朝ごはんをきちんと食べる人にとって、卵は定番食材だ。卵焼きにオムレツ・スクランブルエッグ・ゆで卵。卵かけご飯も忘れてはならない。調理法の手軽さとバラエティの多さが、忙しい朝には大活躍である。
しかし、一人暮らしの人や家族のために買いすぎて、いつの間にか消費期限が過ぎた卵が大量に…。それを泣く泣く処分するということもあるのではないだろうか。それならば、いっそのことゆで卵にして保存しておけばいい、と思ったアナタ。
甘い! 意外かもしれないが、実はゆで卵は逆に日持ちが悪くなる。普通は生の食材を加熱すれば長持ちするはずなのになぜ? 今回はそんな身近な食材、卵の保存についての雑学をご紹介するぞ。
【食べ物雑学】生卵とゆで卵はどちらが日持ちする?
【雑学解説】卵は加熱するより生で保存したほうが長持ちする
一般的な感覚からすると、生のものは傷みやすく、加熱することで日持ちするというのが普通であろう。が、しかし! 卵に関しては違うのだ。
卵の殻の内側に菌が侵入してきたときに備えて、生卵の中にはリゾチームという殺菌作用がある成分が含まれている。
しかし、この成分は熱に弱いため、ゆで卵にすると殺菌作用の機能を失うのだ。そのため、ゆで卵は生卵よりも菌が繁殖しやすく、腐りやすいというわけである。
卵の保存期間は?
一般的に卵は10℃以下の冷暗所で保存。冬場なら常温でも2か月、夏場だと冷蔵庫で約2週間保存可能である。しかし、ゆで卵にすると、冷蔵保存でも3日以内には食べたほうがいい。
しかもこれは殻付きの場合で、殻をむいたものやひびの入ったものはその日のうちに食べるのが無難だ。
卵が安売りしてたからといって、全部ゆで卵にして保存するのは危険だぞ!
ちなみに、ニワトリは、卵を産むところと尿や糞が排泄されるところが同じである。よって当然卵に雑菌が付着する可能性がある。それで、産まれたての卵の殻には粘液が付いていて、雑菌から保護しているのだ。
販売されているものは洗浄されているため、汚れも粘液もきれいに落ちている。
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【追加雑学①】生卵の保存方法のポイント
ここで、生卵の保存方法のポイントについてご紹介しよう。通常、冷蔵庫には、ドアポケットに卵置き場が用意されている。が、しかし! 安易に家電メーカーの小さな親切に乗っかってはならない。
卵はパックのまま冷蔵庫の奥で保存するのがベストだ。ドアポケットは、扉の開け閉めによる振動で卵が割れやすく、また外気により温度が一定に保たれないので、卵の保管には向かない。
また、パックから出すと卵の殻に付着した菌が他の食材に付く可能性もあるので、パックのまま保存する方がいい。
では卵は洗った方が良いのか? 基本的には洗わない方が良い。卵の表面には気孔という小さな穴が開いているので、菌が洗った水とともに侵入してしまうからだ。そもそも市販されている卵のほとんどはすでに工場で洗浄されている。
ただ無洗卵という、あえて洗わずに売っている卵がある。卵の表面にあるクチクラ層(菌から保護する粘液)を残すためである。無洗卵の場合、汚れが気になるようであれば使う直前に洗ってもいいようだ。
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【追加雑学②】ゆで卵の保存方法のポイント
前述のとおり、ゆで卵は生卵より日持ちしない。殻付きのまま冷蔵庫で保存するのが基本だ。それでも3日以内には食べたほうがいい。
殻を剥いたものやひびが入ったものは傷みやすいので、その日のうちに食べるのが無難だ。また半熟卵も傷みやすく保存に向かないので、早めに消費すること。
ゆで卵を保存するには、殻を剥いて醤油やだしつゆに漬け込んで味玉子にするという手もある。その場合でも、冷蔵保存で4〜5日以内には食べたほうがいいだろう。こちらの動画が手軽にできる味玉子のレシピだ。
長く保存するために冷凍はどうか? という意見もあるかもしれない。しかし、ゆで卵は冷凍保存すると味が落ち、食感もスカスカになって美味しくなくなってしまう。
そこで、ゆで卵を刻んでマヨネーズと和えてフィリングにしたものを冷凍するという方法がある。それなら1か月ほど保存ができるそうだ。
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「生卵とゆで卵」の雑学まとめ
今回は身近過ぎて意外と知らない、卵の保存期間と方法についての雑学をご紹介した。
加熱すれば日持ちすると思いきや、ゆで卵の方が生卵より腐りやすいとは…。思い込みでゆで卵を大量に作って保存していたのなら、悪いことはいわない、今すぐやめよう。
保存方法のポイントをいろいろ挙げたが、結局のところ、卵は早めに消費するに越したことはない。無駄にしないよう、卵料理のレパートリーを増やそう!
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