日本人でよかったなー、と思うときのひとつに、食の豊かさがある。和食はもちろん、フレンチにイタリアン、中華料理まで手軽に味わえるのだ。
最近のレトルト食品は優秀だが、どうしても一般家庭の火力では中華料理は難しい。町の中華料理屋さんに家族でゾロゾロと押し掛ける羽目になる。
ところで、筆者の住む田舎町には「中華料理屋」はあるのだが、「中国料理屋」は見当たらない。都内に住んでいた頃は、中国人のやっている小さな「中国料理屋」や「本格中国料理」といった看板も見たものだが…いったいこの差は何なんだろう。
今回は「中国料理」と「中華料理」の違いについての雑学を紹介していく!
【食べ物雑学】中国料理と中華料理の違いとは?
【雑学解説】中国料理と中華料理は別の料理
日本人は中華料理が大好きだ。近所のラーメン屋に始まり、「餃子の王将」や「バーミヤン」、これらはすべて「中華料理屋」といっていい。日本人の口に合うように味付けがされている。
実はこの中華料理、本場の中国人は中国料理だと思っていない様子。「これはこれで美味しいけれど、まったくの別物」と考えている。
これに対し、看板に「中国料理」と出している店舗は、シェフに高名な現地人を雇っていることが多いようだ。こちらは逆に、日本人の口には合わないこともある。
中国は国土が広いため、「中国八大料理」に分類され、それぞれ全く異なる味付けになる。有名な四川料理や広東料理の他、山東(さんとん)・江蘇(こうそ)・浙江(せっこう)・安徽(あんき)・湖南(こなん)・福建(ふっけん)がある。
もはや呪文のようだが、中国国内でもそれぞれ味が濃かったり辛かったり、また使う食材にも大きな差がある。
【追加雑学①】中国料理と中華料理の共通メニュー
味付けの差があるだけで、本場の中国料理と日本式の中華料理、どちらにもあるメニューもいろいろある。たとえるならインド式カレーと日本式カレーみたいなものだ。カレーであることには変わりない。
まず挙げられるのがラーメン。日本ではスープの味にこだわりがあるが、中国ではむしろ具で種類に差をつけ、麺の種類も非常に豊富。日本とはこだわりの方向性が違う。
チャーハンもかなり違う。日本では炊いておいた白飯に、後から味を足しながら炒める。対して中国では、スープを使って味付けご飯を炊き、チャーハン専用の米を作る。そしてそれを炒めるのだ。
餃子を食べるときは、中国ならひとり20~30個は当たり前! その代わりこれが主食なので、米は一切食べない。中華料理が焼き餃子なのに対し、中国料理は水餃子が一般である。
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【追加雑学②】実は日本にしかない中華料理
意外なことに、エビチリは日本にしかない…。けっこうビックリだ。辛いし中国にもあると思っていた。
とはいえ、最近のように豆板醤を使って辛くしたものは、かなり中国料理の味付けに近くなっている。考案当初、ケチャップや卵を使って辛みを押さえ、作り方もかなり単純なものだった。
同じようにエビマヨも、日本のマヨネーズ文化がヒントになった日本生まれの中華料理。発案者は周富徳さんである。
日本では定番の「あんかけスタイル」は、本場の中国料理にはほぼないのだそうだ。中華丼や天津飯などはもちろん日本にしかない「中華風」料理だ。
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中華料理を中国人が食べたらどうなる?【動画】
中国の人は、日本の中華料理を別物として楽しんでくれているらしい。中華料理店は店舗がきれい、サービスがいいなど、日本特有のメリットもある。
というわけで、中華料理を初めて食べた中国人の方の動画を見てみよう。「ナニコレ、中国に無いよ?」といった反応が面白い。
「中国料理と中華料理」の雑学まとめ
中国はあまりに広すぎるので、「八大中華料理」それぞれの系統がまるで違う。このため、同じ中国人でも出身によって好きな味付けが全く異なるのだそうだ。
日本生まれの中華料理はなじみ深い味だが、本格中国料理にもチャレンジしてみたい。うちの田舎町にも中国料理屋があったらいいのに…。
ちなみに、あんかけスタイルの天津飯は中国料理にはない。ところが中国人、「テンシンハン」は知っている。理由はドラゴンボール! 鳥山明先生恐るべし、である。
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