梅雨時にピンクや青の小さな花が雨続きのどんよりとした空気をやんわりと彩ってくれる。そんな紫陽花に癒される人も多いはずだ。
しかし、そんな癒し系の紫陽花には人や動物が食べてはいけない有害な毒が含まれていたのだ!
今回は、紫陽花を食べてしまった人や動物がどうなってしまうのか紹介しよう。
【自然雑学】紫陽花(アジサイ)には毒がある
【雑学解説】紫陽花(アジサイ)を食べるとどうなっちゃうの?
紫陽花には、一体どのような毒が含まれているのだろうか。
紫陽花の葉・つぼみ・根っこには、「青酸配糖体」という植物由来の毒や「嘔吐性アルカロイド」「抗マラリア成分」というものが含まれている。
「青酸配糖体」という成分は、胃の中などにある消化酵素と化学反応を起こして「シアン」という青酸性の毒が作られる。
毒成分により、吐き気・嘔吐・けいれん・めまい・顔が赤くなる・ふらつき・呼吸困難・昏睡などの症状を引き起こすとされている。
ただ、全ての紫陽花にこういった毒が含まれているというわけではないようだ。中国四川省産の紫陽花からは毒が出てきたが、京都で育った紫陽花からはこれらの毒が出てこなかったという検査結果もある。
紫陽花の毒については、品種によって毒が含まれるものがあるのか、育った土に含まれる成分を吸収して毒が作られているのか、突然変異的なものなのか、はっきりとは分かっていない部分も多いようだ。
いずれにせよ、食べなければ食中毒を起こしたりすることはない。
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紫陽花(アジサイ)で食中毒を起こした事例
紫陽花を食べることはあまりないとは思うが、ごくまれに紫陽花を食べて食中毒を起こしたという事例があがっている。
近年ニュースになったのは、2008年に茨城県の飲食店で出された料理に飾りとして添えられていた紫陽花の葉。それを食用と勘違いして食べてしまった10数人が嘔吐や吐き気などの症状を起こした。
また、大阪でも居酒屋でダシ巻き卵の下に敷かれていた紫陽花の葉を食べて同じような症状を起こしている。
いずれも2~3日で回復している命に別状はなかったそうだ。
こんなに鮮やかな花が料理のお皿にのせられていたら、よく映える。たしかに食べちゃいそうだけど、気をつけよう…!
【追加雑学】紫陽花(アジサイ)は犬や猫にも危険な植物!
ペットの犬や猫が紫陽花を食べてしまうと、人間と同じように食中毒を起こしてしまう。
もし紫陽花を食べてしまうと、ふらつき・過呼吸・嘔吐・けいれん・麻痺などの症状が現れ、最悪死に至ることもある。
大切なペットが間違って紫陽花を食べないよう、届かない所に置いたり散歩中に食べたりしないよう注意してあげて欲しい。それでも、もし食べてしまった時には、症状が出ていなくてもすぐに動物病院に連れていくことがベストの対処方法である。
雑学まとめ
紫陽花に毒が含まれていたなんて驚きの事実だ。日本人は季節の山菜を食べる文化があるので、料理に添えられていたら食べてしまうのも分からなくはない。
自分の身は自分で守らなければならないので、見慣れないものがお皿の上に乗っていたら、お店の人に確認するまで口にしない方が良いだろう。
しかし、紫陽花は食べなければなんの害もない植物なので、梅雨時にはぜひきれいな花で癒されよう。