毎年ゴールデンウィークが近づくと公開される、子供向けアニメ映画の定番の1つ「クレヨンしんちゃん」。笑いあり、時には涙ありで、大人も子供も楽しめるシリーズだ。
この映画シリーズは、2019年時点で27作品にもなる。アニメ映画シリーズとしては、長寿の部類に入るだろう。しかし、こんな人気シリーズの「クレヨンしんちゃん」も、一時期は映画公開が終了するかもしれない状況があったのだ。
その危機的状況は、2000年のことだった。そんな人気アニメシリーズにまつわる雑学を紹介しよう。
【サブカル雑学】クレヨンしんちゃんの映画は「嵐を呼ぶジャングル」で最後だったかもしれなかった
【雑学解説】下がる成績から「これで最後」と思われていたクレヨンしんちゃんの映画
今では子供からの人気を集めている「クレヨンしんちゃん」の映画シリーズ。しかし、2000年にその映画シリーズが続くかどうかが危ぶまれていた。
2000年公開の「嵐を呼ぶジャングル」以前の映画の成績を表にしたので、まずはそちらを確認してみよう。
作品名 | 観客動員数 | 興行収入 |
アクション仮面vsハイグレ魔王 | 197万人 | 22.2億円 |
ブリブリ王国の秘宝 | 186万人 | 20.6億円 |
雲黒斎(うんこくさい)の野望 | 128万人 | 14.2億円 |
ヘンダーランドの大冒険 | 109万人 | 12億円 |
暗黒タマタマ大追跡 | 102万人 | 11.3億円 |
電撃! ブタのヒヅメ大作戦 | 94万人 | 10.6億円 |
爆発! 温泉わくわく大決戦 | 83万人 | 9.4億円 |
最初の「アクション仮面vsハイグレ魔王」から、徐々に観客動員数や興行収入が下がり続けていることが分かるだろうか?
「爆発! 温泉わくわく大決戦」でついに10億円を切ってしまい、「これで終わりだな」と思っていたところに、また次の映画が作れることになった。
もしかしたら本当に最後かもしれないので、とにかく主人公である野原しんのすけを主役にするように作られた。演出も「これで映画は最終回」と言えるような演出をしていたと、当時の監督だった原恵一氏は語っている。
どういうところが「これで映画は最終回」と言えるような演出だったのかは明言されていない。しかし、妹のひまわりが初めて言葉を発する場面や、ラストバトルの場面が「これで最後」と思わせるような演出だったのではないかと私は思う。
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【追加雑学】「嵐を呼ぶジャングル」以降「嵐を呼ぶ○○」という映画名が増えた
さて、「嵐を呼ぶジャングル」はこのように「クレヨンしんちゃん映画シリーズ最後」と思えるような作品だったのだが、その成績はどうだったのだろうか?
結果は、観客動員数94万人、興行収入10.7億円!
前作の成績から上向きにすることができたのだ! このことがきっかけとなり、しばらく「クレヨンしんちゃん」の映画シリーズのタイトルに「嵐を呼ぶ」というフレーズが付けられることとなった。
興行成績を回復させた「嵐を呼ぶジャングル」にあやかっているのだろう。
そのおかげなのか、作り手が良い作品を作ったからなのか…。その後の「クレヨンしんちゃん」の興行成績は上がったり下がったりを繰り返しつつも、安定的な成績を収めることができた。
ちなみに、「嵐を呼ぶ」のフレーズが使われた映画タイトルは以下の通り。
- 嵐を呼ぶモーレツ! 大人帝国の逆襲(2001年)
- 嵐を呼ぶアッパレ! 戦国大合戦(2002年)
- 嵐を呼ぶ栄光のヤキニクロード(2003年)
- 嵐を呼ぶ! 夕陽のカスカベボーイズ(2004年)
- 嵐を呼ぶ歌うケツだけ爆弾(2007年)
- ちょー嵐を呼ぶ金矛(きんぽこ)の勇者(2008年)
- 超時空! 嵐を呼ぶオラの花嫁(2010年)
- 嵐を呼ぶ黄金のスパイ大作戦(2011年)
- 嵐を呼ぶ! オラと宇宙のプリンセス(2012年)
なんと全部で9作品もある。それほど「嵐を呼ぶ」は「クレヨンしんちゃん」にとって力のあるフレーズだったのだろう。
2012年以降は、安定的な興行成績が望めるようになったのか、「嵐を呼ぶ」フレーズがタイトルに使われることがなくなっている。わざわざ「嵐を呼ぶ」という言葉を使わずとも、嵐を呼ぶ話題作を作れるようになったのかなと私は思っている。
雑学まとめ
私自身、幼いころから「クレヨンしんちゃん」の映画を見続けていたので、今回紹介した雑学を知った時は驚いた。「クレヨンしんちゃん」の映画シリーズが、2000年で終わっていたかもしれないというのは、今ではとても想像できないことだ。
「嵐を呼ぶジャングル」の興行成績が伸びなかったら、本当に「クレヨンしんちゃん」の映画シリーズは終わっていたかもしれない。
そう思うと、まさに「クレヨンしんちゃん」の映画シリーズの運命を分けた作品だったのだろう。
映画が続いてきてよかった。2019年公開映画の特別映像を見ていると、この数分間だけでもグッとくる。
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