皆さんは「ドリアン」にはどんなイメージを持っているだろうか。おそらく、ほとんどの人が「くさい」と答えるだろう。実際にドリアンの臭いを嗅いだことがない人でもドリアンがくさいことは知っている。
しかも、その臭いは常軌を逸したほどの激臭であるらしい。具体的に形容すると「生ごみの臭い」だと言われている。これは一体どういうことだろう。ドリアンは食べ物であるのに生ごみの臭いを発している食べ物なんて、誰も好き好んで食べないではないか。
しかし、ドリアンは「フルーツの王様」とも呼ばれている。フルーツならフルーツらしく甘いフルーティーな香りを出してほしいのだが…。今回は、そんな謎の食べ物ドリアンの臭いについての雑学を紹介する。
【食べ物雑学】ドリアンが臭い理由とは?
【雑学解説】ドリアンの臭いの原因物質は成熟過程で作られる
ドリアンの臭いの原因については長い間研究が続けられてきた。そして2017年秋、ついにシンガポールの化学者グループが、ドリアンの臭いのメカニズムを解明した。
この研究によると、ドリアンは成熟過程で揮発性の硫黄化合物が発生し、この物質がドリアンの強烈な臭いの原因となっているらしい。
遺伝子研究では、揮発性化合物に対応する遺伝子のグループを特定した。これらの遺伝子は果実が成熟するにつれて活発化していくとのことである。
この揮発性硫黄化合物だが腐った卵のような臭いを醸し出すらしい。腐った卵の臭いで連想するのは「人間のおなら」である。
つまり、ドリアンは人間のおならに近い臭いがするということである。おならの臭いがするものを口にするとは何とも想像したくないものである。
話を戻すとドリアンは成熟過程で臭くなるので、まだ熟していないドリアンは臭くないということになる。できれば、その未発達のドリアンを食べてみたいと思うのは私だけだろうか。
しかし、この研究内容をさらに見ていくとドリアンのゲノム(遺伝子)情報が解明されたおかげで、今後はドリアンの品種改良が可能となる期待も出てきたらしい。そうすれば臭いの少ないドリアンが開発され、誰でもドリアンを食べることができる未来に到来するかもしれない。
臭いに敏感な私のような者にとっては、早く臭いの少ないドリアンを実現してほしい。
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ドリアンはなぜ臭くなった?
ドリアンが強烈な臭いを発することや、その原因は成熟過程で発生する揮発性硫黄化合物であることはご紹介した。
しかし、そもそもなぜドリアンは臭くなる必要があったのだろうか。
ドリアンは食べてみると、甘みが強くねっとりした果実が特徴のとても美味しいフルーツなのだ。そんな美味しさがあるのだからこんな激臭を発してしまっては敬遠されてしまう。
もしかしてドリアンは「へへーん、私を食べてみたければこの臭いを我慢しなさい! 我慢出来なきゃ私を食べる資格はないわ!」とお高くとまった高飛車な奴なのだろうか。
と思い、ドリアンが強烈な臭いを発する理由を調べてみたところ、私の考えとは全く逆の事実が判明した。ドリアンはこの強烈な臭いを発することで動物をおびき寄せているらしいのだ。
そしてドリアンを食べた動物によって、種が広範囲に運ばれる。こうしてドリアンは種の存続をはかっているのだ。
確かに生ごみを漁るカラスや猫、タヌキなどの動物は見かけたことがある。人間では敬遠してしまう臭いだが動物には美味しそうな臭いに感じるのだろう。
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【追加雑学①】栄養満点!「フルーツの王様」ドリアン
ドリアンは「フルーツの王様」と呼ばれることもある。栄養価が高くビタミンC・リン・マグネシウムなどが多く含まれ、ビタミンやミネラルの摂取にも適しているからだ。
また王様と呼ばれる大きな理由のひとつは味が優れているからである。熱帯地方の植物特有の濃厚な果実は、舌でとろけるような芳醇な甘さを感じさせる。あまりにも美味しいので高価であるにも関わらず、一度食べるとやみつきになってしまう人も多いのだそう。
その魅力に虜となり借金をしてまでドリアンを買う人まで出る始末。このため、「悪魔のフルーツ」という異名まである。
ドリアンは悪魔の果物と囁かれるほどとんでもない
「悪魔のフルーツ」と呼ばれる理由は、味だけでなくその見た目も関係している。ドリアンの表面は固く鋭いトゲトゲで覆われているのである。このトゲトゲ、うかつに素手で触るとケガしてしまう。まさに王様の貫禄といったところだろうか。
さらに恐ろしい話をひとつ紹介する。ドリアンが実っている東南アジアでは、たまにドリアンが頭に落ちてきて人が死亡したというニュースが出る。文字通り、人を死に至らしめる果物である。
借金を誘発し人を直接的に死亡させる。これだけでもドリアンのとんでもなさは伝わったと思うが、さらにドリアンが悪魔と称される理由が他にもある。
【追加雑学②】ドリアンを食べる時、酒を一緒に飲むと死ぬ…?
数々の信じられないような逸話があるドリアンであるが、最も信じられないような噂のひとつに「ドリアンとビールを一緒に飲むと死ぬ」という説がある。
天ぷらとスイカが食べ合わせが悪いとは聞いたことはあるがドリアンとビールは初耳である。ドリアン自体がそうそう食べるものではないので、そうした機会に遭遇するケースは滅多にないが…。
調べてみたところ、ドリアンに含まれている成分と胃酸とアルコールが反応し異常発酵して、なんと胃が破裂してしまうらしい。本当だったらとても恐ろしい話である。今すぐ世界的な公的機関によって、ドリアンとビールを一緒に飲むことを禁止すべきではないのか?
この話は本当なのか自分で検証する勇気はないが、実際に一緒に摂取したことがあるタイ人の話によると直接の死亡の原因にはならないようだ。ただ体が火照ったり、胸やけしたりと体調不良が生じることはあるそうなので、一緒に食べない方がいいのは確実である。
上の動画は実際に検証した人の動画だが、まずは死なずに済んで良かったと一安心である! そもそもドリアン1個食べるのがきつそうだ…。
この動画のように、ドリアンとビールの量が少なければちょっと胃がもたれるくらいで済むことがお分かりかと思う。しかし、量が増えるとこれはマジで危ないだろう…。
ドリアンの雑学まとめ
今回の雑学で、ドリアンの臭いの原因は成熟して発生する物質であることが分かった。つまり成熟していないドリアンを食せばあの強烈な臭いを食らわずに済むことになる。
しかしその場合、熟していないのであまり美味しくないだろう。難しいところである。
さて、ドリアンは臭い以外にも、紹介したように「果物の王様」や「悪魔の果物」と呼ばれるなど特徴だらけで話題に事欠かないフルーツである。
非常に興味深いフルーツなので、良かったら皆さんも食べてみてはどうか。その場合、ビールと一緒に食べてはいけないことはお忘れなく!