雨が降ったときに着用する衣服「カッパ」。小さい頃は、「カッパは水の妖怪の河童と同じいい方だけど、何か関連があるのかな?」と考えたものだ。
しかし、この「カッパ」という言葉…実は日本語ではなく外国語由来ということを知っているだろうか?
では、どういう理由で外国から「カッパ」という言葉が輸入されたのだろうか?
今回は、そんな「カッパ」に関する雑学を紹介しよう。
【生活雑学】雨具の「カッパ」はポルトガル語が由来
【雑学解説】「カッパ」はもともとは「ケープ」を表す言葉
日本に「カッパ」という言葉が入ってきたのは、16世紀ごろ…だいたい戦国時代から安土桃山時代のあたりだ。
この頃は、「南蛮(なんばん)貿易」が盛んな頃で、ポルトガルやスペインとも貿易が行われていた。貿易によってやってきたのは、ヨーロッパの物以外にも、キリスト教を教える宣教師(せんきょうし)もいた。
その宣教師が、「カッパ(capa)」というケープ状の衣服を着ており、織田信長をはじめとした武士たちが「カッコいい!」という理由で積極的に取り入れたのだ。
宣教師たちが着ていたカッパは、当時日本にはなかったラシャという毛織物でできていたので、日本人から見れば豪華なものだった。そのため、最初のころは雨具というよりも、「権威の象徴として上級階級の人たちが着る衣服」というふうに使われていた。
しかし、江戸時代になるとカッパの豪華さを競うようになってしまったため、幕府から「カッパ禁止令」が出てしまう。そのあとは、木綿性のカッパとなり、明治にはゴムで作られるようになって今に至る。
もしかしたら、幕府が「豪華なカッパは禁止!」というお触れを出さなかったら、今でもカッパは「お金持ちが着るもの」というようになっていたのかもしれない。禁止令が出て、材料が変わったことによって庶民にも手の届くものとなったのだろう。
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【追加雑学①】カッパが伝わるまでの日本の雨具は?
さて、「カッパ」が伝わったのは南蛮貿易が盛んだった16世紀ごろのことだが、それ以前の日本人は、どのような雨具を使っていたのだろうか?
カッパが伝わるまでの日本人の雨具は、「蓑(みの)」というものだった。藁を編んで作ったものだが、防水性に優れている。
「カッパ」が伝わったあとも、農民などの下級の人たちに重宝され、昭和30年代まで使われていたほど。今となっては昔話の衣装というイメージだが、結構最近まで使っていたところもあったのは驚きだ。
蓑を着たらどんな感じ?動画で見てみよう!
実際に蓑を着用している動画があったので、どんな感じの物なのかチェックしてみよう!
一見すると、雨具としては不安要素しかないが、長いあいだ日本人の雨具の1つとして親しまれていたのだ。
【追加雑学②】まだまだある!ポルトガル由来の言葉
「カッパ」はポルトガル由来の言葉だが、実は他にもポルトガル由来の言葉はたくさんある。その一部を表にしてみた。
日本語 | 由来となったポルトガル語 | ポルトガル語での意味 |
バッテラ(しめ鯖の押し寿司) | bateira(バッテイラ) | 小舟 |
かるた | carta(カルタ) | トランプ |
金平糖 | confeito(コンフェイト) | 砂糖菓子 |
おんぶ | ombro(オンブロ) | 肩 |
天ぷら | temperar(テンペーロ) | 下味をする |
日本料理として親しまれている天ぷらやバッテラが、実はポルトガル語由来ということに驚きを隠せない…!
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雑学まとめ
雨具の「カッパ」は、南蛮貿易とともにポルトガルから伝わってきた言葉に由来している。もともとは権力者が着る豪華なものだったが、時代が流れるにつれて、徐々に庶民にも浸透していった。
「カッパ」の他にも、「バッテラ」や「天ぷら」など、ポルトガル語由来の言葉はたくさんある。日本とポルトガルの友好関係が見られる、面白い雑学だ。
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