ぼうしをかぶった可愛らしい木の実、どんぐり。田舎で育った私は、子供のころに、公園や神社などの木の下に転がっているどんぐりを拾って遊んだ記憶がある。
どんぐりってどんなもの? と聞かれて、たいていの人は思い浮かべることができるのではないだろうか。しかし…どんぐりを食べたことがある猛者は、ほとんどいないだろう。
たしかに木の実である。クリみたいなものだと思えば、食べられるのかもしれないが、どんぐりを食べようと思ったこともなければ、食べられるものだという認識もなかった。
しかし、縄文時代では、ふつうにどんぐりを食べていたというのだ。今回の雑学記事では、「食べ物」としてのどんぐりについて調べてみたぞ!
【食べ物雑学】縄文時代はどんぐりを食べていた
【雑学解説】縄文時代、どんぐりを調理し主食として食べていた
縄文時代の人々の暮らしぶりは、遺跡から発掘されたもので知ることができるが、どんぐりも全国の遺跡からたくさん発見されている。
遺跡から発掘されたのは、「どんぐりピット(どんぐりを貯蔵する穴)」と、その中に大量に貯蔵されたどんぐりだった。おそらく冬に備えるための食料として、どんぐりを貯蔵していたのだろう。
さらに、どんぐりの粉で作られたパンやクッキーのようなものまで見つかっており、まだ稲作が伝わっていない縄文時代の人々は、どんぐりを調理し、主食として食べていたことが分かっている。
【追加雑学①】実は「どんぐり」という名前の木はない
ところで、どんぐりの木ってどんな木だっけ…。クリがなるクリの木・ギンナンがなる銀杏(いちょう)の木のように、実と木はちゃんと一致して思い出せるのだが、どんぐりの木は分からない…。
実は、どんぐりという名前の木はないのである。ブナ科のカシ・シイ・ナラ・クヌギ・ブナなどの樹木の実のことを、みんな「どんぐり」と呼ぶらしい。
そういえば…子供のころに拾ったどんぐりは、細長いものやまん丸のものなど、形がいろいろだった! 不思議に思っていたが、そもそも樹木の種類が違うため形が違うのは当たり前だったのだ。
【追加雑学②】どんぐりはデトックス効果もあるスーパーフードだ!
「デトックス」・「スーパーフード」、どちらも最近よく耳にする言葉だが、どんぐりの栄養分について調べてみたら、なんとどんぐり! すごい奴なのだ!
どんぐりがスーパーフードといわれる理由は…
5大栄養素を含んでいる
- 炭水化物…70パーセント
- 脂質…20パーセント
- タンパク質…6パーセント
- ビタミン…ビタミンA・C・B1・B2・葉酸
- 無機質…ミネラル
どんぐりは、これら5大栄養素を一度にとれるのだ!
悪玉コレステロールを減らす
オレイン酸・リノール酸・不飽和脂肪酸などを含んでいる。
善玉コレステロールは減らさず、悪玉コレステロールだけを減らす効果がある。
デトックス効果
どんぐりに含まれているアコニック酸は、体の中に蓄積された有害物質を排出する効果がある。まさに今はやりのデトックス効果が期待できるのだ。
どうだ! あの帽子をかぶった可愛い奴は、まさにスーパーフードだったのだ!
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【追加雑学③】どんぐり料理!意外とイケるかも?
どんぐりを調理するには、まず渋み成分の「タンニン」を取り除く下処理をしなければならない。
- 水に浸して選別…浮いてきたものは虫に食べられているので除く
- アク抜き…水にさらしたあと、ペンチで殻を割り薄皮をはがす。そのあとお湯で煮て、水につけておく。渋みがなくなるまで何度も水を替えて煮る。
- すり鉢で挽く…乾燥させたどんぐりを粉状にする
こうして出来た「どんぐり粉」で、パン・クッキー・そばを作ることができるのだ。粉状にせずにそのまま使って、どんぐりご飯もできるぞ! クリご飯のどんぐりバージョンだ。
どんぐり料理の動画を発見!
どんぐりクッキーを作っている様子が見れるぞ! 煮る代わりに、殻ごと煎っても食べられるようだ。
ふつうに食べられそう…。子供と一緒にどんぐり拾いへ行き、そのあとクッキー作りをするのも楽しいかもしれない。
雑学まとめ
今回の雑学では、どんぐりについて調べてみた。どんぐりがスーパーフードとは驚きだ! まだお米がなかった縄文時代の人々にとって、まさに主食であり、重要な栄養源だったに違いない。
ちょっとアク抜きに手間がかかるが、香ばしくておいしい気がする。おそらく誰でも簡単に手に入るどんぐり。調理してその味を試してみては?