カレーパンは皆さんご存知のように、カレーが具になっているパンだ。衣をつけて揚げられたものが多く、揚げたてのカレーパンは格別な味がする。
それにしても、そのまま食べても美味しいカレーをパンにして食べようとは、よく考えたものだ。
では、カレーパンはどこでいつ誰が発明したのか? 今回はこの雑学について解説していこう。どうやら、いくつも説があるらしいが…。
【食べ物雑学】カレーパンはどうやって生まれた?
【雑学解説】カレーパンの起源・3つの説
カレーパンの起源だとささやかれているのは、全部で3つ。
順番にご紹介していこう。
「カトレア」説
一つ目の説は、東京都江東区にある「名花堂」(現在は「カトレア」)の二代目店主、中田豊治さんが、1927年に実用新案登録した洋食パンがカレーパンの元祖だというもの。実用新案とは、利便性が増すように、モノの形や組み合わせ・構造について考案されるものだ。
しかし、カトレアが登録した洋食パンは、「具の入ったパンをカツレツのように揚げる」というものだった。揚げているのはたしかだが、中にカレーが入ってはおらず、カレーパンの元祖と呼ぶには、少々厳しい。
「デンマークブロート」説
東京都練馬区にある、1934年創業の「デンマークブロート」というパン屋さんの創業者がカレーパンを発明したとの説もある。
こちらの説では、パンでカレーを挟むカレーサンドを発売し、のちに揚げることを思いついたとのこと。
「新宿中村屋」説
「新宿中村屋」の創始者の相馬愛蔵(そうまあいぞう)が、1916年、自店に招いたインドの独立運動家ラス・ビバリ・ホースが伝えたインドカレーからヒントを得て、カレーパンを発明したともいわれている。
どれが正しい説なんだと思ってしまうが、これだけ説が分かれているのは、この時代に洋食が普及しつつあり、多くの業者が洋食を取り入れつつ、独自の日本的な洋食メニューの開発に勤しんでいたという時代背景があったためだ。
この3つの説で一番有力なのは、はじめに紹介した「カトレア」説。
多くのサイトで、カレーパンの起源ではないかと紹介されている。単に、実用新案登録するときに、カレーのことを申請し忘れたおっちょこちょいだったのかもしれない。
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【追加雑学①】カレーパンとカレードーナツの違いは?
カレーパンのほかにカレードーナツというパンもある。ドーナツだから真ん中に穴が開いているのかなと思いきや、穴が開いてなくてもカレードーナツとして陳列されているのも見かける。カレーパンとカレードーナツの違いは、実は「調理方法」にある。
カレーパンは揚げカレーパンのほかに、焼きカレーパンもある。つまり調理方法は「焼く」と「揚げる」の2種類。対して、カレードーナツは揚げるパターンしかない。ドーナツなのだから当たり前かもしれないが…。
つまり、カレーパンの一種としてカレードーナツがあるということ。ジャンルでいえば、カレーパンというくくりのなかに、カレードーナツが含まれているのだ。
【追加雑学②】カレーの「甘口」「辛口」の基準は?
カレールーを購入するとき、パッケージに「甘口」「辛口」などと表示されているが、あの表記の基準となっているのは、なんと人の舌。複数人が食べ比べて決めているらしい。
辛さのもととなるスパイスは収穫年によって味が変わってくる。メーカーはなるべく一定の味となるよう配合比率など調整して、基準となるソースを作成するのだ。そうして出来たソースを複数人が食べ比べて、辛さの度合いを決定するのだ。
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カレーパンの雑学まとめ
みんな大好きカレーパンについての雑学をご紹介してきた。
その起源にはいくつか説があるが、日本で開発された食べ物であることはたしかなようだ。20世紀前半、洋食文化が日本に入ってきたことで生まれた一品。
洋食をそのまま取り入れず、「カレーを揚げてパンにする」という独自のアレンジを加えて発明された。なんだか日本の料理人のプライドがうかがえる。ということで、見た目は全く日本っぽくないかもしれないが、カレーパンは和の心が盛り込まれた食べ物なのである。
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