橋。それは、川を渡るときに必要な建造物。木製のもの・石造りのもの、そして鉄でできたものと、素材もいろいろある。木製の橋も石橋も昔からありそうだが、鉄でできた橋、つまり鉄橋はちょっとモダンな感じがする…いつどこで作られたのが最初なのだろうか…?
考え始めたら、夜も眠れなくなったので、世界で最初の鉄橋についての雑学を調べてみたぞ! あの有名な歴史的出来事との繋がりに、納得すること間違いなし。
【世界雑学】世界で一番古い鉄橋はイギリスにある
【雑学解説】世界で一番古い鉄橋はイギリス西部にあるコールブルックデール橋
世界で最初の鉄橋は、1779年に完成した「コールブルックデール橋」この名前は、この橋のあるイギリス西部シュロップシャー州コールブルックデールに由来する。
このコールブルックデール橋、実は現在は、アイアンブリッジという名前で広く知られている。アイアンブリッジは、直訳すると「鉄橋」だ。なんと! そのままではないか。
では、最初の鉄橋アイアンブリッジは、何のために作られたのだろうか?
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建設のきっかけは産業革命
調べてみると、ことの始まりは「産業革命」だった! 「産業革命」とは、簡単にまとめると、18世紀のイギリスで最初に起きた新技術の開発・普及、それによる社会変革のことだ。
コールブルックデールでは、1709年、地元で採れるコークスという燃料を使って初めて製鉄が行われた。この街は製鉄業によって、「産業革命」の先がけとなったのだ。
ここで問題となったのは、どうやって製品を運ぶかということだった。アイアンブリッジが建設される以前は、運搬手段はこの地域を流れるセヴァーン川を使った水運が主。長さも水量もあったが、天候に影響されやすく流れも比較的早かったという。
このため、産業の発展にあわせて、安定した運搬手段として丈夫な橋の建設が必要になった。
ここで、当時としては斬新な提案をした人物がいた。当時この地域の製鉄業の責任者であったアブラハム・ダービー3世だ。彼は、それまで一般的であった石の橋ではなく、地元の産業、すなわち製鉄業を活かした鉄橋の建設を提案した。
そして、この提案から6年後の1779年に、全長60m・幅約7m・総重量約400tの世界で最初の鉄橋が完成したのだ。
この最初の鉄橋アイアンブリッジの解説動画を発見した! 解説は英語しかないが、橋のまわりの様子と制作過程の雰囲気がとてもよく伝わってくる。
この動画は、現在この橋を管理しているイギリスの団体「イングリッシュ・ヘリテッジ」が作成したものだ。
この世界で最初の鉄橋は、1934年にその役割を終え、現在は歴史的な遺産として保護されている。
【追加雑学】鉄橋が渓谷の名前になった?
アイアンブリッジがある渓谷は、もともとセヴァーン峡谷という。しかし、現在では、アイアンブリッジの名前をとって、アイアンブリッジ渓谷と呼ばれることが多いらしい。
1986年、この渓谷はアイアンブリッジも含めて世界文化遺産に登録されたのだが、その登録名も「アイアンブリッジ渓谷」である。
地名まで変えてしまうとは、一番最初の鉄橋の影響力、恐るべし…!
雑学まとめ
今回は、交通や流通の要・鉄橋についての雑学を紹介した。最初の鉄橋は、「産業革命」の始まったイギリスで、その土地の産業を活かして作られたものだった。
現在、アイアンブリッジの周辺には、この橋の歴史を知ることができる博物館もあるという。イギリスに行くことがあれば、ぜひ、橋と合わせて訪れてみたいものである。
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