体の仕組み

なんでABO?血液型がABCではないのはなぜ?

雑学カンパニー編集部

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血液型が「ABO」で「ABC」ではない理由に関する雑学

人体を流れている血液には「型」がある。いわゆる「血液型」である。血液型は主にABO式とRH式を組み合わせて判別されている。ちなみに日本における血液型分布は、大まかにA型40%・B型20%・O型30%・AB型10%となっている。

ここで問題なのが「O型」である。誰もが「A型B型ときたらC型じゃないの?」と考えたことがあるのではないか。今回はなぜ「C型」でなく「O型」になったのかについての雑学をご紹介しよう!

【人体雑学】血液型が「ABO」で「ABC」ではないのはなぜか

ダヴィンチさん
ABOの「O(オー)」は、もとは「0(ゼロ)」だったんだ。
科学者くん
それで「C」ではないんですね。

【雑学解説】O型は抗原がない血液型である

O型は抗原がない血液型であるというトリビア

血液型の決定には、赤血球上にある「抗原」が大きく関わっている。赤血球上にA抗原があればA型、B抗原があればB型、A抗原B抗原どちらも持っていればAB型というわけである。

それではO型にはO抗原があるかというと、そうではない。O型の赤血球には抗原がないのである。つまり抗原が0(ゼロ)というわけだ。抗原が0だから0(ゼロ)型といわれていたものが、転じてO(オー)型になったというのが通説である。

ちなみにO型には抗原がないので、他の血液型に輸血しても凝固(ぎょうこ)が生じないという特徴があることをトリビアとしてつけ加えておく。

【追加雑学①】ブラジルには血液型が全員O型の部族がある

現在のブラジルでは、さまざまな国から移住してきた人々が暮らしている。しかし、かつてブラジルに住んでいたのは、ヨーロッパ人によって後にインディオと呼ばれることになる原住民であった。このインディオは血液型が全員O型だったというのだ。

インディオの祖先となった人たちは、アジアからベーリング海峡を渡ってブラジルにやってきた。そして、このときに移り住んできた人たちの多くはO型だったといわれている。

ここで注目したいのが「ボトルネック現象」だ。これは「集団の個体数が非常に少ない状態で繁殖を続けた場合、遺伝的多様性の低い集団ができる」という現象である。つまり「人数の少ない集団で繁殖がおこなわれると、遺伝的に似通った集団になる」ということだ。

ボトルネック現象をかつてのインディオにあてはめてみると、少人数でベーリング海峡を渡ってきた集団の多くがO型であったため、子孫たちにもO型が増えていったということになる。

そして、1500年頃の梅毒の流行も影響した。O型以外の血液型は梅毒への抵抗力が弱く、大きく減少していったのである。これらの要因が合わさって、インディオは全員血液型がO型という珍しい集団になったのだ。

科学者くん
O型、梅毒に強かったんですね。
ダヴィンチさん
うむ、興味深い話だね。

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【追加雑学②】昔の輸血はまるでギャンブルのようだった

昔の輸血はまるでギャンブルのようだったというトリビア

事故や手術で血液が不足したら輸血で補う。これは現代医学では当たり前のことである。しかし、これが当たり前になったのは比較的最近のことなのだ。

世界で初めて人間同士の輸血に成功したのは、イギリスの産科医・ブランデルである。これが1825年の出来事だ。しかし、その成功率は五分五分といったところだった。

それから75年後の1900年、ウィーンで研究をしていたラントシュタイナーがABO式血液型を提唱したのである。

つまり、初めての輸血が成功してから75年もの間、人々は血液型というものを知らなかったということだ。これは驚きの事実である。

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異なる血液型を輸血してはいけない、というのはみなさんなんとなくご存知だろうと思う。これは異なる血液型を混ぜると、血しょう中に含まれる「抗体」の働きによって血液が凝固してしまうためである。

まだそのようなことがわからなかった時代、輸血された血液が凝固するかしないかはやってみるまでわからなかったのだ。まるでギャンブルである。しかし、それが当時の医療の精一杯であったことは間違いない。

いつの時代も、医師は患者を救いたいと考えるもの。できる範囲で最高の治療をほどこし続けてきた結果が、現在の医療の発展につながっているのだ。

科学者くん
医学の進歩のおかげで輸血が安心してできるようになったんですね。
ダヴィンチさん
そうなんだ、先人達の努力のおかげだよ。

【追加雑学③】血液型占いは日本発祥

血液型占いは日本発祥についてのトリビア

血液型占いは、日本ではかなりポピュラーな占いだろう。日本では自分の血液型を知っている人が多いし、血液型占いの本も数多く発行されている。

血液型占いが始まるきっかけは、1927年に発表された「血液型による気質の研究」という論文によるものだった。論文からスタートしたとは、血液型占いの出発点が意外と堅いことに驚きである。

この論文に独自の解釈を加えて、「血液型人間学」という占いを考案したのが能見正比古(のみまさひこ)さんだと言われている。能見さんが亡くなったあと、根拠がないという批判が起きたこともあったようだが、血液型占いは現在にも受け継がれている。

ちなみに、血液型占いの人気は、日本とアジアの一部のみに限定されていることをご存知だろうか。欧米では大人になっても自分の血液型を知らない人も多く、4種類しかない血液型に性格をあてはめて決めつける行為は差別であるという考え方すらあるという。

血液型によって性格を決めることで相手を理解しようとする血液型占いは、日本人のメンタリティに合っているのかもしれない。

科学者くん
僕、自分の血液型知らないです。占いどころか、輸血が必要になったらどうしたらいいんでしょう!?
ダヴィンチさん
輸血が必要なときには、血液型を知っている人でも必ず何型かを調べて輸血するから心配いらないんだよ。
科学者くん
そうなんですね!良かった、これで安心です。

雑学まとめ

血液型が「ABO」になった理由は、O型の持つ特徴を表したものだった。現代に比べて情報も器具も少ない中で、さまざまなことを発見してきた先人達には頭が下がる。

海外の人と話す場合には、血液型の話をしない方がよさそうなことがわかった。ちなみに、海外では星座占いがポピュラーだそうだ。英語で雑談する機会がありそうな人は、自分の星座を英語でなんというのか調べておくといいだろう。

今後血液型の話をする際には、ぜひ今回の雑学を生かしていただきたい。

科学者くん
血液型のこといろいろ知れて面白かったです。
ダヴィンチさん
血液型占いはできなくても、血液型トリビアは話せるようになって良かったね。

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