魚の調理などに使う、刃が厚く先がとがった包丁のことを出刃包丁というのは、皆さんご存知かと思う。ではその出刃包丁の名前の由来はご存知だろうか? 「そんなの刃が厚くするどくて、刃が出ているからでしょ」という声が聞こえてきそうだが、実はそれは間違い!
出刃包丁の由来は、出刃包丁を作った人が「出っ歯」だったからだそう。「まじかよ!」という感じだが、今回の雑学ではその噂を検証してみたので、最後までご覧頂きたい。
【生活雑学】出刃包丁の由来は、作った人が「出っ歯」だったから
それで「あの出っ歯が作った包丁はすごい!」ってことで「出刃包丁」って名前がついたそうよ。
【雑学解説】出刃包丁の由来は、堺の包丁職人が相当な出っ歯だったから
出刃包丁は、江戸時代に仕事が減って困った刀鍛冶や鉄砲鍛冶が転業し、大阪の堺で作られ始めたのだが、発明した包丁職人がすごい出っ歯だったことが由来して、このネーミングになったのだ。
「おいおい、それでいいのかよ」と思ってしまうが、これは江戸時代に書かれた堺の地誌『堺鑑』にも記載されているので、事実である可能性がかなり高い。
ちなみに、出っ歯であるといろいろ不都合が生じる。まず歯に押されるので口が開きやすく、その結果口呼吸になってしまう。口呼吸は鼻呼吸に比べ、空気の入る量が少ないし、口呼吸をしていると「アデノイド顔貌」といって口元が前に突き出た顔の形に変化していく。
輪郭が美しい人は、鼻先から顎まで一直線に結んだ「Eライン」が形成されるのだが、口呼吸が原因でアデノイド顔貌になってしまうと、突き出た口元がEラインの形成を阻んでしまう。つまり、もともと出っ歯は見た目が良くないのだが、口呼吸のせいでさらに悪くなる。
横顔の輪郭で、鼻・唇・顎を結んだ線のことをいうんだよ。
あと寝るときも口が開いた状態になりやすいので、いびきをかきやすくなる。のどに雑菌が入りやすくなるので、のどの健康という観点からも良くない。このように、出っ歯だと見た目や健康の問題が生じやすい。私も出っ歯なので、この気持ちは分かる。
包丁の名前に出っ歯が関係してくるぐらいだから、相当出っ歯だったに違いない!
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さて…出っ歯の話が中心となってしまったが、ここで出刃包丁の雑学をもう少し紹介しよう。
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【追加雑学①】出刃包丁の種類
出刃包丁は実は色々と種類があって、全部で5種類にも分かれるのだ。せっかくだからひとつずつ紹介していこう。
まずは「本出刃包丁」。刃渡りが15センチ以上のものを本出刃包丁と呼び、一般的に出刃包丁と呼ばれるのはこの包丁のことだ。長さだけでなく重さも立派で、500グラムを超えることもある。
次に本出刃包丁より薄く、骨を断つより身をさばくのに向いている「中出刃包丁」。さらに小ぶりで薄く、魚の身を卸すのに向いている「身卸包丁」。本出刃包丁をそのまま小さくした「子出刃包丁」。最後が鯵(アジ)のような小さな魚をさばくのに使う「鯵切り包丁」である。
このように出刃包丁は、その刃の大きさによって種類があるのだ。
【追加雑学②】左利き用の出刃包丁がある
実は出刃包丁は左右対称ではなく、普段右利きの人が使っている包丁は、右利きの人が使いやすいように研いであるのだ。刃をまっすぐに立て、包丁の上からみると左右非対称であることがわかる。
左利き用の出刃包丁は、右利きのものと比べて珍しい。そのため、どうしてもお値段がはってしまうというデメリットはあるが、ちゃんと売っているので左利きの人も安心して出刃包丁を使える。
【追加雑学③】包丁の語源
包丁は、中国では庖丁(ほうてい)といって、もともとは「料理人の丁さん」という意味だったのだ! これも出刃包丁の由来なみに驚きのトリビアだが、これも事実。
丁さんの庖丁さばきがあまりに見事だったことから、転じて料理に使う刀を包丁と呼ぶようになったのだそう。自分の名前がモノの由来となるとは、いったいどれほどの包丁さばきだったのだろうか。
雑学まとめ
出刃包丁についての雑学をご紹介してきたが、いかがだっただろうか。出刃包丁の名前の由来は、出刃包丁を作った職人が出っ歯だったから。この出刃包丁を作った職人からしたら、どうせ名前をつけるなら「出っ歯」なんていう悪い特徴ではなく、いい特徴でつけてほしかったものだと感じることだろう。
でもちょうど包丁の見た目(刃が出ている)とうまくかかって、いいトリビアになったのでこの職人には悪いが、辛抱いただきたい。