みなさんは炭酸飲料を何と呼ぶだろうか?そのまま炭酸飲料? サイダー? それとも商品名のコーラやラムネだろうか?
実はこの「サイダー」という単語。もともとは英語なのだが、日本と韓国では本来の意味とは違う使われ方をしている。そのため英語圏で「サイダー」を注文すると、まったく別物が出てきてしまうので注意が必要だぞ。今回はそんな各国の「サイダー」にまつわる雑学をご紹介!
【世界雑学】炭酸飲料をサイダーと呼ぶのは日本と韓国だけ
【雑学解説】日本で炭酸飲料のことをサイダーと呼ぶようになったのはなぜ?
サイダー(cider)自体は英語だが、日本で使われているサイダー(炭酸飲料の意味)は実は和製英語だ。
炭酸飲料自体は、黒船来襲と共に「レモネード」として日本に伝わったとされているが、サイダーの由来には今の「三ツ矢サイダー」が大きくかかわっている。明治時代に「三ツ矢平野水」を販売していた帝国礦泉株式会社(現アサヒ飲料)が、平野水をもとに、イギリスから輸入したサイダーフレーバーエッセンスや砂糖を煮詰めたカラメルなどを加えた「三ツ矢印 平野シャンペンサイダー」を製造・発売を開始した。
「三ツ矢印 平野シャンペンサイダー」から「平野」が消え、「シャンペン」が消え、今の「三ツ矢サイダー」になった。そもそもサイダーの名前が発売当初から付けられていたのは、サイダーフレーバーエッセンスを使ってサイダーを製造していたからといわれている。
その後日本では炭酸飲料のことをサイダーと呼ぶようになったのだ。
【追加雑学①】韓国語でサイダーは「サイダ」
韓国語でもサイダーは「サイダ」と言う。実は日本語由来の韓国語である。
韓国が日本の植民地として統治されていた時代、金郷サイダーなど(韓国で有名なチルソンサイダーの前身)は日系企業が製造していた。1945年に日本の朝鮮半島統治が終わると、サイダーの製造は韓国企業に移ったがそのままサイダーの名前は残ったと考えられる。
ちなみにこの「サイダ」には、サイダー以外に「さっぱりした性格の人」や「すっきりした状況」という意味もある。サイダーを飲んだ時の清涼感のように、モヤモヤしたりイライラする状況がさっぱり好転したときに使われている。
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【追加雑学②】英語のサイダー(cider)は「リンゴジュース」または「リンゴ酒」の意味
イギリスでサイダー(cider/cyder)と言うと「リンゴ酒」。アメリカやカナダでサイダー(cider)と言うと「リンゴジュース」を意味する。こちらがサイダーの本来の意味だ。
どちらのサイダーもリンゴのしぼり汁を使っている所は共通している。
ちなみに、フランス語ではcidre(シードル)となり「リンゴ酒」を意味する。イギリスのリンゴ酒は発泡性があることが多いが、フランスのリンゴ酒は発泡性でないことが多いなど、各国によってサイダーの定義は様々だ。
【追加雑学③】英語圏でサイダーは「soda pop」か「lemonade」
英語圏で炭酸飲料と言いたいときは、「soda pop(ソーダ ポップ)」や「lemonade(レモネード)」と言えばOK! soda popでも通じるが、アメリカでは炭酸飲料のことをsoda・pop・coke(コーク:コーラのこと)と、地域によって呼び名が変わる。
イギリス・オーストラリア・ニュージーランドではlemonadeの呼び名の方がよく使われているぞ。ちなみに、日本のラムネはlemonade(レモネード)が訛ったものなんだそう。今のラムネにレモネード感はないが、日本独自の進化を遂げてきたということなのだろう。
雑学まとめ
サイダーについての雑学を解説したが、いかがだっただろうか。
サイダーは英語ではあるが、英語圏では炭酸飲料の意味では通じない。子ども用にサイダーを注文したらリンゴ酒だったなんてことにならないよう、海外に行く際にはsoda popかlemonadeを覚えておきたい。
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