ジャムパンと聞いてあなたはどんな味を思い浮かべるだろうか。イチゴ? ブルーベリー? マーマレード?
今でこそ、バリエーション豊かなジャムパン。なかでもイチゴジャムパンはコンビニやスーパーなど、どこでも手に入るほどの定番商品だ。
しかし、ジャムパンが生まれた頃には、イチゴでもブルーベリーでもオレンジでもない、圧倒的なジャムパンの王様が君臨していたのである。
今回はそんなジャムパンにまつわる雑学を紹介していくぞ!
【食べ物雑学】日本初のジャムパンはイチゴじゃなかった
【雑学解説】日本初のジャムパンとは?
ジャムパンの歴史は意外に古く、1900年にまで遡る。
アンパンも発明した銀座の老舗パン屋さん「木村屋」でジャムパンは生まれた。発明者は木村屋の三代目・木村儀四郎だ。
ちなみにアンパンは「木村屋」の初代が発明してる。木村屋すごい。
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当時、日露戦争の兵糧用として生産されていたジャム入りビスケット。儀四郎はこのビスケットを作る工場を手がけていたのだが、そこで彼はひらめいたのだ。
ビスケットにジャムを挟む工程を見ていた儀四郎はそれをパンにも応用できないかと思いつく。それを形にして誕生したのが「ジャムパン」である。アンパンと区別させるために木の葉型の形に整えられ、アンズジャムが中に入った。
銀座のお店で発売されると「おいしい」と話題になり瞬く間に人気になった。
誕生からしばらくは第一号のアンズジャムパンが主流であったが、その後時代が流れるにつれ、イチゴやリンゴなど、ジャムのバリエーションがどんどん豊かになっていった。
なかでもイチゴジャムパンは広く普及し、現代ではアンズジャムをはるかに凌駕した人気っぷりである。
それでも木村屋のジャムパンは、今も変わらずアンズジャムパン。銀座に赴けば今でも、100年以上受け継がれてきた伝統の味を味わうことができる。
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【追加雑学①】メロンパンはラグビーボール型をしていた
ジャムパンやアンパンと並ぶ菓子パンの代表格・メロンパン。メロンパンといえば、丸い形に格子模様が一般的だ。しかし、販売された当初は丸くなかった。
では、どんな形をしていたのかというと、楕円型。ラグビーボールやアーモンドのような形である。
今でさえ、メロンパンはメロンが入っていないだのメロンの味がしないだのとしばしば揶揄される。でも形は一応メロンに似ているところもあるのだ。これが形までメロンの面影を失ってしまったらもはや「メロンパン」とはいえないのではないだろうか…。
と思いきや、この楕円形メロンパン、メロンにそっくりということで「メロンパン」と命名されたという説もある。どういうことかというと、当時日本で栽培されていたメロンの一種・マクワウリによく似ているのだ。
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そしてこの楕円形メロンパンの型として使われているのはなんとオムライス型! 「ユニークなパンを作りたい」と神戸の職人がオムライスに使う型を見て思いついたようだ。さすが関西の職人だが、これでは「オムライスパン」だ。
また、パンの中身や作り方も異なる。今のようなビスケット生地で覆うスタイルではなく、油分多めの生地に白餡を入れたパンだったよう。それってもはや、「アンパン」なのでは…? と思わないでもない。
もはや何パンなのかわからない進化を辿ってきたメロンパンだが、今も昔も多くの人に愛されているのは変わりない。ちなみに関西では現在でも、楕円形のメロンパンが売られているようだ。
【追加雑学②】パン屋の1ダースは13個!?
突然だが、1ダースと聞いたとき、あなたはいくつを思い浮かべるだろか。
もちろん普通に考えれば、1ダースは12。しかし、「パン屋の1ダース」というと13または14を指すのだ。
一体どういうことだろうか。
「パン屋の1ダース」とは主にイギリスを中心に使われる量の単位。13世紀のイギリスでは、「パン屋がパンの量をごまかして売っている」という噂が流れたのがきっかけで生まれた。
パン屋からしたら、パンをそれぞれ全く同じ重さで均一に焼くことはどだい無理なこと。でも、客からしたら量をごまかしているように見えてしまい、損した気分になってしまうのだ。
そこでパン屋は苦渋の策を打ち立てた。
1ダース買ってくれるお客さんにはあらかじめ1個くらいおまけすれば、誰も文句はいわなくなるだろうという算段だ。この結果、1ダースは12でも「パン屋の1ダースは13」というとんちのような単位ができてしまったのだ。
ジャムパンの雑学まとめ
今回はジャムパンについての雑学を紹介した。
ジャムパンの元祖がアンズジャムパンとは意外である。現代ではイチゴを筆頭にした数々の果物陣に押され、あまり馴染みがないアンズジャムパン。
木村屋では当時のままアンズジャムパンを味わうことができるので、銀座に用がある際にはぜひ寄ってみてはいかがだろうか。