「あの人マジヤバくない!?」「ヤバいヤバい! アハハ」若者たちのあいだでよく使われている「ヤバい」という言葉。一体なにがヤバいんだと思ってしまうが、ヤバいという言葉はいろいろな場面で使えるので、よく使われている。
状況がよくないという意味もあれば、程度がはなはだしいときにも使え、マイナス面でもプラス面でも表せる便利な言葉。このヤバいだが、その語源は江戸時代までさかのぼるらしい。今回の雑学ではその噂を検証してみた。
【生活雑学】「ヤバい」は江戸時代から使われていて語源は矢場
【雑学解説】江戸時代は矢場で売春が行われていた
射的場の矢場がなぜヤバいという意味になるのだろうか? 実はこの射的場、裏で売春(女性の身売り)が行われていたのだ! 表では華やかな遊び場、裏ではえげつない欲望が渦巻くという二重構成になっていたことになる。恐ろしいものだ…。
もともと矢場には、投げ終わった矢を片付ける仕事をする「矢場女」という女性がいたのだが、そういう人たちがお客の相手をするようになっていったのだ。
今でもそうだが、当時においても売春は違法。幕府に認められた「吉原」などの一定の場所以外では禁じられていた。
路上などで売春をしていたら、パトロールの役人に見つかって逮捕されてしまうので、矢場で隠れて売春をおこなっていたらしい。まあ、矢場にはもともと女性もいるし、適した場所だったのだろう。
このような事情から、「矢場での売春が見つかってしまったら、危険だ」という意味から「ヤバい」という言葉が出来上がったのだ。だから、もともとヤバいには「危険」とか「危ない」という意味がある。
しかし、上述の通り、現在使われている「ヤバい」の意味はそれだけにとどまらず、非常に幅広い意味で使われている。感動したときや驚いたときでも「ヤバい、マジヤバい」などというだろう。
ヤバいがこれだけ多様な意味をもってしまうと他の言葉を使う機会が減り、語彙力がなくなってしまうことが心配されるほどだ。
ヤバいの語源は説明してきたように、売春という違法行為がバレたらまずい、というところからきており、本当に危険なときに用いられた言葉だと知っておけば、今のように何でもヤバいといわなくなるかもしれない。
スポンサーリンク
【追加雑学①】「ビビる」は平安時代には使われていた
ヤバいと同じくよく使われる言葉に「ビビる」という言葉があるが、ビビるはなんと平安時代にはすでに使われていたらしい。
戦の際に鎧が触れ合ったり、太鼓の音で鎧が震えると「ビンビン」という音が出た。これを指して、大軍が動くときの音を「ビビる音」と呼んだのがはじまり。たしかにこれから戦が始まると思うと、ビビってしまう…。
これは現在と同じ意味で使われている。平安時代というと今から1,000年も前の話になるのだから、そのあいだずっと使われてきたというのもすごいものだ。
【追加雑学②】同じく平安時代から使われていた「社畜」
会社の奴隷となって激務を強いられている社員のことを「社畜」と呼ぶが、この言葉も由来は平安時代にまでさかのぼる。当時は、「世の中の病気や理不尽を一身に受けるために、神社などの柱に生贄として、死ぬまで張り付けられた奴隷」のことを指していたのだそう。
今でも十分恐ろしい意味だが、当時はもっと恐ろしい意味だ。平安時代の社畜、可哀想すぎる…。
雑学まとめ
今回は言葉の語源についての雑学をご紹介してきたが、いかがだっただろうか。普段なにげなく口にしていた「ヤバい」という言葉だが、その語源は江戸時代にまでさかのぼるのだ。若者たちの言葉の乱れの象徴としてとらえていた大人も多いと思うが、実はそんなことはなく、歴史が深い言葉なのだ!
ヤバいだけでなく「ビビる」や「社畜」も歴史が深い言葉。しかもヤバいよりも古く、平安時代からの言葉だ。普段使っている言葉の歴史や由来を知っておくと、なんとなく言葉に深みが出る気がしないだろうか? そう感じてもらえると嬉しい。
おすすめ記事
-
"ダメ"の語源はどこから?意外なアレが由来でした
続きを見る