チャウチャウは中国原産の犬種で、非常に長い歴史をもつという。外見はライオンに似ているといわれるが、愛嬌があるため愛玩犬として人気がある。中型犬で、番犬や猟犬としても活躍していたという。
そんなチャウチャウには、もともと食用犬として品種改良されたという説があり、実際に食用犬として利用されているという驚きの事実があるのだ。チャウチャウは食用犬だったという雑学についてご紹介しよう。
【動物雑学】チャウチャウは食用犬として品種改良された?
【雑学解説】チャウチャウには食用犬として品種改良されたという説がある
チャウチャウは中国原産の中型犬だ。愛嬌のある顔立ちで日本でもペットして愛されている。
下の動画はチャウチャウを撮影したものだが、タイトルからもチャウチャウが愛されていることがわかる。そんなチャウチャウが、もともとは食用に品種改良された犬種だったという驚きの説がある。
中国にはハン・ドッグという古代犬がいた。ハン・ドッグは、現在は絶滅してしまったが、このハン・ドッグを食用に品種改良したのがチャウチャウだという説があるのだ。
ハン・ドッグを品種改良したとされる犬種は他にも存在するが、チャウチャウは肉の量が他の犬種よりも多いとされている。
チャウチャウは、ハン・ドッグとチベタン・マスティフを交配させた犬種と考えるのがこの説だ。チベタン・マスティフは、ライオンのようなたてがみをもつものもいる超大型犬だ。下の動画はチベタン・マスティフを撮影したものだ。
非常に大きいがチャウチャウと似ている。チベタン・マスティフは、世界一高価な犬だったことがあり、一時は1匹2億円ほどで取引されたこともある。また、中国の動物園でライオンとして展示されたこともあるという。
チャウチャウは足が短いことで知られているが、この足も逃げられないように品種改良されたという説まで存在する。
中国は多民族国家でさまざまな文化があるが、犬を食べる文化も少なくなかったようだ。現在は犬を食べることへの批判が多くなっており、犬食は廃れつつあるが完全になくなったわけではない。
中国では、チャウチャウは現在でも食用として食べられているという。中国は、最も犬肉を消費する国としても知られている。
しかし、チャウチャウが食用として品種改良されたというのはあくまで1つの説であり、チャウチャウの起原とされる説はこれだけではない。
チベタン・マスティフと中国のスピッツタイプの犬を交配させて作られた説もある。また、チャウチャウは食用として品種改良したのではなく、古代から独自の犬種として存在していたという説もあるのだ。
チャウチャウは超古代犬?
チャウチャウは品種改良されたわけではなく、紀元前2000年頃から存在した超古代犬という説がある。
この時代に作られた壷や美術品にチャウチャウらしき姿が描かれていることと、気質的に犬の原種の狼に近い部分が見られることが根拠として挙げられる。
チャウチャウは青い舌をもっているが、これは近縁とされる犬種には見られない。このことも、チャウチャウが古代から続く独自の犬種と考えられる理由になっている。
この説ではチャウチャウは食用犬だったわけではなく、もともとは作業犬として利用されていたと考えられている。しかし、この説は決定的な根拠がなく、あくまで推測に過ぎない。
科学的に証明することが困難なのも、この説のネックになっているという。
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【追加雑学】有名な「生類憐れみの令」は犬食をやめさせるためだった?
実は、日本でもかつて犬食は行われていた。このことと、あの有名な「生類憐れみの令」には関係があるという。
生類憐れみの令は徳川の五代将軍・徳川綱吉によって制定されたもので、犬を大事にするための政策と見なされていたこともある。
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綱吉は犬公方と揶揄されたように、犬を異常に大事にしたと伝えられてきた。実際は犬を大事にする政策ではなく、命を大切にしようとする精神を根付かせるためのものだったという。
生類憐れみの令は子供や傷病人・老人を捨てることを禁止し、犬以外の生き物を大切にすることも義務付けられていた。また、犬食とも関係があるといわれている。当時の日本では、肉食はあまり一般的ではなかったが、鷹狩りに使う鷹の餌として犬の肉が使われていた。
犬を殺す仕事をしていた下級武士が犬の肉を食べることもあったという。これらは反社会的な行動として問題になっており、生類憐れみの令以前に処罰されたものもいたのだ。
他にも、野犬を試し斬りにしてその肉を食べるものもいたという。犬の肉を食べる下級武士は問題行動を起こす者が多かったため、生類憐れみの令はそれらを取り締まる意味もあったといわれている。
生類憐れみの令によって犬食は一気に減ったが、日本から完全になくなったわけではない。戦中、戦後に犬を食べたという話が残っており、現在でも犬肉は日本に輸入されている。
現在、日本人が犬肉を食べることはほとんどないというが、犬料理を出すアジア系の料理店は日本でも営業しているのだ。
雑学まとめ
チャウチャウは、もともと食用犬だったという雑学をご紹介した。チャウチャウが食用犬として品種改良されたという説が本当だったのかはわからない。
しかし、食べられる部分が多いチャウチャウが食用犬として利用され、現在でも食べられているのは間違いないようだ。
とはいえ、中国でも犬食はどんどん少なくなっている。チャウチャウが食べられることもいずれはなくなるのかもしれない。