地球が宇宙空間にある以上、隕石などの飛来物とは切っても切れない関係にあるといえる。
現在でも、1年間でおよそ500個の隕石が飛来しているといわれている。1日1個か2個、地球上のどこかに隕石がふってきているのだ。
といっても、地球の7割は海だから、単純計算で陸地に飛来するのは150個。それが大気中で燃えつきないで地面におちるとなると、実態はもっともっと少ないことになる。
地上に影響を及ぼす10メートルくらいの隕石がおちるのがだいたい10年に1回といわれているので、それに遭遇するのは本当に強運の持ち主といえるだろう。
ではここで考えてほしい。みなさんが周りには誰もいない道を歩いているときに、たまたま目の前に隕石がふってきたとする。きっとあなたは、「隕石じゃん! やっべー!」と興奮してそれを拾おうとするだろう。
売ったらいくらするのか…新聞にも取り上げられるかもしれない…美容院の予約をしないとな…。と考えながら。
だがちょっと待ってほしい! 実は隕石は必ずしも拾った人に所有権があるとは限らないのだ! 拾うと最悪の場合、訴えられることだってあるかもしれないぞ!
ということで今回は、そんなトラブルを回避するためにも隕石の所有権に関する雑学を紹介していこう!
【宇宙雑学】隕石の所有権は、発見者というわけではない
【雑学解説】隕石所有権のポイントは地面
財布を拾ったことがある人ならば、「警察に届けて、その後権利が生まれるんだよね」と思うかもしれないが、基本的に隕石は遺失物、いわゆる落としものではないので、その必要はない。ただし、隕石の影響で何かが壊れたりしていたら、ちゃんと連絡しよう。
ではどのような場合に、発見者に所有権がなくなるのだろう。
ポイントは2つ。落ちた場所とその地面である。
隕石の落ちたところが、発見者の土地かあるいは誰のものでもない土地だった場合
この場合、隕石は発見者のものとなる。さっそく美容院の予約をとろう!
隕石の落ちたところが、誰かの所有する土地だった場合
この場合には注意が必要だ。隕石の状態しだいで、発見者のものになるのか、土地の所有者のものになるのかが変わるからだ。それは、以下の2通りだ。
1.隕石が地面の上にある場合
おめでとう! 隕石は発見者のものとなるぞ。 ネイルの予約をとって大丈夫だ!
2.隕石が地面にめり込んでいる場合
残念ながら、この場合は所有権は土地の所有者にある。だから勝手に拾うことはできない。拾ってしまえば、本当に訴えられることだってありえる。
なんだ…ぬか喜びか…せっかく有名になれると思ったのに…。
しかし大丈夫! まだあきらめてはいけない! 所有権はたしかに土地の所有者のものだが、見つけた人の権利も、しっかりと認められているのだ!
地面に埋まってしまうと、その隕石は埋蔵物という扱いになってしまう。誰のものかわからない埋まっているものは、とりあえず落とし主さえわからなければ、土地の所有者に所有権が存在することになる。
そして埋蔵物はなんと遺失物、つまり落とし物にあたるため警察に届けなければならないのだ…。しかし、ここに一筋の光がある!
宇宙人が「それ私のです」といって現れないかぎり、その隕石は土地の所有者と発見者とで折半される形になるのだ。そう! 隕石を売ったりして得られたお金は、拾った人にももらえるということだ! メディアにも出られるかもしれないな!
おすすめ記事
-
南極で発見!日本が所持する隕石の数は世界第二位
続きを見る
スポンサーリンク
【追加雑学①】そもそもどうやって隕石だとわかるのか
目の前におちてきたならまだしも、はるか昔におちてきた隕石が発見された場合、それが隕石だとどう判定するのか…。道端の石も隕石も、そこまで見た目に違いがあるとは思えない。どうやって隕石だと判断するのだろうか。
結論からいうと、昔におちてきた隕石を見た目だけで隕石だと判断するのは、かなり困難である。しかし、不可能というわけではない。
隕石は鉄分を多く含んでいる。つまり、さびていくのである。だから表面に茶色いシミがあったり全体的に茶色いものはあやしいということになる。
おすすめ記事
-
赤い色の秘密は酸化鉄!火星の表面は"錆びた鉄"と同じ成分
続きを見る
また、隕石は地球上に存在する石よりも比重が重いため、大きさの割にはズシっと重い。
だからさびなどで全体的に茶色く、大きさに比べて重い石のようなものを見つけたら、専門機関にもっていこう!
【追加雑学②】隕石の相場を知ろう
やはり気になるのは隕石はいくらで売れるのか。誰しもお金は好きだからな…。
隕石の相場はだいたい1グラム1,000円から10,000円といわれている。幅があるのは、その価値の基準が、学術的価値の高さ・発見量・美しさの3つで決められているからである。
過去には隕石ハンターが見つけた、月からの隕石が1グラム110万円で取引されたことがある。これは月の人類が踏み入れたことがない場所からの飛来物だとわかり、これだけの価値となった。見つかったのは全部で630グラムなので、約7億円で取引されたことになる。すごい…。
隕石ハンター…かなり夢のある職業だな! ちなみに隕石を見つけるにはサハラ砂漠がおすすめだそうだ。理由としては、見つけたら必ず自分のものになるからだ。
雑学まとめ
今回は隕石の所有権についての雑学を紹介してきた。隕石は見つけるだけではだめなのか…。まず見つける運と、その状態が自分にとって都合のいい状態であるかという運も必要となってくる。
そう考えると、隕石を拾って自分のものにするというのは、かなり難しいことなんだな…。見つけて埋まっていたら黙って掘り返して、穴埋めちゃえばいいのでは…。いやいや! そんなことしてはいけないぞ! ダメ、ゼッタイ!
おすすめ記事
-
"流星刀"は本物の隕石で作られた刀!発案者は榎本武揚だった【動画】
続きを見る