「いまさら嘆いても、あとの祭りだよ」というように、「後悔しても手遅れなこと」を表す言葉「あとの祭り」。お祭りといえば、華やかで明るいイメージなのに、どうしてマイナスのイメージの言葉となっているのだろうか?
実は、「あとの祭り」というのは、実際にある有名なお祭りが由来だったとされている。「あとの祭り」についての雑学を知れば、どうして今のような意味になったのかしっくりくるかもしれない。
【生活雑学】「あとの祭り」は祇園祭が由来だった?
【雑学解説】祇園祭の「後の祭り」が由来説
祇園祭といえば、京都の八坂神社のお祭りで、豪華絢爛な山鉾(やまぼこ)が見ものとなっている。京都三大祭り・日本三大祭り・日本三大曳山(ひきやま)祭りの1つに入るほどの大きなお祭りなので、1度は聞いたことがあるという人は多いだろう。
この祇園祭は、「前祭(さきまつり)」と「後祭(あとまつり)」の2つの期間に分かれている。
多くの人が押し寄せてくるのが、「前祭」。露店も多く、一部の道路が歩行者天国にもなっている。前祭では山鉾が23基も立ち並び、中には山鉾の中に乗れるものもある。
「後祭」では、山鉾の数や露店の数が少なくなり、観光客の数も減っているのが特徴だ。そのため、前祭に比べると賑わいも少なくなるので「あとの祭り」という言葉ができたのではないかという説がある。
ちなみに、実際の祇園祭の後祭は見る価値がないのかと聞かれると、そうでもない。数は少なくなるものの、後祭でも前祭と同じくお囃子や山鉾の巡行を見ることができる。
人の多い前祭と比べて人が少なくなるため、後祭のほうが比較的ゆっくりと祇園祭の雰囲気を楽しむことができるので、人によっては後祭のほうがオススメだ。
こちらは祇園祭の後祭の山鉾巡行の様子だ。
ちなみに、後祭説の他にも、派生として「祭りが終わった後の山鉾は役に立たないから」という説や、「祭りの終わった翌日に見に行ってもしかたがないことから」という説もある。
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【追加雑学】葬式が由来という説も
「あとの祭り」の由来として最も有力なのが、先ほども解説した「祇園祭由来説」だ。しかし、このほかにも「あとの祭り」の由来とされている説があるので、トリビアとして紹介しよう。
それが、「お葬式説」だ。
故人の霊を祭ることに「あとの祭り」という呼び方があるのだが、「祭りといえども亡くなった人に対して盛大な儀式を挙げてもしかたがない」ということからできたという説があるのだ。
雑学まとめ
「あとの祭り」の由来として、もっとも有力なものとされているのが、京都の祇園祭の「後祭」説だ。大勢の人が詰めかけて盛り上がる「前祭」に比べると、比較的落ち着いた雰囲気となるため、「あとの祭り」という言葉ができたのかもしれない。
とはいえ、本物の後祭は「あとの祭り」のように、行っても見どころがないから意味がないというものではない。今回の雑学を知った記念に、由来となった祇園祭の後祭を見に行ってみてはどうだろうか?
また、祇園祭説以外にも、お葬式で故人に盛大な儀式をしても意味がないという説もある。
どちらの説が正しいのかは謎に包まれているが、話題の1つとしてお葬式由来説も雑学として知っておいて損はないだろう。
ほかにも、由来の気になる言葉はこの国にはたくさんある。気になるものがあったら是非ほかの記事も見ていってもらいたい!
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