人間の身体の仕組みについては、まだまだ解明されていないことがたくさんある。人体の中でも特に複雑で謎に包まれている器官は脳である。千数百億もの細胞によって作られた脳は、驚異の小宇宙と呼ばれるほどだ。
そんな脳の仕組みについて、最近の研究でわかってきたこともたくさんある。そのひとつが「アハ体験」だ。ア、アハ?! 神秘的な脳の話をしていたのに、急にガクっとなるような、ふざけた名前である。
「アハ体験」といっても、「急いでたら靴下を左右違うの履いちゃった、アハ」というただのうっかり話ではない。ではいったいどんな体験のことなのだろう。
今回はそんな脳科学に関する「アハ体験」にまつわる雑学をご紹介するぞ。
【人体雑学】一瞬のひらめきのことを「アハ体験」という
【雑学解説】「アハ体験」とは、何かひらめいて「アハ!」となる瞬間のこと
「アハ体験」とは、その名の通り「アハ!」となる瞬間のことである。といっても笑い声を表わしているわけではない。英語の表現で「A-ha!」とは「あー、なるほど!」という意味合いがある。
つまり、それまでわからなかったある事柄について急にひらめいて腑に落ちたときのすっきりした瞬間のことをいうのだ。でもそんな体験は誰にでもあるし、なぜそのことが注目されるようになったのか。
「A-ha Experience」つまり「アハ体験」はドイツの心理学者カール・ビュラーが提唱した概念だ。日本では脳科学者の茂木健一郎氏がテレビなどで紹介し広まった。
科学者たちによると、未知のことについて認識できた瞬間、わずか0.1秒のあいだに脳の中の神経細胞がいっせいに活性化するのだそう。そしてその瞬間に脳に快感を与え、歓びの感情が沸き起こる。
さらに、この「アハ体験」の効果は一瞬のことだけではない。その瞬間、今までなかった脳の回路が新たにつながるという。それまでバラバラだったいろんな知識が結びついて新たな思考パターンが生まれるのだ。
そして思考パターンが変わることで、物事に対する見方や気持ちも新たになり、結果的に行動パターンも変化する。つまり創造性が発達して、様々な状況に対応していけるようになるのだ。
それで、この「アハ体験」を繰り返すことでどんどん賢くなれるといわれている。では「アハ体験」を作り出すにはどうしたらいいのだろう。その方法を知ってぜひ凝り固まった頭を柔らかくしたいものである。
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【追加雑学】「アハ体験」をするにはどうしたらいい?
では実際「アハ体験」を経験するにはどうしたらいいのか。厳密にいうと、「アハ体験」はあるとき突然起こるもので、コントロールできるものではない。しかし「アハ体験」しやすくなるよう、日頃から脳トレしておくことができる。
最近では脳トレ用のゲームや動画などもあったりするが、本当の「アハ体験」を経験するためには、思考力を鍛える必要がある。簡単にいうと、未知なことについて考えることである。
たとえばこんな研究がされた。あるひとつの日用品を思い浮かべ、その本来の使用目的ではない別の使い方について考える。そうすると、脳がいっきに活性化したという結果が見られたのだ。
「アハ体験」をするためには日頃から考える癖をつける必要があるようだ。今まで当たり前と思っていたことにも意識的に疑問をもつようにするのである。とはいってもなかなか難しいと感じる人が多いだろう。
まずは脳トレ動画で頭を柔軟にしていこう。
雑学まとめ
今回は脳科学の新たな常識「アハ体験」に関する雑学をご紹介した。「アハ体験」の「アハ」はうっかりミスに対する照れ笑いのことではなかった。今度から何かひらめいたときは、欧米人風に「A~ha!!」とリアクションしてみよう。
ひらめくことが楽しく感じて、どんどん脳が活性化されるかもしれないぞ!
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