大きな「水場」というのは、それだけで人を引き寄せる魅力がある。
公園の池はいこいの場として愛され、見ているだけで癒やされる。キャンプやレジャーなどのアウトドアでは、そばに川が流れているだけで盛り上がる。夏にプールや海水浴場が人でごった返しているのもそうだ。
そんなテンションがあがる水場。その中でも、今回雑学として注目したのは世界最大の湖。世界最大なんて想像するだけでワクワクしてしまう!
【世界雑学】世界で一番大きな湖は「カスピ海」
【雑学解説】カスピ海の大きさは半端じゃない
日本の湖というと、日本最大の湖である滋賀県の「琵琶湖」や、富士山のふもとにある山梨県の「河口湖」が有名だろう。
しかし、世界に目を向けると想像を絶するデカさの湖が存在する! 世界最大の湖「カスピ海」…その面積はじつに約371,000平方キロメートル!
これは、なんと日本の国土をすべて合わせた面積と同じくらい…。参考までに、琵琶湖は約670平方キロメートルである。
ケタが3つも違うデタラメの大きさ…。
カスピ「海」って海じゃないの?
そんな半端ない大きさの「カスピ海」。しかし、察しの良い方であれば、ここであることに気づくだろう。
「カスピ海って、海の文字が入っているんだから、湖じゃなくて海じゃないの?」と。もちろんこれは当然の疑問である。
カスピ海は四方を陸に囲まれており、海と面していないため、今までは「湖」とされてきた。
しかし実はこれ、とても根の深い。この「湖」なのか「海」なのか問題は、カスピ海に面している各国が何十年も議論を続けている問題なのだ。
カスピ海を巡る各国の主張
広大なカスピ海は、経済的にとても重要な場所である。チョウザメからとれるキャビアなどの漁業はもちろん、石油や天然ガスが大量に埋蔵されていることが発覚している。
ロシアやカザフスタン、イランなど5つの国に面しているカスピ海。これらの国々はカスピ海を巡って、やれ「湖だ!」「海だ!」などの主張を長年続けている。
なぜそんな主張をするのか。それは、湖と海で、カスピ海の「領有権」の定義が異なるからなのである。
「湖」とした場合と「海」とした場合の違い
「湖」とした場合は、面している5か国で均等に分ける決まりだが、「海」とした場合は、国際条約の「領海」の概念が発生し、各国のカスピ海に面している「沿岸部の長さ」で、カスピ海の領土の取り分が決まる。
このため、各国は自国の都合の良いように、「湖だ!」「海だ!」と主張していたのである。
なお、この問題は2018年8月にカザフスタンで開催された会議の、「カスピ海の法的地位に関する協定」で各国の首脳が署名し、一応の決着がついている。
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「カスピ海の法的地位に関する協定」について
「カスピ海の法的地位に関する協定」で合意された内容はこうだ。
- 各国沿岸から15海里(約28km)を領海とし、25海里を排他的漁業水域とする
- 沿岸国以外の軍がカスピ海に入るのを認めない
- 領海外の地下資源の分配については継続協議とする
協定では「海」なのか「湖」であるかは、はっきりとした言及はされていないが、「沿岸線の長さで領海や排他的漁業水域が決まる」といった協定内容から、「領有権」については事実上「海」として定義されている。
世界最大の「湖」として有名な「カスピ海」。「湖」か「海」かは、さまざまな解釈があるが、もしかしたら、今後は「海」とするのが常識になるのかもしれない。
【追加雑学】カスピ海ヨーグルトの作り方
カスピ海は良く知らないけど、「カスピ海ヨーグルト」ならテレビやネットで見たことがある。といった方は多いのではないだろうか。
話題のカスピ海ヨーグルトは、普通のヨーグルトに比べて酸味が少なく、独特な粘り気があるのが特徴だ。また、カスピ海ヨーグルトに含まれる「クレモリス菌」と呼ばれる乳酸菌はとても身体に良いので、ご家庭で作っている人も多い。
具体的な作り方を説明してくれる動画を見つけたので紹介しよう。
その栄養素の高さから注目されているカスピ海ヨーグルト。動画のとおり、ヨーグルトメーカーと種菌さえあれば簡単にできるので、興味のある方はチャレンジしてみてはいかがだろうか。
雑学まとめ
今回の雑学記事では、世界最大の湖「カスピ海」の紹介と、カスピ海をめぐる周辺各国の国際問題を解説した。また、追加雑学では、話題のカスピ海ヨーグルトの作り方について、簡単な作り方の動画をご紹介した。
カスピ海は、波も大きいし、沿岸部では砂浜も広がっていて、どちらかというと「海」に近いイメージである。
われわれの想像するおだやかな印象の「湖」のイメージとは少し違ったが、そのデタラメな大きさゆえに、なにかと話題の尽きないカスピ海に今後も注目だ。
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