由来

ウソみたいな話。出刃包丁の由来がただの悪口なんですが…

雑学カンパニー編集部

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作った人が"出っ歯"だったから出刃包丁に関する雑学

魚の調理などに使う、刃が厚く先がとがった包丁のことを出刃包丁というのは、皆さんご存知かと思う。ではその出刃包丁の名前の由来はご存知だろうか? 「そんなの刃が厚くするどくて、刃が出ているからでしょ」という声が聞こえてきそうだが、実はそれは間違い!

出刃包丁の由来は、出刃包丁を作った人が「出っ歯」だったからだそう。「まじかよ!」という感じだが、今回の雑学ではその噂を検証してみたので、最後までご覧頂きたい。

【生活雑学】出刃包丁の由来は、作った人が「出っ歯」だったから

おばあちゃん
出刃包丁ってわかるかい?
孫ちゃん
包丁ってあんまりよくわかんないけど、もしかして刃の厚いやつのことかな。
おばあちゃん
そう。出刃包丁って、出っ歯の職人さんが作ってね。

それで「あの出っ歯が作った包丁はすごい!」ってことで「出刃包丁」って名前がついたそうよ。

孫ちゃん
えぇ~!そんな理由なの!?

【雑学解説】出刃包丁の由来は、堺の包丁職人が相当な出っ歯だったから

堺の包丁職人が相当な出っ歯だったというトリビア

出刃包丁は、江戸時代に仕事が減って困った刀鍛冶や鉄砲鍛冶が転業し、大阪の堺で作られ始めたのだが、発明した包丁職人がすごい出っ歯だったことが由来して、このネーミングになったのだ。

孫ちゃん
そんなウソみたいな理由あるの~!?
おばあちゃん
どんなに包丁が素晴らしくても、名前の由来が自分の出っ歯だなんてねぇ…。

「おいおい、それでいいのかよ」と思ってしまうが、これは江戸時代に書かれた堺の地誌『堺鑑』にも記載されているので、事実である可能性がかなり高い

ちなみに、出っ歯であるといろいろ不都合が生じる。まず歯に押されるので口が開きやすく、その結果口呼吸になってしまう。口呼吸は鼻呼吸に比べ、空気の入る量が少ないし、口呼吸をしていると「アデノイド顔貌」といって口元が前に突き出た顔の形に変化していく。

輪郭が美しい人は、鼻先から顎まで一直線に結んだ「Eライン」が形成されるのだが、口呼吸が原因でアデノイド顔貌になってしまうと、突き出た口元がEラインの形成を阻んでしまう。つまり、もともと出っ歯は見た目が良くないのだが、口呼吸のせいでさらに悪くなる

おばあちゃん
ちなみにEラインっていうのは、美容整形とか矯正歯科でいうエステティック(Esthetic)ラインのことでね。

横顔の輪郭で、鼻・唇・顎を結んだ線のことをいうんだよ。

孫ちゃん
EラインのEはEstheticの頭文字ね。というかおばあちゃん、相変わらずいろんなこと知ってるね…。エステなんておばあちゃん関係ないじゃん…。
おばあちゃん
ちょっとあんた、失礼だよ。

あと寝るときも口が開いた状態になりやすいので、いびきをかきやすくなる。のどに雑菌が入りやすくなるので、のどの健康という観点からも良くない。このように、出っ歯だと見た目や健康の問題が生じやすい。私も出っ歯なので、この気持ちは分かる。

包丁の名前に出っ歯が関係してくるぐらいだから、相当出っ歯だったに違いない!

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さて…出っ歯の話が中心となってしまったが、ここで出刃包丁の雑学をもう少し紹介しよう。

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【追加雑学①】出刃包丁の種類

出刃包丁の種類についてのトリビア

出刃包丁は実は色々と種類があって、全部で5種類にも分かれるのだ。せっかくだからひとつずつ紹介していこう。

まずは「本出刃包丁」刃渡りが15センチ以上のものを本出刃包丁と呼び、一般的に出刃包丁と呼ばれるのはこの包丁のことだ。長さだけでなく重さも立派で、500グラムを超えることもある

次に本出刃包丁より薄く、骨を断つより身をさばくのに向いている「中出刃包丁」。さらに小ぶりで薄く、魚の身を卸すのに向いている「身卸包丁」本出刃包丁をそのまま小さくした「子出刃包丁」。最後が鯵(アジ)のような小さな魚をさばくのに使う「鯵切り包丁」である。

おばあちゃん
料理人じゃなければ、全部使うってことはなかなかないだろうけどねぇ。

このように出刃包丁は、その刃の大きさによって種類があるのだ。

【追加雑学②】左利き用の出刃包丁がある

実は出刃包丁は左右対称ではなく、普段右利きの人が使っている包丁は、右利きの人が使いやすいように研いであるのだ。刃をまっすぐに立て、包丁の上からみると左右非対称であることがわかる。

左利き用の出刃包丁は、右利きのものと比べて珍しい。そのため、どうしてもお値段がはってしまうというデメリットはあるが、ちゃんと売っているので左利きの人も安心して出刃包丁を使える

【追加雑学③】包丁の語源

包丁は、中国では庖丁(ほうてい)といって、もともとは「料理人の丁さん」という意味だったのだ! これも出刃包丁の由来なみに驚きのトリビアだが、これも事実。

丁さんの庖丁さばきがあまりに見事だったことから、転じて料理に使う刀を包丁と呼ぶようになったのだそう。自分の名前がモノの由来となるとは、いったいどれほどの包丁さばきだったのだろうか。

孫ちゃん
包丁さばきが見事だから自分の名前が使われるようになったなんて、料理人としては嬉しいよね。

雑学まとめ

出刃包丁についての雑学まとめ

出刃包丁についての雑学をご紹介してきたが、いかがだっただろうか。出刃包丁の名前の由来は、出刃包丁を作った職人が出っ歯だったから。この出刃包丁を作った職人からしたら、どうせ名前をつけるなら「出っ歯」なんていう悪い特徴ではなく、いい特徴でつけてほしかったものだと感じることだろう。

孫ちゃん
いやほんとその通りだよ。
おばあちゃん
中国の丁さんのように、せめて名前の一部でも入っていればねぇ…。

でもちょうど包丁の見た目(刃が出ている)とうまくかかって、いいトリビアになったのでこの職人には悪いが、辛抱いただきたい。

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