『人には親切にしましょう』こんな言葉を子どものとき、親や先生からよくいわれたのではないだろうか? 親切にする。ステキな行動だ。
しかし、よくよく「親切」という漢字を見てみるとふと疑問が浮かんではこないだろうか…。
そう、親切ってなんで親を切るって書くんだろう?
親を本当に切ったら親切どころじゃないのは当然だ。でも実際に親を切る、と書いて親切と読んでいる。謎すぎる。そんなわけで今回は、「親切」という漢字についての雑学を紹介していこう。
「親切」という言葉に隠された意味、謎を解明してスッキリしてほしい。
【生活雑学】「親切」って「親を切ること」なの?
【雑学解説】「親切」は「親を切ること」ではなく、思いやりが深いという意味である
まずは「親切」という言葉を辞書で調べてみよう。すると、「人情があついこと・思いやりがあり人のために尽くすこと」と出てくる。ここまでは誰もが「親切」という言葉に抱いている認識通りにちがいない。
ではここで改めて問題だ。どうして「親を切る」と書いて「親切」と読むのか?
実は「親切」という言葉はそれぞれが違う意味をもっており、
- 親…身近な、親しい間柄の人
- 切…直に接する
というそれぞれの言葉から、「親切」が誕生したというわけだ。つまり、人に親切にするときは相手の気持ちに寄り添って親身になりましょうね、ということである。
たしかに幼い頃の記憶をたどると、周りの大人からそのようなことをいわれたような気がしないでもない。なにはともあれ、親を切るという意味でなく良かった。
【追加雑学①】親切は「深切」とも書く
最近では見なくなったが、実は「親切」は「深切」といった表現をしていたこともあるという。この「深切」は思い入れが深く切実という意味で、漢語によく使われていたらしい。
こうやって日頃なにげなく使っている言葉も改めて意味を考えてみると、日本語って奥が深いと感心してしまう。
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【追加雑学②】6月13日は小さな親切の日
1963年の東京大学卒業式に茅誠司(かやせいじ)総長が「小さな親切を勇気をもってやってほしい」と告辞でいったのをきっかけに、同年6月13日に茅氏をはじめ「小さな親切」運動が始まった。
- 人を信じ、人を愛し、人に尽くす
- できる親切はみんなでしよう。それが社会の習慣となる
という素晴らしいスローガンで運動が始められ、現在でも続いている。1人1人が小さな親切でも、それがつながれば、素晴らしい世界になる。それを裏付けるのが下記の動画だ。
親切にされる方はもちろん、親切にする方も自然と笑顔になる。みんながこうやって親切にすることをしていたら、世界から戦争がなくなる日も遠くないだろう。
【追加雑学③】日本で1番優しい人が多いのは宮崎県と長崎県?
ソニー生命が2018年にアンケート調査をしたところ、47都道府県で1番優しい人が多いランキングを宮崎県と長崎県が1位を獲得した。それぞれの理由をみてみよう。
まずは宮崎県。
- 日本で初めて孤児院を設立したから
- 宮崎県の県民性が「一生で一度しか嘘をつけない、おおらかで正直な農業型」だから
なるほど。実績とイメージというわけだな。では続いて、長崎県。
- 原爆の痛みを知っているから
- 観光に行くと、とにかく地元の人が優しい
長崎県は、観光客に優しい・親切という感想が多いのが同率1位の理由らしい。ちなみに3位は秋田県と福井県、5位は鹿児島県とどれも地方ばかりだ。やはり都会の人間は冷たいらしい。
雑学まとめ
親切は「親を切る」ではなく、それぞれの言葉の意味の「身近に寄り添って相手に何かすること」、という語源から生まれたのをお分かりいただけただろうか? 「親を切る」どころか素晴らしい意味があったというわけだ。
昔と比べると現代人は、自分の身を守るためもあると思うが、人に親切するという機会が減ってきている。今回ご紹介した雑学を思い出し、たまにでいいので人に親切にしてみよう。
きっと自分の心もふわっと温かくなるはずだ。
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