現在私たちが知っているオリンピックは、「近代オリンピック」に分類されている。近代オリンピックが始まるずっと昔、「古代オリンピック」というのがあった。
古代オリンピックは紀元前のころからギリシャで行われていたのだが、あることがきっかけで無くなってしまったのだ。
一体何が起こったのか? 今回は、そんな古代オリンピックにまつわる雑学を紹介しよう。
【オリンピック雑学】古代五輪が終わったのは、キリスト教がきっかけ
【雑学解説】オリンピックはギリシャの神様のための祭典だった
なぜキリスト教によって古代オリンピックが終わってしまったのかというと、古代オリンピックが何のための祭典だったのかが関係している。
現在ではオリンピックといえば、世界各国の運動会のようなイメージがある。しかし、古代ギリシャで行われていた古代オリンピックは違い、ギリシャの神々のための宗教行事だったのだ。
古代ギリシャ人は、古代オリンピックでスポーツや芸術を通して、ギリシャ神話の神々をあがめていた。日本でも、神事として相撲や芸能が奉納されることとあるが、それと似ている。
古代ギリシャはやがてローマ帝国に吸収されることとなるのだが、それでもしばらくは古代オリンピックを続けることができていた。しかし、ローマ帝国がキリスト教を国教としたことで、古代オリンピックは終わってしまったのだ。
キリスト教は一神教(いっしんきょう)だ。つまり、「神様は1人だけ!」という価値観である。対するギリシャは多神教(たしんきょう)。ゼウスやヘラなど、様々な神様が信じられていた。
ローマ帝国がキリスト教を国教にしたことで、多神教の価値観は禁止されてしまった。それにともない、ギリシャの神々のための祭典だった古代オリンピックも終わってしまったというわけだ。
価値観が1つ変わるだけで、1169年間も続いた古代オリンピックが終わってしまった。なんともあっけない終わり方ではないだろうか。
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【追加雑学】近代にオリンピックが復活した理由とは?
393年に最後の古代オリンピックが行われて、そこからオリンピックは歴史から姿を消していた。しかし、そこから1500年ほどの月日が流れたある日、オリンピックは復活することとなる!
オリンピックを復活させたのは、ピエール・ド・クーベルタンというフランスの教育者。クーベルタンは歴史書に書かれていた古代オリンピックに感銘を受けて、近代にオリンピックを復活させようと立ち上がったのだ。
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「ルネッサンス・オリンピック」という演説で賛同者が集まり、国際オリンピック委員会が設立される。そして、アテネで第1回オリンピックが開催されたのだ。
ちなみに、オリンピックのシンボルでおなじみの五輪マークはクーベルタンが作ったものである。
もしもクーベルタンが、古代オリンピックに感銘を受けずに、ギリシャの歴史の一部として扱っていたら…。今のオリンピックは無かったのかもしれない。
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雑学まとめ
今回は、古代オリンピックが終わってしまった理由についての雑学をご紹介した。
古代ギリシャで行われていた古代オリンピックは、現代のスポーツの祭典というよりは、ギリシャの神々への祭典だった。
しかし、ギリシャを支配したローマ帝国がキリスト教を国教にしたことにより、価値観の違うギリシャの多神教的な考えは禁止されてしまった。それにともない、ギリシャの神々のための行事だった古代オリンピックも終わってしまったのだ。
それから1500年後に、クーベルタンが「オリンピックを復活させよう!」と呼びかけるまで、オリンピックは古代ギリシャの行事の1つにすぎなかった。1人の男の呼びかけによって、オリンピックは現在にも親しまれている大きな行事となっている。
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