あなたは自分の身体がどのように作られているのか、考えたことがあるだろうか? 普通はこういった質問を受けると、筋肉やら血管やら、いわゆる体内組織的なものを思い浮かべるだろう。
しかしさらに細かく辿っていけば、DNAの話になってくる。なんでも人間を構成するためのDNAは、約30億個の塩基対からなるという。
「そりゃあ、30億個も別々の塩基対が集まって構成された身体なら、自分と同じ人が一人もいないのも当然だよな…」なんて思ったそこのあなたに、一つ衝撃の事実を伝えよう。
人間のDNAは、あのナメクジと70%同じなのだ!
…これは聞き捨てならない。人間は塩をかけられたって小さくならないし、第一ナメクジには人と同じような手足さえ生えていないではないか!
真相に迫ってみると、DNAの想像を遥かに超える壮大さを実感させられる結果になった! 今回はそんな驚きの雑学をご紹介する!
【人体雑学】人間とナメクジはDNAの約70%が一致する
【雑学解説】DNAが0.1%でも違えば、形成されるものは大きく違う
ナメクジとDNAが7割も同じと聞かされると、なんとも信じ難いような気持ちにさせられるが、この話を聞けば感覚も変わってくるだろう。そもそも同じ人間同士なら、DNAは99.9%が一致するのだ。
背の高さから顔立ち・性格など、人一人を特徴づける要素は多岐にわたり、すべてが同じ人など存在しない。しかしそういった違いを作っているのは、わずか0.1%のDNAの違いなのだ。
ちなみに、人間に近いといわれるチンパンジーと比べても、96%が一致する。ネズミなんかは哺乳類というぐらいしか共通点がないようにみえるが、それでも85%も一致するのだ。さらにバナナは動物ですらないが、人間と50%も一致するという。
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どういうカラクリかというと、人間もナメクジも祖先は同じ水生生物だった。つまり元は同じDNAをもっていたのだ。
その基本のDNAを元に、進化の過程でそれぞれ別のDNAを形成していくわけだが、壮大な地球の歴史から見れば、その違いは30%ほどしかないということだ。
これを考えると、ナメクジよりさらに後の段階で別れて進化したネズミやチンパンジーが、人間のDNAとかなりの割合で一致することにも合点がいく。
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【追加雑学】DNAは生物の設計図
ここまで繰り返しDNAという言葉が出てきたが、そもそもDNAがどういうものなのかご存知だろうか。「え? 人体を構成してるものでしょ?」と思ってしまうが、これは少し違う。
DNAは、その人の身体を形成するための遺伝情報を含んだ物質、つまり設計図だ。人体を構成するのに重要な役割であることは変わりないが、DNA自体が人の身体を直接作っているわけではない。
DNAの情報を元に人の身体を形成していくのは、RNAと呼ばれる物質の役割だ。RNAはDNAから読み取った情報を元に、たんぱく質を合成していくのだ。
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雑学まとめ
今回は、DNAに関する驚きの雑学をご紹介した。人間とナメクジが70%も共通するDNAをもっているということは、動物として生命活動をしている時点で、共通する遺伝情報が膨大にあるということだろう。
かなり大雑把にいうと「お互い生きてるんだから、親戚みたいなもんでしょ!」といったところだ。人類皆兄弟とはよくいったもの。「この人苦手だな…」などと思っても、0.1%の違いだと考えれば自分も大して変わらない。
人間関係に悩まされたら、今回のナメクジの話を思い出してみれば、ちっぽけなことに思えてくるかもしれない。しかし0.1%の違いとはいえど、イケメンとの壁は相変わらず分厚く感じるのだが…。