中華料理のデザートとして知られる杏仁豆腐。あの独特な香り、最初はちょっと苦手でも、だんだんクセになっていくんだよな…。
そんなクセになる杏仁豆腐の原料の杏仁だが、実はデザートとしてだけではなく、薬としての効果もあったのだ。至福のひとときを感じながら食べているのに、体の不調も改善してくれるとは、まさに一石二鳥ではないか。
おっと! 咳込んでいるそこの君! この雑学を読んだら杏仁豆腐が食べたくなること間違いなしだ!
【食べ物雑学】杏仁豆腐の「杏仁」は漢方薬としても使われている
【雑学解説】杏仁豆腐の原料「杏仁」の効能
杏仁豆腐の材料となる杏仁。杏仁とは杏の種の核の部分で、アーモンドのように薄い茶色の皮で覆われている。また、薬品のような独特な香りも特徴だ。
杏仁は生薬として漢方薬などにも使われ、主に喉の不調や咳に効くという。麻杏甘石湯(まきょうかんせきとう)という漢方薬に含まれており、喉を潤すことで激しい咳や喘息の苦しさを和らげてくれるらしい。
喉に違和感を感じたときには、食後のデザートを杏仁豆腐に変えてみるのもいいかもしれない。
【追加雑学①】杏仁には2種類ある
杏仁には、北杏(苦杏仁)と南杏(甘杏仁)の2種類がある。このうち、杏仁豆腐などのように食品として使用できるのは南杏だけだ。
厚生労働省の食薬区分によると、苦みの強い北杏は、シアン化合物のアミグダリンが含まれているため厳しく管理され、薬の原料に使用するときしか使えないそうだ。
ちなみにシアン化合物というのは、強い毒性を持っていて、大量に摂取すると頭痛やめまい・嘔吐などの中毒症状を引き起こす。そのため、シアン化合物の含有量が多い北杏は医薬品として使うことになっているのだ。
一方、南杏の方にも、実はシアン化合物が含まれてはいるものの、その量は体への影響がないレベルなので食用として使われる。それでも、製造・調理後にその濃度が10ppm以下にならなければいけないという決まりがある。
シアン化合物といわれるとちょっと怖いが、とりあえず一般的に市場に出回っているような、南杏を使った杏仁豆腐は大丈夫なようだ。
杏仁のにおいは青酸カリ!?
青酸カリと聞くと事件などに使われる毒薬をイメージするが、青酸カリはアーモンドと香りがよく似ている。そして、実は杏もアーモンドと同じバラ科サクラ属の植物なので、アーモンドと同じような香りをしているのだ。
そもそも青酸カリというのはシアン化合物だった…。これだけ見ると怖いな…。
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【追加雑学②】市販の杏仁豆腐には「もどき」も多い
本物の杏仁豆腐には、南杏に甘みのある成分を調合した杏仁霜(あんにんそう)を使っている。しかし杏仁霜は少々値が張るため、アーモンドプードルやアーモンドエッセンスなどを代用して香り付けをしている場合も多い。
さらに、大量生産して安く売っているようなものは、アーモンドプードルやエッセンスすら使わず、人工的な香料を使用していることもあるらしい。いや、もうそれ、ただのミルクプリンだから。
「ちょっと喉の調子が悪いから、デザートは杏仁豆腐にしよう」という日は、購入する前に必ず杏仁霜が入っているか確認するのをお忘れなく。
本物の杏仁豆腐を爆食い!【動画】
杏仁豆腐は中華料理のデザートである。たくさん商品があるが、その中でもおいしいと評判のKALDIの杏仁豆腐。
そんなパンダのパッケージが可愛いKALDIの杏仁豆腐を、贅沢にも爆食する動画を見付けたぞ! プルプルした見た目がすでにおいしそうだ…。
途中で「ミルクプリンともいえそう」って言っちゃってるし。でもご安心を。原材料を確認してみたが、これは本物の杏仁豆腐だ。
いやしかし美味そうだな…。
杏仁豆腐の雑学まとめ
今回は、杏仁豆腐についての雑学を紹介してきた。デザートの材料くらいしか思い浮かばなかった杏仁だが、薬としての効果もあったとは正直驚きである。おいしいだけじゃなく、体にもいいデザートだ。
口当たりも良く、喉の不調があるときでも食べやすい杏仁豆腐。自分で好きなだけ作るも良し、コンビニで気軽に買って食べるも良し。どちらにしても、杏仁霜は忘れずに。