あなたは缶詰がお好きだろうか? 最近の缶詰は「プルトップ式缶」が主流となっているが、かつて缶詰を開ける時には缶切りが必須アイテムであった。
ところがこの缶切りは、缶詰が開発されてから約50年後にやっと誕生したらしい…! これは一体どういうことなのだろうか。今回は、缶詰と缶切りの雑学を紹介していくぞ。
【生活雑学】缶切りが発明されたのは缶詰誕生から50年後
【雑学解説】缶詰が販売されたものの、缶切りがなかった…
今では当たり前のように食されている缶詰。手軽に食べられるだけでなく、長期間保存できるところも魅力的だ。保存食として自宅にストックしている人も多いだろう。
そんな便利な缶詰が誕生したのは今から200年以上も前、1810年のことである。イギリスのピーター・デュラント氏が、軍用の保存食として食材を缶に入れることを思いついた。
当時、缶詰は画期的な食べ物だったに違いない。ただし、殺菌方法に問題があり、缶詰が破裂する事故もあったらしい。はっきりいって怖くて買いたくない…。
缶詰の誕生から3年後、1813年に世界初の缶詰工場が建設される。しかし、この時点でもまだ缶切りは存在していなかった。当時の缶詰には「斧とハンマーで開けろ」という記述があったそう。無茶苦茶すぎる!
1833年なると、缶詰のフタの周りをはんだ付けで溶かす開け方が考案された! いままでよりはマシかもしれないが、いちいちはんだ付けして缶詰を開けるのも面倒である。
缶切りが誕生したのは1858年のことだ。アメリカ人のエズラ・J・ワーナーが、引き回して開けるタイプの缶切りを発明した。なんと缶詰の誕生から48年もの月日が経っていた…。
約50年ものあいだ、人々は缶詰を開けるのにめちゃくちゃ苦労してきた。もっと早くどうにかならなかったのか… という感想しか出てこない。
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【追加雑学①】缶切りなしでどうやって缶詰を開けていた?
缶切りがないのなら、人々はどうやって缶詰を開けていたのだろうか。先ほども少し触れたが、開発当初の缶詰は斧やハンマーで開けるように書いてあったらしい。
その指示通り、斧・ハンマー・のみなどで叩き開けていた人が多いと予想される。その他にも、ナイフなどで無理やりこじ開ける人もいた。
それどころか、戦場では拳銃で撃って缶詰を開けていたという! 何ともワイルドである。このように強引に開けていたため、中身が飛び散らないように入れるものは固形物に限定されていたらしいぞ。
【追加雑学②】缶切りなしで缶詰を開ける方法とは?【動画】
現在、ほとんどの缶詰がプルトップ式缶となっている。ただ、輸入ものなど一部の缶詰には缶切りが必要となる。では、アウトドアや災害時など缶切りがないときはどうすればよいのだろうか…?
実は、缶切り不要で缶詰を開けられる方法が存在する。それは、アスファルトやコンクリートにこすり付けるだけという簡単な方法だ! 円を描くようにガリガリとこすり付けていく。
こちらは、具体的なやり方を解説した動画だ。
それなりに根気のいる作業だが、缶切りなしで缶詰を開けられるなんて驚きである。いざというときのために覚えておいて損はなさそうだ。
缶詰と缶切りの雑学まとめ
今回は、缶詰と缶切りの雑学を紹介してきた。
缶詰が誕生してから缶切りが開発されるまでに、約50年かかったなんてなんともマヌケな話である。缶切りの構造はそれほど複雑ではないし、もう少し早く誰かが思いつきそうな気もするが…。
過去の人たちが試行錯誤してくれたおかげで、現在の便利で安全な缶詰が存在する。今度、缶詰を開けるときは少しだけこの話を思い出してほしい。