ増幅・液状化 |
蛇 | 土砂崩れ・土石流 |
浜 | 津波・高潮・浸水 |
谷 | 洪水・土石流 |
崖/崩 | 崖崩れ・落石・地すべり |
池 | 浸水・内水氾濫 |
窪 | 冠水・内水氾濫・地盤沈下 |
島/嶋 | 浸水・孤立 |
◆ 最後にひとこと
もちろん地名が「怖い=災害が起きる」という事ではありません。“どんなときに・どこが危ないか”を把握して、地元のハザードマップと避難経路をセットで保存、それだけで防災レベルがグッと上がります。
参照元:『この地名が危ない 大地震・大津波があなたの町を襲う』(楠原祐介著)、災害写真データベース、pinterest